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砲撃

「英雄様っ!リナっ!準備が出来ましたっ!」

 康生達に向かって上代琉生が合図を出す。

「よしっ、きたかっ!」

 合図を受けたリナさんはすぐに後退しようとする。

「康生っ!お前も早くこいっ!」

 しかし、康生は未だに敵兵の中で戦い続けていた。

 敵兵から逃げる最中、康生の姿を見つけたリナさんはすぐに叫ぶ。

「いや!俺は大丈夫っ!だからリナさんだけで後退してくれっ!」

「……分かった!」

 先に行くように言われて、敵兵の中に康生だけおいていくのに少しだけ躊躇したがすぐに後退を再開する。

 しかし後退することすら中々に困難を極めるものだった。

 足を進めようとも、四方八方に敵がいる。

 いくら倒そうが、どんどん次がやってくる。

 奥まで入り込んでいなかったのにこの数の敵兵だ。

 流石のリナさんも苦戦しているようだった。

「大丈夫ですかっリナさんっ!」

 そんなリナさんを見て、今度は康生が声をかける。

「こっちは気にするなっ!お前は自分のことに集中しておけっ!」

 しかしすぐにリナさんは怒鳴り返す。

 向こうの方が大変なのに、こちらに気を向けている康生に怒った。

「私を、あまりなめるなよっ!」

 そしてそれ自体の感情がトリガーとなったのか、リナさんは力を振り絞って地を駆ける。

「どけどけどけっ!」

 レイピアを振り回し、魔法をあちこちに放ちながらリナさんは敵兵の集団を切り裂いていく。

 そして、


「はぁ……はぁ……。ようやく戻ってこれたか……」


 リナさんはようやく上代琉生達の元へと合流することが出来た。

「リナっ!戻って早々悪いが、手伝ってくれっ!」

 しかしすぐに時雨さんが助けを求める。

 見ると時雨さんはエルを背にして、敵兵をくい止めていた。

「あぁ!分かってるっ!」

 そして敵兵から逃げてきたリナさんだったが、すぐに時雨さんの加勢に入る。

「上代琉生っ!早くしろっ!でないと貴様の英雄が死んでしまうぞっ!」

「分かってますよっ!」

 時雨さん達の元へと戻ったリナさんはすぐに上代琉生に作戦を実行するように言う。

 リナさんから忠告を受けた上代琉生はそれでも冷静に、スマホの画面に集中する。

「もう少し。あと少しっ」

 画面を見ながら、上代琉生はその時を待つ。


「――きたっ!英雄様っ!いきますよっ!」


 画面から顔をあげた上代琉生は再び康生に声を飛ばす。

 そして康生の返事も待たずに上代琉生はトランシーバーで指示を出す。


「全軍!砲撃開始っ!」


 その瞬間、敵兵に向かってあちこちから銃声が響くのだった。

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