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献上

「果たしてこれを見てもそう言えますか?」

 上代琉生の言葉にあわせてモニターの画面が移り変わる。

「っ……!」

 映し出されたモニターを見て、会場の皆は大きく息を飲む。

 モニターの映像には康生達の戦いの様子が描かれていた。

 ザグ達が魔法を放ち、人間達それに魔法で応戦していた。

 先ほど人間を小さな力と軽視する発言があった。

 根拠ははっきりしていた。

 人は肉体的に弱く、魔法も使えない。

 だからこそ異世界人達は人間を弱く見ていたのだろう。

 しかしその映像に写っている人間は、魔法を放ち応戦している。

「なぜ……だ……?」

 ようやく一人の王が言葉を発する。

「奴らは人間なのだろ……?」


「どうして……」

 一つの発言をきっかけに、国王達の動揺はどんどん波及していく。

 映像からはザグ達で使っている魔法となんら変わらないものを使用している。

 ここで人間へ対する認識の前提が大きく崩れさる。

 下等な生き物だと思っていたからこそ今まで特に対処をしていなかったことを後悔している者もいるようだった。

 余程衝撃的だったのだろう。

 皆、異世界に攻め込まれようとしていることを忘れ、各々動揺を示していた。

「これでもまだ人間の力は弱いと、そう言えますか?」

「…………っ」

 そこに上代琉生の言葉がぶつけられ、皆口をつぐむ。

「敵はすでに魔法技術を手に入れています。恐らくだからこそ異世界へと侵攻をしようとしたのでしょう。ですがここは我々にお任せいただきたい。我々同盟に」

 改めて人間の驚異を示したところで、上代琉生が敵を食い止めることを宣言する。

「その上で改めてこの会議を再開してもらいたい」

 敵の対処をすべく会議を中断しようとしていたところを上代琉生は再び会議を再開させるよう呼びかける。

「しかし我々としては君達を信用するわけにもいかない。万が一という可能性もある。このまま会議を続ける訳にはいかない」

 敵の脅威が改めて分かったからか、国王の一人は冷静に話す。

「それでは少しは信頼してもらえるにお教えしますけど、我々にはあの暴走状態の異世界人を倒したエクスがいます。そして共に戦ったザグも一緒にいます。これだけでもこちらは十分な戦力があります」

 康生の異世界での功績を盾にさらに上代琉生は交渉を持ちかける。

「さらに我々だけではなく、まもなく援軍も到着します。それだけあれば確実に皆様には被害を及ばせないことを約束いたしましょう」

「――もし敵を食い止められなかったら?」

「その場合は……」


「我々の技術や人手。我々が持っている全てのものを皆様に献上することをお約束します」

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