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驚異

「『雷鳴腕ボルティック』、『大地のアースアーマー』」

 次の瞬間、まず康生の頭上を狙っていた槍の男が吹き飛ばされる。そして胴体を狙った斧の男だが、驚愕の表情とともに康生の前で止まっている。

「はっ!」

 そして斧の男も、槍の男と動揺に吹き飛ばされた。斧の男は放心していたのか、康生の攻撃にながれるままだった。

「はぁ……はぁ……」

 二人の男が吹き飛ばされた後、康生は息を荒くしながらその場に立ち尽くしていた。

「こ、康生……!い、今のはなんだ!?」

 そんな康生の元に、翼の女がゆっくり近づいてきた。

 翼の女の目には今の出来事はたった一瞬のこと。その一瞬で二人の攻撃を防ぎ、二人を吹き飛ばした。

 ただその出来事が信じられない様子で、翼の女は駆け寄る。

「今のはちょっと魔法の力を使っただけですよ」

 駆け寄ってきた翼の女に康生は軽く言葉を返した。

「魔法の力だと?」

 しかし翼の女の信じられない様子で康生を見る。

「魔法とは本来、発動するまで時間がかかるはずだ!だが今のはそんな時間がなかった。それこそあの二つの攻撃を同時に防ぐような魔法を放つ時間など……!」

 翼の女の言うとおり、本来魔法を放つためには少しの時間がかかる。

 初期魔法になるとすぐに発動することが出来るのだが、それ以上の魔法になると最低数十秒の時間がかかってしまう。

 それなのに康生は今の一瞬で魔法を、しかも複数発動させてみせたのだ。

「……確かにそれについてはそこの異世界人と同意見だ」

 そんな中、声を発した人物は隊長達の中の一人、剣を持った男だった。

「今のは魔法だ。機械装備の能力ではない。君が魔法が使えることは知っていたが、今の魔法は熟練過ぎる。それこそ異世界人の中でも一握りほどの魔法使い並だ」

 どうやら剣の男は多少なりとも異世界人についての知識があるようで、翼の女と同様に康生の攻撃に多少なりとも驚愕の表情を浮かべているようだった。

「え、えっとこれは俺の武装機械の能力……っていえばいいですかね?」

「武装機械の能力だと?」

「はい」

 康生の説明を聞いてもなお、剣の男はその表情は変わらなかった。むしろさらに驚いているようにも見える。

「――つまり君の武装機械は、一瞬のうちに雷を腕に纏わて能力を向上させ、巨大な斧を防ぐ土の鎧を作ったというのか?」

「ま、まぁそんな感じです」

「なるほど……」

 康生の説明を聞き終えた剣の男はしばらく熟考するように考える。

 そして康生の後ろでは、翼の女がなにやら「あり得ない……」などとぶつぶつと呟いていた。

 康生はそんな二人を見て、少し不思議に思いながら剣の男を見据える。

 すると何やら考えがまとまったようで、剣の男は顔をあげ、康生に剣を向ける。

「君の驚異は十分に分かった。これからは我々五人総出で君の相手をしよう」

 と宣言したのだった。

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