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移動

「何っ?あれが隊長の……一人?」

 奈々枝に言われて康生は再びそちらを視線を戻す。

 しかしどう見てもあれを生物とみるには無理がある。

 どう見てもただの魔法の塊としか認識できない。

「部下から報告があったんですけど。最後、隊長の一人を暴走寸前で倒した時、変な魔法が出てきたと言っていましたね?」

「あっ……」

 奈々枝の言葉を聞いて康生はあの時の出来事を思い出す。

 あの時、魔力暴走しそうになっていた剣の男を康生は寸前のところで止めることができた。

 だが剣の男を止めた直後、確かに雷の魔法が康生を襲った。

 それはしばらくするとどこかへ消えていなくなっていたので、その時は対して気にもしてなかった。

「も、もしかしてあの時のあれか?」

「えぇ、見た目からしてそうだと思います」

 奈々枝は部下から情報を得ていたのか、その物体の正体にすぐに気づいたようだった。

「おいっ、一体何の話をしてるんだよっ!俺にも説明してくれっ」

 二人のやりとりに、事情を知らないザグはすぐに口をはさむ。

「いや……あれは敵が魔力暴走寸前の時に生まれたものなんだよ。あの時はただの魔法だと思ってたんだけど……」

「魔力暴走だと?しかもそいつはお前が倒したんだろ?なのになんでまだ魔法が存在してるんだよ」

 ザグの言う通り、剣の男は康生が倒した。

 当然魔力暴走も回避することができたし、今は眠っている状態だ。

 なのに魔法がずっと保たれているなんてあまりにもおかしい。

 魔法は、使い続ければ続けるほど魔力を消費し続ける。

 あれから数時間は経ったはずだ。

 剣の男にそれだけの魔力がないことは康生は知っている。

 だからこそ、奈々枝の出した結論に康生は違和感を覚えずにはいられない。

「形状からしてそうだと思います。原理は分かりませんが、恐らくそうと断定してもいいと思います」

 根拠はない。でも康生は改めてそれと対峙して、感じる。

 確かにあれから感じる魔力はあの時の魔法と同じようなものだった。

「とにかく今は兵器のことです!私達は兵器をどうにかしますので、英雄様達はあれの対処をお願いしますっ!」

 それだけ言って奈々枝達は兵器の元へと移動しようとする。

 しかし、

「危ねぇっ!」

 兵器へ近づこうとする奈々枝達に向かって、物体が攻撃を仕掛けてきた。

 だがザグが寸前のところで攻撃を防ぐ。

「恐らくそれは兵器を守るようになっています!ですので私達を守ってくださいねお兄ちゃん!」

「分かってらぁっ!あれは俺達に任せろっ!」

 そう言って奈々枝達は兵器の元へ、康生達は例の物体へ向かっていくのだった。

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