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「ふ、ふわぁ〜……」

 大きく欠伸をしながら康生を起きあがる。

(あれ?ここどこだ?)

 辺りを見渡すとそこはコンクリートに覆われており、そこは室内と呼ぶにはあちこちから日の光が入ってきていた。

「――あぁ、そうか」

 そこで康生はよやく思い出す。地下室から外に出てからここまでのことを。

 康生は翼の女から逃げ切った後はすぐさま寝床を確保するべく街を散策した。

 そうして夜になる頃にやっと寝泊まりが出来る場所を見つけてすぐに寝てしまったのだ。

「すー。すー」

 ようやく事の経過を思い出すとちょうど隣から小さな寝息が聞こえた。

「っ……」

 危うく大声をあげてしまいそうだったが康生は必死の所で耐えた。

 何故なら康生の隣には昨日の少女――エル・ミシュールが寝ていたのだから。

 それから康生はすぐさまエルから目をそらそうとする。

 寝ている時に動いてしまったのか、エルのスカートはめくり上がりふっくらとした太股が姿を現していた。……いや太股だけではない、よく見ると太股の先に白い布が見えていた。

 それは明らかにスカートの生地とは違う布であり、同時にそれを見た康生は急いで目をそらす。

 ――スカートの中の布は真っ白な布だった。

(なんでその格好で寝たんだよ……)

 康生は思わず愚痴ってしまう。

 スカートで寝てしまえば当然こんな事になる事は分かっていたはずなのに、自分はどうして止めなかったのか。――いやそもそもどうして隣で寝るという行為を許したか。康生はただひたすら昨日の自分の行いを悔いるのであった。

「ん、ん〜……」

 そわそわとしてしまったからか、エルの目がゆっくりと開く。

「こ、ここは……」

 そうしてゆっくりと起きあがる。だがエルも寝ぼけているらしく、康生と同じようにどうしてここにいるのかが初めは分かっていないようだった。

 だがすぐに昨日の出来事を思い出したようで、すぐに落ち着く。

 だが、

「あっ……」

 エルが自身の下半身に視線を落とす。

 瞬間、エルの顔が一瞬で真っ赤に染まる。それはとても綺麗な赤に。

「見ないでっ!」

 瞬間、エルの手から風が吹き荒れ康生を吹き飛ばす。

「ブハッ!」

 情けない声をあげながら康生の頭が地面に刺さる。

 顔をあげた康生は、頭から血をダラダラと流していた。

「あっ、す、すいません!」

 すぐにやりすぎたと感じたエルはすぐさま康生に回復魔法を使ったのだった。

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