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不気味

「くそっ……!」

 冷静さを取り戻した康生はすぐさま指揮官に飛びかかる。

 それを見て、指揮官は幾度も煽るような言動を繰り返したが、康生は聞く耳を持つ様子はなかった。

 康生の動きに戦闘に合わせるようにしてザグ達も敵兵をどんどん殲滅していっていた。

 恐らく指揮官が康生と戦っているからだろう。

 指揮官が押さえられている以上、統率がだんだんと崩れていったようだ。

「このままだとお前達の負けは目に見えているぞ?」

「化け物風情がっ!」

 段々と劣性になっていくのを感じながら指揮官は表情を歪ませる。

 康生も康生で魔法は一切使わずに確実に指揮官を追いつめていた。

 それでも時間がかかるのは、敵は魔法を使ってくるからだ。

 未だに敵が魔法を使っても魔力が吸収されていない原因は分からないままだが、それでも着実に追いつめていた。

「くそくそくそっ!我々は負ける訳にはいかないのだっ!貴様等なんぞに負ける訳にはっ!」

 指揮官はだんだんと追いつめられていき、表情を強ばらせていく。

 そして段々と言動が荒くなっていき、動きに隙が出来始める。

「これで終わりだよっ!」

 その隙を康生は見逃さず、拳を確実に突き刺す。

「ぐ、はっ……!」

 モロに入ったせいで口から血の塊を吐き出す。

「よしっ!指揮官はやったぞっ!」

 膝をついて指揮官を見て、康生はすぐにザグ達に指示を出そうとする。

「ま、まだ、だっ。我々が負けるはずなどっ、ないのだっ!」

 臓器が傷ついてもおかしくないほどの攻撃を食らってもなお、指揮官は立ち上がろうとする。

「やめておけ。それ以上動くと死ぬぞ」

 しかし気合いだけで壊れた体を動かすことは出来ない。

 必死に全身に力を入れようとする指揮官を見て、康生は動かないように言う。

 だが康生の言うことなど聞くはずもなく、指揮官は必死に体を動かそうとする。

「お前達っ!こうなれば仕方ない!兵器を使え!こいつらを殺せるだけの兵器を作動させろっ!」

 動かない体を這い蹲ってでも兵器へと手をのばす。

 部下達は一瞬だけ動揺しながらも、すぐに指揮官の命令に従おうと動き出す。

「くそっ!お前達すぐに止めるぞっ!」

 敵兵の動きを見てザグ達はすぐに止めようとする。

 だが敵兵達はここぞとばかりに一気に魔法を乱発する。

 どうやら死ぬ気でザグ達を止めるつもりらしい。

「ちっ!邪魔だよっ!」

 魔法が使えない以上。魔法の処理をするのは厄介極まりない。

「いけっ!化け者共を殺してしまえっ!」

 その様子を見ながら指揮官は不気味な笑いをあげるのだった。

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