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無能

「どうして今更敵が……」

 康生に助けてもらう中、奈々枝はすぐに周囲を確認する。

 みると、向こうの戦場とは全く違う方向に人影を見つける。

「敵は……一人か?」

 康生も同様に敵の姿を見つけたが、その影が一つであることに疑問を抱く。

「増援、っていうわけではないと思うけど……。とにかくあれだけの攻撃を仕掛けてくる奴だから気をつけてね」

「あぁ、任せろ」

 奈々枝を安全なところまで運んだ康生はすぐに敵影に向き合う形で立つ。

「お前は何者だっ!」

 ゆっくりと奈々枝から離れつつ、康生は敵の方に向かって近づいていく。

 すぐにでも攻撃が飛んできてもおかしくないので、いつでも回避出来るように警戒しながら。

「お前達二人だけか。しかも重要人物が二人とは、いささか油断しすぎではないか?」

 以外にもその人物は、康生の問いかけに答える。

 先ほどの不意打ちの攻撃が失敗したせいか、これ以上攻撃を仕掛けてもすぐにはどうしようもないと判断したのだろう。

 その人物は康生の元へとゆっくりと近づいてくる。

「別にお前に心配される筋合いはない」

「ふっ、確かにそうだな」

 だんだんと近づいてきたおかげで、なんとなくだが敵の姿を確認できた。

 見ただけで分かるほどの良質な装備に身を包んでおり、一見してすぐに敵の地位が高いことが分かった。

 最低でも指揮官クラス。いや、今までの指揮官達とはどこか違う姿からより上の者だということが分かる。

「異世界人共は皆向こうに行ったのか。まぁいい、あれはそう簡単にはやられないからな」

「それと同じ奴はさっき俺達が倒したんだけどな」

「あぁ、そうだったな。たかだか一体に大分苦戦していたのをしっかり見ていたよ」

「一体……だと?」

 まさかあの物体が複数いるのかと、康生は耳を疑う。

 奈々枝は奈々枝で、指揮官の発言を聞いた瞬間にどこかへ連絡をとっていた。

「おや?知らなかったのか?あれは貴様の両親達が発案した兵器の一つだよ」

「な、なんだと?」

 兵器だけではなく、あの魔力の物体でさえ両親が考えたものなのかと康生は驚愕した。

「なんだ?知らなかったのか?」

 全く知らない。康生は兵器のことしか両親から聞いてなかった。

 元々魔力についての研究を両親をしていたのは知っていたが、まさかあれほどのものを発明しているとは考えもしなかった。

「まぁ、あくまで偶然の産物なんだがな。お前が無能共と戦ってくれたおかげであれが誕生しんだよ」

「無能、だと?」

 瞬間、康生は指揮官の言葉に怒りを覚えた。

「あぁ。お前に一度破れた奴らだ。あいつらの怒りや執念が積もりに積もって、あれは生まれた。だからお前とあの無能に感謝しないとな」

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