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私に考えがあります

「ここが現場です」

 結局時雨さんに着いてきてしまった康生とエルは暴動が起こったとされる現場に着くや否や言葉を失う。

 そこは人で溢れかえってあり、辺りから奇声が断続的に響きわたり、中には鈍器のような物を振り回しているいる人もいた。

 すでに部隊が対応しているようで、暴動の集団の先頭では大きな盾を持った人たちが必死に集団を止めていた。

「これはひどいな……」

 康生達の横では時雨さんも顔をしかめていた。

「……こういうのってよく起こるんですか?」

「いや、普段は……というか地下都市が出来てからこんな暴動は起こったことはない」

「じゃあ一体……」

 どうして?康生はただひたすらに疑問に思う。

 一体何が彼らたちをここまでしたのか。

 そしてその答えは集団から聞こえてくる奇声をよく聞き取るとすぐに分かった。

「食べ物を寄越せー!」

「食料を寄越してー!」

「食べ物を!!」

「俺たちに食料を!」

 耳が痛いほどに聞こえてくる声からはそんな声が聞こえてきた。

「見ての通り食べ物の配給に対する不満が爆発し暴動が起こってしまったみたいだ」

「ひどい……」

 エルが思わず口を滑らす。

 それは、ここまでなるほど食料を配給しなかった事に対してなのか、単純にこの光景に対しての事なのかは分からなかった。

 しかし時雨さんは前者の意味と解釈したようで、さらに顔を暗くする。

「――以前はちゃんとした食べ物を配給できていた。でもあの事件があってから配給量が一気に減ってしまった」

 時雨さんが苦々しく答える。

「あの事件ってなんですか?」

 エルが訪ねると、時雨さんは懐から一枚の紙を取り出す。

「これって……」

 その紙を受け取るや否や康生は呟く。

「あの男……」

 そしてエルも思い出したかのように呟く。

 そう、その紙に写っていたのは魔物達を殺そうとしたていたあの男の顔だった。

「あっ、そういえばこの男が食料を盗んだって……」

 康生が時雨さんがこの男を探している時に言っていた言葉を思い出した。

「あっ」

 エルも同時に思い出したように声を漏らす。

 この男が食料を盗んでしまったから今こんな暴動が起こってしまった。

 それを思うだけで再度康生の中でこの男に対する怒りがメラメラと燃え上がった。

「隊長……一体どうされますか?」

 時雨さんの後ろで控えていた男がそっと時雨さんに訪ねる。

「これは…………」

 先ほど時雨さんはこういう暴動は初めてと言っていたので恐らく対処が分からないのだろう。

 時雨さんは男に対して返事を返せずにいた。

(一体この状況どうしたら……)

 康生自身も考えるが、すぐに妙案も思い浮かぶわけもなくただただ頭を悩ます。

 だがその時、

『私に考えがあります』

 AIがそう宣言した。

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