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危険

「――まずは状況の確認だ」

 複数台のトラックが地上を走り抜ける中、最後尾を走るトラックの中で康生達が話し合っていた。

「それにしてもすごいわね。やっぱり人間の機械って魔法なんかよりもすごいわ」

 そんな中、エルが車内をちらちら眺めながらに呟いた。

「そうでもないよ。実際これもそう長くは使えないはずだから」

「そうなの?」

 康生の言葉にエルはすぐに首を傾げる。

「車はガソリンっていう燃料がないと動かないんだけど、今は燃料が全て枯渇してしまってるんだよ。燃料がないとこいつはただの鉄の塊だからね」

「そうなんだ……」

 その燃料というのも、今まで上代琉生が各地で密かに集めていたものだった。

 そしてそれを今回、急遽使用しているわけだ。

 トラックの機体自体も康生が以前から改造して作っているため、通常のものよりもスピードが出るようになっている。

「お嬢様、今は時間がありませんよ」

「あっ、そうだった。ごめんね」

 そしてエルはすぐリナさんに注意され大人しくする。

 年齢的にはエルもまだ子供で、初めてのものに興奮していたが、今はとにかく状況が状況だ。

「それで、現状の話といったがまだ何か話があるのか?」

「はい、そうですね。とりあえず順を追って話しましょうか」

 そう言って上代琉生は敵に追いつくまでの間、現状説明を始めた。

「まず、敵兵はまだ異世界には到着していないようです。現在、奈々枝とザグ達に足止めしている」

「ザグが?」

 ザグ達が頑張っていることを知り、康生は少しばかり驚く。

「えぇ、ですがそれでも現状俺達が追いつく頃には恐らく敵は異世界に到着します」

「そうか……」

 現状間に合わないことを聞き、一同は沈黙する。

「でも絶対に今、異世界に敵をいかせたらだめだ」

「まて、何かあったのか?」

 上代琉生の発言に、すぐにリナさんが反応する。

 恐らく何か嫌な予感でもしたのだろう。

「えぇ……。今、異世界では重大な会議が行われています。現在、リリス様が異世界人全体へ向けて人と共存するべく訴えかけを行っています」

「なっ!?リリスお嬢様がっ!?」

 重大な情報を話され、リナさんは思わず立ち上がろうとする。

「落ち着いてリナ」

 すると、今度はエルがリナさんをなだめる。

「す、すいません……」

「それでどういうことなんだ?」

 リナさんが静かになると、今度は康生が変わりに尋ねる。

「詳しいことは俺もまだ把握はしてないが、全ての国を集めての会議をしているようだ。そこでリリス様は全ての国に訴えかけている。だからこそ今、人間を攻めさせるわけにはいかない」

 確かにそんな会議の中、人が攻めてきたらそれこそその機会は永遠になくなってしまう。

 リリスのためにも康生達はここで防がないといけない。

「分かった。じゃあちょっと危険だが、あれを使おう」

 すると康生が何やら機械を取り出すのだった。

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