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何を見たっ!?

「…………」

「はぁ〜〜もう最高〜〜」

「…………」

「う〜ん、天国〜〜」

「…………」

 これは一体どうしたらいいのだろう。

 あんなにクールだった時雨さんが本当はこんなにも可愛い性格をしてただなんて……。

 ここは扉を閉めた方がいいな。

 うん、何も見なかった。

 そう思いながら康生はゆっくり扉を閉めようとドアノブに手を掛ける。

 しかし慌てていたのか、ドアノブを間違って力強く回してしまい、ガチャリという音が響く。

「――っ!だ、誰だ!?」

 いくら幸せそうにしていても流石は分隊長。時雨さんはドアノブを回す音を聞き漏らすことなくすぐに視線を向けてきた。

「え、え〜と……」

 時雨さんと目があった康生は、いたたまれない空気に陥り、困ったように頭を掻く。

「〜〜っ!」

 そして時雨さんはというと――耳まで真っ赤に茹であがっていた。

「…………」

「…………」

 そして両者しばらくの間無言の時間が続く。

 どうしていいか分からずにいた康生は等々この空気に耐えかねてすぐさま扉を閉めてしまった。

「すいませんでした!」

 扉越しで誤りながらすぐさま周れ右をする康生。

 そのまま進もうと足を出した康生だが、すぐさま背後から大きな物音がしたので振り返る。

 するとそこには扉を開けて康生に手をのばす時雨さんの姿があった。

「ちょ、ちょっと話を聞いてくれっ!?」

「えっ?え、え?ちょ、ちょっと!」

 女の力とは思えないほどの力で康生はそのまま時雨さんの部屋に引きずり込まれてしまった。

「――康生?」

 康生が時雨さんの部屋へと入ると同時にもう一つの扉が開き、そこからエルが顔を出す。

「あれ?確かに今康生の声がしたような気がしたけど……気のせいだったみたいね」

 そうしてエルは再度扉を閉めた。




「そ、それで君は一体何を見たのかな?!」

 時雨さんの部屋に入れられるや否、地面に座らされた康生にそんな質問が降りかかる。

「い、いや、何を見たというか……なんというか……」

 非常に答えにくく康生は言葉を濁すようにしゃべる。

「しょ、正直に言いたまえ!き、君は今何を見た!」

 だが時雨さんは再度問いただす。

(正直見た見てないの事実確認は必要ない気が……。そもそも部屋に俺が入ってしまってるし……)

 という康生の冷静な思考を時雨さんは今出来ずにいるのだろう。

 だから康生はゆっくりと口を開く。

「え、えっと……。時雨さんがベッドの上で人形達を撫でて可愛い声を出している所を見ました!」

「ひゃいっ!?」

 康生が言い放つと時雨さんはさらに顔を真っ赤にして頭を抱え込む。

(わざわざ言わせるとこういう事になるから言いたくなかったんだけど……)

 そんな時雨さんの反応を見て康生は思わずため息を吐いたのだった。

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