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把握

「この音はなんだっ!?まさか兵器が発動したのかっ!?」

 無機質な機械音が突然鳴りだし、ザグは動きを止めた。

「分からないっ!だけど兵器は触られてないはずだっ!」

 康生が焦ったように周囲を確認する。

 兵器を作動しようとしていた敵兵は康生は確かに止めたはずだ。兵器には何もされてないはずだ。

「くそっ!どうなってるっ!とにかく周囲への警戒は怠るなよっ!」

「分かってらぁっ!」

 とにかく今はこの機械音を突き止めるのが先だ。

 康生達はすぐに周囲を確認して、音の原因を探る。

「これでお前達は終わりだっ!この兵器を前にしたら貴様らの力など皆無に等しいっ!」

 周囲を警戒する中、指揮官が一人大笑いする。

 まるで戸惑う康生達をあざ笑うかのように。

「何をしたっ!」

 ザグはすぐに指揮官を睨む。

「何をした、だと?言っただろ、兵器を発動させたのだよっ!」

「一体どうやってっ!誰も兵器に触れてないはずだぞっ!」

 兵器が使われたと聞き康生はすぐに反論する。

「はっ!貴様らはどうやら勘違いをしているようだなっ!お前達は必死になって兵器を止めたと思っているようだが、違うぞっ!」

 指揮官はそう言うと、手元を掲げる。

 いつの間にか指揮官の手には何か四角い箱のようなものが握られていた。

「まさかっ……!」

「誰がいつ、兵器が遠隔で動かせないと言ったっ!?」

 康生の悪い予感が的中する。

 指揮官の言うことを信じるならば、兵器はその四角い装置で作動させたということだ。

「皆!すぐに来てくれっ!」

 その事実に思い至った康生はすぐにザグ達を収集させる。

 敵兵達はすでに自らの勝利を確信しているのか、もう手出ししてくることはなかった。

「兵器が発動したって本当かっ?」

「あぁ、どうやらそうみたいだっ」

 康生は兵器をみる。

 無機質な機械音と共に、何やら淡い光を放っているようだった。

「くそっ!どうするんだよっ!これが発動されたら異世界がなくなるんだろっ!?」

「落ち着けザグっ!」

 兵器が発動したという事実にザグ達は焦りの表情を浮かべる。

 無理もない。自らの故郷が消えてなくなるかもしれないのだ。焦るのは当然だ。

「とにかく落ち着け!恐らく兵器は不完全な形で作動したはずだ!だからまだ手は残されてるはずだっ!」

「で、でもよっ、一体どうするつもりなんだよっ。俺たちが変に触ると悪化してしてしまうんだろ?」

「無闇に触るとそうなるだろうな」

「だったら……」

 ザグが不安を顔に出している中、康生はあくまでも冷静にあろうとする。

「大丈夫だ。任せろっ」

 そう言って康生は無線を取り出し、大声で叫ぶ。

「奈々枝っ!状況は把握してるなっ!?」


『はいっ!大丈夫ですっ!すぐに向かいますっ!』

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