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動き

 魔道具を取りだそうとした康生を見て、剣の男はさらなる攻撃を仕掛ける。

「それだなっ!」

 すると剣の男は康生に向かってではなく、康生が持つ魔道具へと向かって攻撃を放った。

「しまったっ!」

 身を守ることに集中していたせいか、手に持っている魔道具への意識が薄れていた中、光速で動く剣の男の攻撃から守ることができなかった。

 結果として康生が取り出した魔道具は粉々になってしまった。

「これで終わりだっ!」

 魔道具が壊れたことで剣の男はさらに調子をあげて猛攻撃を開始する。

「くそっ!」

 康生は壊れた魔道具のことは忘れて、すぐに回避に集中する。

(魔道具自体はまだ数はある……。だが容易に取り出すとまたすぐに壊されかねないな……。なんとしても隙を作らないといけないが……)

 康生はちらりと剣の男をみる。

「死ね死ねっ!」

 しかしそんな隙は当然あるわけなかった。

 それどころか周りに仲間がいなくなったからか先ほどよりも速く、そして広範囲に移動して攻撃を仕掛けてくる。

 正直、この攻撃の相手をするだけで今の康生には手一杯だった。

(時間をかけるわけにはいかない……。あいつだってそうだし、俺もそうだ。とにかく時間がないからなんとかしないと……)

 すぐにでも決着をつけたいと思いつつも、中々行動が開始できずにいる。

 敵の体もそうだが、康生もこれ以上戦闘を長引かせるわけにはいかない。

 『解放』の力は長時間使えない。

 今は力を制御しているからいいが、これ以上になってくるといくら制御していても長時間使用し続けるわけにはいかない。

 だが、

「ほらほらっ!どうしたっ!先ほどの威勢はどこにいったっ!」

 剣の男がそれを阻む。

(……悩んでいる時間はないか。こうなれば多少強引にでも動きを止めないと)

 とにかくひたすら動き回ることが厄介だ。

 だからこそ康生は剣の男の動きを止めるため、強行手段にでることにした。

「じゃあこっちからもいかせてもらうぞっ!」

 そうかけ声をあげた康生は一時的に『解放』の力の出力をあげる。

「さぁこいっ!」

 そして剣の男はそんな康生を見て、さらに笑みを浮かべる。

「どうなってもしらないからなっ!」

 康生が最後の忠告をすると、その場から姿を消す。

「はっ!待っていたぞ!やはり俺と渡り合うのはお前しかいないっ!」

 次の康生が現れたのは剣の男の目の前だった。

 グローブを突き出し、剣の男はそれを受け止める。

「じゃあこれはどうかなっ?」

 すると康生は再び姿を消す。

「ふんっ!私にスピード勝負を挑もうなど……」

 とそこまで剣の男が言い掛けたが、すぐに言葉がでなくなった。

 何故ならば、

「み、見えないだとっ……!?」

 先ほどは捉えられた康生の動きが、今度は見えなくなってしまったのだ。

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