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嫌味

「どういうことだっ。お前達は俺の両親を知ってるのかっ?」

 指揮官と交戦しながら、康生は言葉をぶつける。

「ふんっ、当然だっ。貴様の両親は我らのために力をくれた二人だからなっ」

「二人が……」

 機械装備を開発したとは聞いていた。

 しかしこの様子だと魔力関係に関しても貢献しているのだと察する。

「でもどうして裏切り者なんだっ」

「何、簡単なことだよ。奴らはその技術を独り占めしようとした。人類に為に使うことを拒否したんだよっ。お前達反逆者のようになっ」

 だんだんとヒートアップしてきたのか、指揮官の攻撃は激しくなる一方だった。

 だが康生はあくまでも冷静に、攻撃をさばいていた。

 あくまでも実力は見せずに、情報を引き出すために。

「今、両親はどこにいるっ」

 今まで康生は数々の技術を両親を教わってきた。それは両親がいなくなってからもずっとだ。

 だからこそ康生にとって両親とは特別な存在であり、大切な家族なのだ。

 行方不明という情報を聞いてもなお、上代琉生に探すのを手伝ってもらったが何の情報もなかった。

 だからこそ、康生は今は戦闘よりも両親の方を優先させてしまっていた。

「知りたいかっ?」

 そんな康生の焦りを感じ取ったのか、指揮官はじらすように煽ってくる。

「あぁっ!早く教えろっ」

 康生はまんまと感情を荒立たせてしまう。

「ふっ、そんなに気になるのかっ?だったら俺達に忠誠を誓うのならば教えてあげないこともないぞ?」

「そんなことするわけないだろっ!」

 指揮官の言葉に耐えかねて、康生は思わず魔法を放ってしまう。

「はっ、ありがとよっ。これでまだ魔力が溜まったぜっ」

「ちっ!」

「おいっ、康生っ!何やってんだよっ!」

 遠くから見ていたザグがすぐに怒鳴り声をあげる。

「分かってるっ!」

「いやっ、分かってねぇよっ!そいつの相手は俺に任せろっ!」

 すぐに返事を返す康生だったが、ザグは苛立っている康生を見てすぐに交代するように言う。

「そんな必要はないっ!俺はこいつに用があるんだよっ」

 ザグが康生の元に移動しようとするが、すぐに止めさせる。

 康生はなんとしてもこいつから情報を聞き出そうとしているようだった。

「おいおいっ喧嘩かぁ?戦闘中に。やっぱりお前は両親と違ってやっぱり出来損ないのガキだなっ」

「なんだとっ?」

 両親と比べられ、感情を逆なでされた康生はさらに激情する。

「おいっ!落ち着け康生っ!」

 流石に不味いと判断したのか、ザグはすぐに康生を止めようとする。

「哀れだな〜、両親に捨てられてお前は一人っきり。両親はお前のこと、実験動物としか考えてなかったようだしなっ」

 しかし指揮官はさらに康生の感情を逆なでするように、嫌みたっぷりに言葉を吐くのだった。

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