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心配

「待って!どういうこと!?人間が異世界に攻め込もうとしてるっこと!?」

 上代琉生の言葉にもっとも強く反応したのはエルだった。

 しかしそれもそのはず。

 人と異世界人との和解を目指しているからこそ、その二つが争うのは見過ごせない。

 そして今回は恐らく規模も大きくなる。

 昔にあったとされる争いよりはましかもしれないが、恐らく初めて人類が異世界人達の土地へ攻撃を仕掛けるものだと思われる。

「詳しい話を聞かせてくれ」

 康生も同様に激しく感情が動きながらも、冷静に尋ねる。

「そうだな。敵軍本体は現在も異世界へ向かって進行している。その規模はここにいる敵兵とは比べものにならないものだ。まぁ、そこは当初予想していた数と同じだから今更な話だが」

「待て、その話情報源は一体どこから得ている?」

 上代琉生の説明にリナさんが割って入った。

 それを聞いて康生も確かにと感じた。

 現在上代琉生の部隊は戦争が始まる時には全て揃っていた。

 いつその情報をつかんだかは知らないが、明らかにここから敵軍の場所まで移動するのには時間がかかるはずだ。

 リナさんはそこに気づいたようだった。

「あぁ、まだ言ってなかったな。今、敵軍を監視しているのは奈々枝だ」

「奈々枝が?」

「あぁ、この戦いに異変を感じ取ったのか、俺の予測でしかない話を聞いて勝手に行ってやがった。英雄様の魔道具を使ったから恐らくすぐに追いつけたのだろう」

「なるほど……」

 康生は奈々枝に速く移動できる魔道具を渡してある。

 確かにその魔道具と、元々の奈々枝の脚力があれば追いつくこともできるかもしれない。

 しかし今は、そんな予測をしていた上代琉生にその場の皆はただただ感服する。

「それでだ、その戦いを止めるために俺達もすぐにここを移動しなければならない」

「そうね。その戦いをすぐにでも止めないと……」

「そうだな、すぐに準備に移ろう」

「よし、それでは私は部下を集めてすぐにここの戦闘を終わらせてこよう」

 上代琉生の言葉に皆それぞれ行動に移し始める。

「俺は……」

 皆が行動を始める中、康生は一人だけ取り残されてしまい、どうしようかと悩んでいると、

「英雄様は休んでいてください。力を温存するように言ってましたけど、結構消耗しているみたいだから」

 上代琉生から休むように言われる。

「……あぁ、そうだな。じゃあありがたく休ませてもらうよ」

 確かに康生の消耗は少し激しい。

 先の戦場の為に少しでも体を休めなければならない。

「それにしても奈々枝は一人で大丈夫なのか?」

 そこで康生はふと奈々枝のことが心配になり上代琉生に尋ねる。

「あぁ、大丈夫だよ。それにあいつは今一人じゃないからな」

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