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衝撃

「戻ったぞっ」

「お疲れ様です、英雄様」

 拠点に戻ると上代琉生を含め、エルや時雨さん、リナさんが全員そろっていた。

「外の戦いも大分終わりそうだけど、何かおかしくないか?」

 拠点に戻るや否や、康生は上代琉生に疑問をぶつける。

 確かに最初は敵の数に圧倒されていたが、それでも圧倒的に戦力が少なすぎた。

 上代琉生の情報が間違っているという可能性もあるが、それはほぼほぼ考えられない。

 だからこそ康生はこの戦場に違和感を覚えていた。

「それについて今から皆に説明したいと思う」

 と上代琉生はすでに話す準備が整っているようだった。

「ちょっと待って、その前に康生の怪我を治させて」

「あっ、ありがとうエル」

 戦闘後ということで、康生の体はいくつもの傷があった。

 火傷もいくらかあったからか、エルは慌てて治療しようとする。

「お疲れさま康生」

「うん、エルこそ皆の治療お疲れ」

 また傷をつくってきたことで康生は、怒られてしまうのではないかと一瞬だけ思っていたが、実際はそんなことはなかった。

「時雨さん達も色々と任せてしまって、すいません」

 そして同時に時雨さん達の傷が目に入った康生はすぐに謝る。

「何、気にするな」

「そうだ、お前は自分の役目を全うしたように、私たちも自身の役目を全うしただけだ」

 しかし時雨さんもリナさんも気にしない様子で返事を返す。

「――さて、それじゃあそろそろ説明を始めますね」

 そんな様子を見守っていた上代琉生がようやく説明を始める。

「まず、英雄様が討伐した隊長達、計五名は皆命に別状はありませんでした」

「剣の奴もか?」

「えぇ、そうです」

 皆、死んでいないことを聞いて康生は安心した。

 最後、剣の男だけが不安だったのだが、どうやらすぐに回復ができたみたいだ。

「それで皆さんが思っている大きな疑問にまず答えましょうか」

 上代琉生の言葉にその場の皆は緊張した様子で耳を傾ける。

「まず、敵戦力。その半分以上がまだ生き残っています」

「やはり……」

 その事実をつきつけられ、真っ先にリナさんが反応した。

「ですが、ひとまずこの戦場では我々の勝利に終わりました」

「え?どういうことだ……?」

 敵の数はまだ半分以上いると聞かされたあとに、戦いに勝ったと言われ康生は困惑する。

 他の皆も、意味が分かっていないという様子で上代琉生をみる。

「この戦場にいる敵の数はあれだけです。ですが元々いた敵の戦力は全て別の場所へと向かっています」

「別の場所って?」

 意味の含んだ言い方にエルはたまらず質問する。

「敵の戦力は元々我々だけを目標としていなかったんです。最近になって戦力が大幅に強化された敵は、今異世界へと向かって戦闘の準備を進めています」

「「「えっ!?」」」

 衝撃の事実を聞かされ、皆は驚いたように口をあけたのだった。

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