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倍以上

「やったのか?」

 いなくなったのを確認して、ザグが周囲を確認する。

 康生自体も攻撃があたった感触がなかったわけではない。

 ただ雷に対して攻撃をするということ自体、よく分からないことなのでなんともいえない状況だった。

 それでも確実に攻撃が入ったはずだ。

「どうなんだろうな……」

 あれだけの攻撃が入れば普通の人ならば即死レベルのものだ。

 だが人に対する評価なので、やはりなんともいえない。

 康生自身も感触が分からずに周囲を確認する。

「お、おいあれっ!」

 その時、異世界人の一人が声をあげた。

 視線をすぐに向けると、そこには例の物体の姿があった。

「くそっ!しとめられなかったかっ!」

「だが見た目が小さくなってる。確実にお前の攻撃の影響は食らっているはすだっ」

 一撃でしとめられなかったことを悔やむ中、ザグの言う通り確かに例の物体の大きさは少しばかり小さくなっていた。

「とにかくこのまま攻撃を入れ続けるぞっ!」

 ザグの声が合図となり、異世界人達は一斉に雷の物体に向かって走り出す。

「待てっ!何か様子が変だっ!」

「あぁんっ?」

 走り出したザグを康生は慌てて呼び止める。

 見ると、雷の物体はゆっくりと移動しながら形を変形しているようだった。

「なんだぁっ?」

 しかも例の物体はゆっくりと敵兵達へと移動する。

 奴らはその物体を知らないようだったが、それでも味方であると判断したようで怯える様子はなくなっていた。

 しかしそれが結果的に不幸を招く。

「ぐはっ!」

 ゆっくり変形した物体はそのまま敵兵の元へと移動すると、なんと敵兵の体へ自身の体の一部を突き刺した。

 それを見た瞬間、周りの敵兵達は一斉に逃げようとする。

 だが物体はそれを見逃すこともなく一斉に体を広げ、敵兵全員を捕まえてしまった。

「何だよっ!あいつら仲間同士じゃないのかよっ!」

 ザグ達は瞬時に敵兵を助けるために動く。

「俺は本体をやるっ!あとは任せるぞっ!」

 康生もその光景を見て、瞬時に『解放』の力を発動させる。

 一刻も早く敵兵を助けるために康生は一気に拳を叩きつける。

 先ほどダメージを食らったことを学習しているのか、その物体は康生が攻撃をする瞬間にまたその場から姿を消す。

 だがそれによって、敵兵達は解放された。

「様子はどうだっ!?」

 瞬時に物体の行方を探しながら康生はザグ達に敵兵の安否を確かめる。

「とりあえず大丈夫みたいだっ。ただ体の中の魔力がほとんどなくなってやがるっ」

「魔力が?」

「あぁ、なんだか嫌な予感がするぜっ」

 そうザグが言った瞬間、再び例の物体は康生達の前に姿を現す。

 その大きさを倍以上に増えていた。

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