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異世界の動物

「――ごめんなさい!私ドラゴンと会話出来ないの!」

 エルは思い切り頭を下げる。

「え?でも君は先ほどドラゴンに話しかけていなかったか?」

「え、えっと、それは……」

 すぐさま白い鎧の女にツッコまれエルは言葉に詰まる。

 言いたくない話しではなく、単純になんて言えば分からない。そんな感じだった。

 だがそれでも答えようとゆっくりと口を動かす。

「え、えっとね、私は異世界人であのドラゴンも私の世界にいたんだけど、いくら同じ世界だからといって誰でも言葉が交わせるというわけでもなくて……、なんていうか意志疎通が出来ないというか……」

 そんなエルの言葉を聞いて康生はなんとなく分かったよな気がした。

 そして同時に、

『つまりこちらの世界でいうと人と動物という関係なのですね』

 流石AIといった感じで、エルの拙い説明ですぐに理解したようだった。

「なるほど、そういう事か」

 AIの説明を聞き、白い鎧の女も理解が出来たようだ。

「で、ドラゴンはどうしてか怒っているみたいで、とても気性が荒くなっているみたいなの」

 気性が荒いドラゴン。

 それだけ聞くと目の前にいる分、震えが止まらないような気がした。

 しかし康生はエルの手前弱気を吐くことは出来ない。

「今すぐにドラゴンから逃げるってのは……」

「いや、それはやめておいた方がいい」

 康生がしゃべり終わる前に白い鎧の女はすぐに否定する。

 一体どうしてか、と康生が口にする前に白い鎧の女は説明する。

「見ての通りドラゴンは空を飛んでいる。いくら私達が速く走ろうがあっという間に追いつかれてしまう。だからその案はあまりオススメできないな」

 確かに、と康生は頭の中でドラゴンに背後から火を吹かれて焼き焦げる自身の姿を想像した。

 逃げられないのならいっその事、戦うしか――と考えた所ですぐに首を降る。何故ならドラゴンなんて倒せる気がしなかったからだ。

「よし」

 康生が必死に考えていると白い鎧の女は覚悟を決めるかのように一言、口に出した。

「私が少しでも時間を稼ごう。その間に君たちは出来るだけ遠くに逃げてくれ」

「そ、それは無茶よ!」

 だがすぐにエルが否定する。

 しかし白い鎧の女はそんなエルに目もくれずそっと自身の鎧に手を当てる。

「無茶は承知の上だ。どの道多くの者が生き残るにはこの方法が一番だ」

 瞬間真っ白な鎧が光を帯びる。

 同時に白い鎧がカチカチと機械音を奏で始めた。

「何、私もただで死ぬわけではない。これでも私は支部隊の隊長だ」

 それだけ言って白い鎧の女は長刀を構えてドラゴンに向かって走り出した。

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