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指示

「つまり、敵は透明になって姿を隠していて、さらに妨害電波を出していると」

「そうことだな」

 康生からの報告を受けた上代琉生とリナさんは一度、探索に出るのを中止する。

 全てとまではいかないが、あらかたの情報が入ったので二人共これから先のことを考えているようだった。

「ちなみにその装置がどこにあるか分かるか?」

 上代琉生はAIに尋ねる。

『おおよその位置は予測できます。しかし恐らく地下に埋まっているかと』

「地下か……。この短期間でよくそこまで設置出来たものだな……」

 電波妨害装置が地下に埋まっているということを知り、上代琉生は今後の計画をたてる。

「まずはおおよその位置を把握して、そこから装置を破壊しにいかないといけないが」

「果たしてその時間を相手が待ってくれるかどうかだな」

「そうだな」

 そう。敵は未だどこにいるのか発見が出来ていないのだ。

 さらに探索に出ていて連絡がとれていない者達全てが妨害電波の影響なのかも分かっていない。

 そんな未知の状況だからこそ慎重にやらなければならないのだ。

『琉生っ。装置のおおよその位置が分かるか?』

 そんな中で、敵兵士と戦いながらも康生が話しかけてくる。

「おおよその位置は。でも地下にいるみたいだ」

『地下か……』

 すると装置の場所を聞いた康生は何やら少し悩むように沈黙になる。

 一体どうしたのかと、少し気になりながらも返答を待っていると、

『その装置、俺が壊すよ』

「えっ?」

 なんと康生が装置を壊すと言い出す。

「待てっ!何を言ってる康生!お前がその場を離れれば陣営が一気に崩れるのだぞっ!?」

「そうですよ。悪いですけど、英雄様が今そこを離れるのは悪手です」

 だがすぐに二人から反論されてしまう。

 しかしそれでも康生は意見を変えることなくさらなる提案をする。

『あの力を一瞬使う。周囲の敵を一掃し、装置の地点まで移動して、俺が地面をえぐる。それで破壊出来ればいいし、出来なかったとしても破壊するための役には立つはずだ』

「なるほど……」

 康生の意見に上代琉生は少し納得したように頷く。

 確かに康生のあの力さえあれば地面をえぐることぐらい容易なことだ。

 それによって機械が壊れても壊れなくても、どのみち助かることには変わりはない。

 康生はしっかりと考えた上での意見のようだった。

「だが本当に大丈夫なのか?お嬢様も言う通りその力はあまり多様すると……」

 だが最後までリナさんが康生の体を心配する。

 異世界人だからこそ、魔力についての知識がある分、無茶はさせないようにしたいと思っている。

 だが現状その策が一番最善策なだけに何も反論することは出来ない。

「……仕方ないですね」

 反論がないということで、結局上代琉生の指示の元、康生に新たな作戦が命じられた。

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