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国王

「今回はこのような場を設けていただいてありがたく思う」

 中央に建てられた壇上に立ち、辺りを囲うそれぞれの国の代表を務める異世界人達を見ながらリリスは臆することなく発言する。

 たった今、リリスが異世界人と人間の共存への主張を話そうとしているところだった。

「まず最初にじゃが、我の目的はただ一つ。我々と人間との共存してゆく世界を作っていくことじゃ!」

 リリスの発言を聞き、やはりその場の異世界人達はざわざわとし始める。

 異世界人も人間と同様、敵対視してきた存在だ。

 確かにそれをいきなり共存しようとなどと言われてもすぐに納得することは出来ない。

 それはこの映像を見ているほとんどの異世界人達が思っていることだった。

「まず!この思想は我の父親の夢でもあった。じゃが我が父は死んだ!国民の手によって。人への憎しみを父に向けるように!」

 リリスの父親は処刑された。

 それは人との共存を謳ったからだ。

 当時、その思想は大変反感をかった。

 しかし今。一国の王がそれを発言したことにより、徐々にだがその思想は広がりつつあった。

 その証拠として、現在リリスが新たに建設した国では大勢の異世界人達が集まっていた。

 だからこそ他の国もリリスを無視できなかったのだ。

 そしてそれを見て、かつてリリスの父と友好のあった元ザグが仕えていた国王がこの場を作る一役を買ってくれた。

「だから我は願うのじゃ!人と共に手をとり!共に生きることを!今いる我の地にはこの思想に共感してくれた同士がたくさん集まってきておる!それは皆様もご存じじゃと思う!だから我は今ここで、また!父と同じことを宣言させてもらう!」

 さらに続けられたリリスの言葉は、その場の者達を否応なしに静かにさせ、注目をさせる。

「ここで我は!人間と共に暮らす国を建設することを宣言する!」

 そしてそのタイミングで新たな国を建国することを宣言した。

 当然、その中には反感を覚えるものがほとんどのはずだ。

 だがすぐに誰も言ってこないのは理由がある。

 理由の一つとしてはすでに人口が一国と同じ程度集まっているから。

 しかし今、国王達をうならせている存在は康生の存在だった。

 前回の大会で圧倒的力を見せた康生という存在を各国は恐れていたのだ。

 だからこそ容易に武力行使をすることも出来ない状態だ。

 そしてさらに、

「私は建国についてどういう言うつもりはない。せいぜい足掻いてみろ、と私は思うだけだ」

 ザグがいた国の国王が否定するわけではない意見を言ったのだった。

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