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お出掛け

「――ですので――――お願いします」

「でも――――分かった――」

(……ん?なんだ?)

 いつの間にか眠りについていた康生を起こしたのは僅かに聞こえる話し声だった。

 目をこすりながら康生は重い瞼を開ける。

 危うくバランスを崩し椅子から落ちそうになる。

 そこで初めて康生は椅子に座って寝ていたのだと気づき、ゆっくりと体勢を直す。

「それじゃあお願いします」

 目が覚めたからか今度はしっかりと話し声が聞こえてきた。

 しかしその声は時雨さんの声ではなく男の声だと気づき康生は少しだけ警戒する。

「分かった。子供達を起こしたらすぐに行く」

「はい。それじゃあ私はこれで……」

 すぐに時雨さんの声も聞こえたので、時雨さんが誰かと話しているのだと気づいた。

 そしてその会話を区切りにガチャリと外の扉が開く音がしたので恐らく男はいなくなったのだろう。

(すぐに行くって言ってたけど一体どこに……)

 寝起きの頭を使い康生は頭の中で色々と考える。

 だがすぐに部屋の扉が開く。

「なんだ起きてたのか」

 扉の向こうからは時雨さんが入ってきた。

「今起きた所です」

「なるほど、それは丁度よかった」

 横を見るとエルがまだベッドの上で寝ていたので自然と小声になる。

 しかしそれでもエルの耳には届いたのか、エルがゆっくりと動き出す。

「……ん〜」

 小さく呻き声をあげながらエルはゆっくりと起き上がる。

「どうやらエルも起こしてしまったようだな」

 そのようである。

「――ん?二人共どうしたの?」

 目を覚ましたエルは康生と時雨さんを交互に見つめる。

「丁度よかったエル。今からちょっと私に着いてきてくれないか?」

「今から?」

「あぁ、ちょっと急に用事が出来てしまって外に出なくちゃならなくなった。でも二人を留守番させるのは少し不安だから一緒に出掛けないかなと思って……二人共少しはこの街を見て回りたいだろうし……」

 不安って。まだまだ子供じゃないんだぞ。と康生は思った。

 でもエルという存在がいる以上。どうしても目に写る所にいてほしいのだろう。

 康生はなんとなく時雨さんの思いを汲み取る。


「俺は全然いいですよ」

「私も大丈夫」

 康生が返事をすると、それに続いてエルも返事を返す。

「よし、じゃあすぐに支度をしてくれ」

「「はい」」

 今度は同時に返事を返す。

「じゃあ準備が出来たら言ってくれ」

 そうして時雨さんは扉を閉める。

 ――準備か。

 時雨さんが出ていった扉を眺めながら康生は思う。

「準備って何すればいいんだろ?」

「さぁ?」

 お互い顔を見合わせて首を傾げるのだった。

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