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決意

「国王様っ!大変ですっ!」

「なんだっ!一体どうしたっ!?」

 自室に籠もり、国王としての仕事をしていた元へ突然扉が開かれる。

「それがっ!ザグ様が重傷を負って帰ってきましたっ!」

「なんだとっ!?」

 報告を聞いた国王は驚きのあまり、手に持っていたペンを落としてしまう。

「ザグは一体どこにいるっ!」

「はいっ。すぐに治療をするよう説得したのですが、本人は国王様に会いに行くと聞かず……」

「なんだと……?」

 重傷の心配をしていた国王だったが、傷を治すことよりも真っ先に自分に会いに来ようとしていることに疑問を覚える。

 が、すぐに大事な用件があるのだろうと判断する。

「分かった。それではすぐにこの部屋に呼べ。それとこの部屋にはしばらく誰も近寄らせるなよ」

「はっ!」

 国王に命令された異世界人はすぐに部屋を出て行く。

「ふぅ……」

 部屋から誰もいなくなった後、国王はゆっくりとイスに腰掛ける。

(まさかあいつが大けがをして帰ってくるとはな。体だけが頑丈なあいつが……。だが相手はエクスと名乗る奴だ。正直予想は出来ていたが……)

 この時点で国王は、ザグの力では康生に勝てないことを悟る。

(しかし俺に真っ先に会おうとするということは、一体どんな情報を持ってきたというのだ)

 国王はザグの用件を重要な用件と捉え、今か今かとザグが来るのを待っていた。


「待たせたなっ」


 その瞬間、乱暴に部屋が開けられ傷だらけのザグが入ってくる。

「お前っ、その怪我は一体どうしたんだ」

 突然入ってきたことに何か言うわけでもなく、国王はザグの体を心配する。

「あいつに……負けちまっただけだ」

 ザグは少し躊躇いながらも自身の敗北を報告する。

「そうか……」

 国王は予想していたことだからか、それほど反応をとらなかった。

「それで、俺に何か話があるのだろ?」

 傷の経緯を把握したことで、国王はすぐにザグの用件を伺う。

 国王も早くザグの怪我を治療した方がいいと判断してのことだった。

「あぁ、そうだ。俺はお前に一つ言わなくちゃいけないことがある」

 ザグの今までにないほどの真剣な表情を察したのか、国王もじっとザグの目を見る。

「俺は……」

 しかしどうやらザグも中々言い出せないようで、しばらく口ごもるように口を動かす。

「いやっ、こんな所で怖じ気付いていられねぇな……」

 しかしすぐに決意を決めたのか、ザグも真っ直ぐに国王を見つめる。

「俺はあいつらの……リリス達と同じ道を歩むことにした」

 一大決心を決めたザグは、自らの決意を王に向かって言い放つのだった。

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