表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/651

和解?

 「ちょ、ちょっと待って!」

 短剣を構えた男に向かってエルの声が響く。

「な、なんだよ」

 突然の声にびっくりしたのたか男は危うく短剣を落としかける。

「私が説得してみる」

「はぁ?説得?」

 エルの言葉の意味を分からない男の頭には疑問視が浮かぶ。

 しかしそんな男の横をエルはゆっくりと進む。

 そうして康生よりも前に出たエルは異世界生物達に向き直る。

「昨日はごめんなさい。心配して連れ戻そうとしてくれていたのに危害を加えてしまって」

「キィキィッ」

「うん、人間界が危ないのは分かってる。でも私には今大切な仲間が出来たの。私の夢を応援してくれる仲間が」

「キィ……」

「だ、大丈夫だよ!康生は私を絶対に守ってくれるから!ね?康生?」

 突然話しを振られた康生は少しだけテンパったがすぐに頷き返す。 

 そして、

「昨日は理由も聞かず攻撃をしてすまなかった」

 異世界生物には伝わるか分からないが、とにかく康生も謝罪しないことにはいかなかったので、深々と頭を下げる。

「キィ…………」

 そんな康生を見て気持ちが伝わったのか、異世界生物は構えていた爪を下げる。

「本当にごめんね」

 最後にエルがそう呟くことで異世界生物からは攻撃する態勢を解く。

 あんな見た目をしている異世界生物でもしっかりと話し合えず通じるのだと康生は改めて感じる。

 そしてこれこそが世界のあり方だとエル自身も胸に刻む。


 そうしてそんな二人を見た異世界生物は何も言わずに背を向けた。

「ありがとう……」

 何も言わずに去ろうとしてくれている異世界生物達にエルは思わず感謝の気持ちを伝える。


 だがそんな気持ちを裏切るようにエルの目の前で一つの線が現れる。


「ギィッ!!」

 その線は異世界生物の背中に吸い込まれるかのように突き刺さり、一人の異世界生物がその場に倒れ込む。

「ギィギィッ!」

 その事態に気付いた異世界生物達は一斉に振り返る。その表情から先程から一転、怒りの感情がひしひしと伝わってきた。

「何をするのっ!」

 そんな怒りの感情がエルにも伝わり、急いで後ろを振り返る。

 今の出来事を起こした張本人を睨むように。

「何ってそりゃ化け物を退治しただけだよ。あいつらは俺たち人にとって害悪でしかないからな!」

 そう言って男はいつの間にか手に小さな筒を持っていた。

 男はそのままその筒に口をあてる。

(まさか吹き矢か……!)

 筒の正体に気付いた康生はすぐさま男の正面に身を乗り出す。

「ふっ!」

 そうして男が吹いた筒から飛ばされた針を近くに落ちていた長い棒で打ち落とす。

「何すんだよ」

 男は睨むように康生を見る。

「それはこっちの台詞だよ」

 康生も負けじと男に睨み返した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ