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無線

「よしっ!」

 雷の物体が消失したのを確認した康生は小さくガッツポーズをとる。

 それでも油断は出来ないとすぐに周囲を確認するが、今のところ周囲に敵の反応はない。

「そっちは大丈夫っ?」

 兵器を無事に止めることに成功した奈々枝達は康生達の元へと来る。

「一応消滅したから倒したとは思うけど……。確証はまだない」

「いや、確かに倒したはずだ」

 康生が自信なさげに言うのを聞いて、ザグがすぐに口を挟んできた。

「お前は近くで戦ってたから分からなかったようだが、周囲で戦っていた俺達は奴が消滅するのを確実にこの目で見た。そうだよな?」

 ザグが周囲へ尋ねると、周りで戦っていた異世界人達も頷いた。

 どうやら本当に敵を倒すことに成功したようだった。

「これで終わったのか?」

 兵器の作動が止まり、敵の最大戦力だったであろう魔力の塊を消滅させた。

 残るは異世界へと向かう道で戦っていることのみだ。

 向こうも戦いも、康生達が向かえばすぐにでも決着がつくはずだ。

 つまり、戦いはこれで終わったのかと康生は疑問を抱いた。

「これ以上何もなければですけど……」

 奈々枝も康生と同様に、手応えのなさを感じているようで、再度敵の動きを思い出す。

「とにかく考えたって仕方ねぇだろ。あの兵器が止まった以上、すぐに破壊しておいた方がいいんじゃないのか?」

「あぁ、確かにそうだな」

 兵器を止めたからといって、再度利用されないとは限らない。

 動きを止めたことで、兵器を破壊しても害はない。

 だからこそ敵に使われないためにも破壊する必要がある。

「だけど気をつけろよ?あの中には大量の魔力が蓄積されている。下手をすればこの辺り一帯が消滅するからな」

「あぁ、分かってるよ。だからその辺の指示は任せるぞ」

「あっ、私も一緒に行きますっ」

 これ以上悩んでも仕方ないと判断したのか、康生達はザグの言う通り兵器を破壊することにした。

「とにかくこの後は向こうの戦場と合流して、それから……」

 と移動中に奈々枝が今後の予定を整理するために口に出している最中、それは起こった。


「なっ!?爆発したっ!?」


 突然の爆発音にザグは咄嗟に声を出す。

 何が起こったのか、理解出来ぬまま兵器の破片があちこちに散らばっていく。

「奈々枝っ!中の奴らはっ!?」

 兵器が爆発したことで、康生は咄嗟に中に入っていた敵兵の安否を確認する。

「すでに退避させています!」

「よし」

 ひとまず人への被害がでていないことに康生は安心する。

 だがその直後、康生達に無線が入った。


『康生大変!突然戦場に巨大な雷の化け物が現れたのっ!』

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