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視線

「よしっ、とりあえずこいつはこのまま縛っておこうか」

 ザグ達は兵器周辺にいた敵兵を全員縛り上げる。

 兵器が作動したことで抵抗はなく、すぐに全員拘束することができた。それに兵器が作動する前に力を使いすぎた影響もあるのだろう。

 敵兵の顔からは生気が失われていた。

「はっ!何をしても終わりだっ!貴様等全員は全て死ぬことになるっ!」

 ただ唯一、指揮官だけは康生達を見てあざ笑う。

「さて、どうする?みた感じ、起動するまではもう少し時間がありそうだが」

 しかし今は指揮官にかまっている暇はない。

 意図的に声を無視して康生達は一カ所に集まる。

「あぁ。恐らくこの兵器が作動するまでおよそ一時間もあるはずだ」

「一時間だとっ?なんでそんなことが分かるんだよっ」

 康生の予想を聞いてザグは眉をひそめる。

 一体どこからそんな根拠が湧いたのが疑問に思ったのだろう。

「これは俺の両親が作ったものだ。俺も設計図は見たことある。だから大きな変更がない限りはそのぐらいの時間だ」

「お前の両親が?」

「あぁ……」

 敵の魔法技術は両親が関わっていると聞き、康生はあらかじめ奈々枝には話していたことだ。

 だがまさか本当に両親が考えた兵器が運用されているのを見て、康生は少なからず憤りを覚えていた。

「それにあいつの反応を見てみろ。恐らく時間はあっているはずだ」

 康生に促されてザグは指揮官に視線を向ける。


 見ると、康生が言っていたように先ほどの威勢はなくなっていた。

 康生が話していた時間が正しかったのか、今までの態度とは一転して唇を噛みしめ視線をそらしていた。

「とにかく一度奈々枝と合流してこの兵器をなんとかするぞ。だが敵は必ず俺達を妨害してくるはずだ。兵器を無闇に扱うと危険だから敵も慎重になってくるはずだが油断はするなよ」

「おうっ、分かってるよっ」

 康生が警戒するように確かに、兵器の周辺には敵が集まりつつあった。

 敵の動きは逐一報告を受けているので、すぐに康生達の耳に入る。

「じゃあお前にだったらこれがなんとかできるんだな?」

「あぁ。でも俺一人だけじゃだめだ。だから奈々枝達を呼んだんだ」

 そう康生が言うと近くから物音が聞こえる。

「おっ、ようやく来たかっ?」

 やっと奈々枝達が来たのかとザグは視線を向ける。

「いやっ、あれは違うっ!」

 だが何かを感じ取ったのか、康生はすぐにザグ達の体に体当たりする。

「なっ、何をするんだよっ……」

 突然の行動にザグ達は困惑の表情を浮かべた。

 だがその瞬間に、ピュンッという短い音と共に爆発音が響きわたる。

「なっ!?」

 突然の爆発にザグは固まってしまう。

「何者だっ!」

 そして康生は攻撃が放たれた方向へ視線を向ける。


「な、なんだあれは……」


 しかし視線の先には人の姿はなかった。

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