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研究

「えっ!?」

「なんだとっ!?」

 康生の発言を受け、エルとリナさんは驚愕のあまりに声をあげてしまう。

「魔力暴走っていうと……異世界で英雄様が戦った相手がなった状態でしたよね?あれって、肉体が滅びるって聞いたはず」

「何っ!?それは本当か康生っ!?」

 上代琉生は異世界での出来事をしっかり調べていたようで、魔力暴走という言葉もちゃんと覚えていたようだ。

 そして上代琉生から説明を聞いた時雨さんも、エル達と同じように事の重大さに気づいたようだった。

「お、落ち着いてくださいっ!魔力暴走を使ってるわけじゃなくて、それに似た技を作っただけですっ!」

 先ほどは叱られたばかりなのに、もう一度説教を食らいそうになった康生は慌てて弁明をしようとする。

「……つまり魔力暴走をコントロールしたと?」

 魔力暴走を使っても、こうして康生は生きているということで上代琉生はすぐに思考を切り替える。

「コントロール?そんなこと出来るの?」

「いや一度暴走してしまえば滅ぶしか救いの手はないとまで言われていたものだぞ?そんなことがコントロール出来るなど……」

 上代琉生の言葉で流石に少し冷静になったようで、リナさんも同じように思考の海に入る。

 エルはといえば康生の体をじっくりと観察してどこも怪我がないかを確認してた。

「え、え〜と……つまり大丈夫ってことなのか?」

 一人、完全には理解できていない時雨さんは周りに助けを求めるように言う。

「少なくとも安全には気をつけてます。俺はただ一瞬だけ大気から魔力を吸収して、それを使えるようにしただけです」

 冷静になったタイミングで康生は今回新たに完成した技の説明をする。

 どうやら魔力暴走に似ているというのは、大気中から魔力を吸収する部分のようだ。そしてそれは一瞬だけ。

 だから暴走はしないというわけだった。

「うぅ〜ん……でもそんなこと本当に出来るの?」

 しかし説明を受けてもなお、皆は納得できていない様子で、特にエルは康生の体が壊れてしまわないかの心配でなおのこと康生を気にかけている。

「ほらリリスだって他人の魔力を吸収するだろ?あれと同じ要領だよ」

 さらに補足というばかりにリリスの例をあげる。

「なるほど……確かにそれなら出来るのか?」

 魔法に関する知識が薄い時雨さんはその説明で納得したようだった。

 しかしリリスのように魔力吸収を行うことがどれだけ貴重なものを知っているエルとリナさんはやはり納得が出来ないようだった。

「そもそもそんな技術をいったいいつのまに……」

 目が覚めてからまだ全く日が経っていないのにどうしてそんなものを作ることが出来たのか、とリナさんは考える。

「あっ、実はこの考えの元になった情報源があって……」

「情報源?」

 流石というべきか、上代琉生がすぐに反応する。

「う、うん。俺もよく分からないけど、AIから父さん達の研究している資料をもらったんだよ」

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