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跡形

「奈々枝っ、向こうの戦場は大丈夫なのかっ?」

 謎の物体に挑む中、康生はここにいないエル達のことを心配する。

「安心して下さい。向こうは今のところこちらが優勢です。恐らく敵にとってこの兵器が要です。なのでこちらで暴れれば暴れるほど敵の戦力も必然的にこちらに集中すると思うので頑張って下さいねっ!」

 用は康生達に囮になれということだ。

 ただ、その状況は康生にとって願ったりかなったなので特に文句を言うことはなかった。

 それで向こうの負担が少しでなくなるなら康生は喜んでその役を買うだろう。

「へっ、そりゃつまりあいつに勝たないといけねぇってことだろうが。魔法が使えないのに一体どうやってあんなのに勝つつもりなんだよ」

 だがザグはその物体に対峙して、改めて動きを止める。

 確かに魔力を使用すれば兵器に吸い取られてしまう。

 不完全な兵器を、わざわざ完全にする必要はない。

 だからこそ魔力を使うのは躊躇われる。

「大丈夫ですっ!今、兵器を吸収する装置を停止させました!」

 そんな中、奈々枝の指示の元で魔力を吸収する装置が停止されたと報告を受ける。

「助かる奈々枝っ!」

 魔力が使えることを知った瞬間、康生は一直線にその物体へと突撃していく。

「お前は生物じゃない以上、手加減はしないからなっ!」

 いきなり『解放』の力まで発動する。一気にかたをつけるつもりなのだろう。

「いっけぇっ!」

 光速のスピードで物体へ攻撃を加える。

 敵が雷なのに対して、康生はグローブ単体で攻撃する。

 そのグローブには、地下都市での戦いで隊長達に使った魔力を使えなくする機能が加わっている。

 その物体が魔力の塊だからこそ、康生は小細工なしに一気にグローブで殴りつけた。

 当然、物体は康生の攻撃に対して反撃を加えようとした。

 雷の体だからか、その動きは確かに素早いものだった。

 だが康生のスピードには追いつけなかったようで無造作に雷をまき散らすだけだった。

 しかしその対策として康生は全身に雷を纏っている。

 結果、物体の抵抗の虚しく康生のグローブが物体へと直撃した。

「うっ!」

 周囲にいたザグ達は康生の攻撃の衝撃によって吹き飛ばされそうになる。

 攻撃の一直線上にいないのにも関わらず、これだけの衝撃波だ。

 そんな攻撃をモロに食らってしまったらどんなもので即死間違いなしだろう。

 康生の予想通り、その戦いはすぐに決着がつく様子だった。

「ふぅ……」

 振り上げた拳を康生はゆっくりと戻して前方をみる。

 そこには既に雷の物体は跡形もなく消えてしまっていた。

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