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当然だよ

「――エルっ!」

 康生達がエルの帰りを待っていると、エルがこちらに向かってゆっくりと歩いてきているのを発見した。

 その隣には翼の女も一緒に歩いて来ており、少しだけ表情が曇っており、不機嫌な様子が伝わってきた。

「どうだった?」

 エルに近づいた時雨さんは真っ先に結果を訪ねる。

「――成功だよっ!」

 瞬間、エルはパッ、と表情を変えた。

 どうやらエルは異世界人達を時雨さん達の地下都市へ招くことの了承をとってきたようだった。

「すごいよエルっ!」

 康生は思わずエルを賞賛する。

 しかしエルは「こんなのまだまだだよ」と、少し照れたように顔を染める。

「――少なくとも私はまだ反対はしていますが」

 その隣で翼の女が表情を堅くした状態のまま言う。

 しかし最初のように完璧に反対する様子はなく、渋々といったようでエルに従ったようだった。

「――よし、それじゃあ我々もすぐに準備をする。すぐにお互いの行動制限や規則など、話し合おう」

「……了解した。すぐに場を設けさせよう」

 それを聞くと時雨さんはすぐさま兵士達の元へと掛けていく。

 それを見た翼の女は、会場を準備するといって、近くの場所を探索し始めた。

「…………」

「…………」

 そしてその場には、康生とエルが取り残された。

「――きっとうまくいくよね」

 康生は少し不安の表情を出しながらエルに訪ねる。

「……きっと大丈夫だよ」

 エルも内心はとても不安だが、康生の前だからなのか少しだけ強気になっているようだった。

 だがなにより、これでエルの目標でもあった、人間達と異世界人との共同生活が達成できるというわけだ。

 だからかエルは内心、とてもやる気に満ちていた。

「――――エル」

「え?」

 そんな中、エルはふいに自分が呼ばれたことに気づき顔をあげる。

「大丈夫エル?さっきから何回も呼んでたけど」

 どうやら考え事をしていたようで全く話しが入ってこなかったようだ。

「だから、このままエルの夢が叶うといいなって思っただけだよ」

「私の夢……」

 康生に言われて、改めて自身の夢を思い出す。

 全ては人間と異世界人達と手をつなげる世界にすること。

「――康生」

 改めてかしこまったエルが康生を向く。

「ん?どうしたエル?」

 急にかしこまったエルを見て、康生も思わず緊張の汗を流す。

「――これからも先も私に協力してくれる?」

 エルが手をのばす。

「当然だよ」

 康生は力強くその手を握り返した。

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