第八章:第二次人森戦争・前編-50
何度目かも分からない更新遅れ、申し訳ない……。
体調云々ではなく、単純に軽いスランプでした……。
ただ今回そのスランプの解決法を見出せたので、多分今後は大丈夫だと思います!!
(──ッ!! 震えが、止まらない……っ!!)
ティールは二本の直剣をヴァンヤールに振るい、それがヴァンヤールの右手から伸びる消炭色の剣で受け止められる。
(力も、目も、判断力も、全部全部絶好調なのに……。背筋の怖気が治らない……っ!!)
力一杯押し切ろうとするティールの斬圧を、ヴァンヤールは受け止めた自身の剣の刃を滑らせるようにしてティールの懐に潜り込み、隙だらけの鳩尾に蹴りを突き入れた。
(痛くない……。怖くない……。なのになんだ、この寒気は……っ!!)
鳩尾に深く蹴り入れられる前にティールは半歩ほど後退すると、片方の剣──《色彩魔法》で作り出した──を手放しヴァンヤールの蹴り入れた足を腕で絡め取るようにして捕まえる。
(油断、したら、吐きそうだ……。コレが、自分描きの、代償なのか……っ!?)
ティールが繰る聖芸の指先の《色彩魔法》で行った〝自分描き〟……。それ自体は成功していた。
しかし万全かと言われたらば、首を傾げざるを得ないだろう。
何故なら彼には〝知識〟が不足していた。
彼は一つずつ丁寧に非力で無力な自分に仲間達の長所を描き加えていき、それを体に異常が生じぬよう調整しながら色を選び抜き、仕上げていった。
だが根本的な部分……人体構造や機能についての知識が、彼には足りていなかったのだ。
一応人間を芸術で描写、表現する上でティールはある程度は人体について勉強はしている。一般的な知識を始め、多少専門的なものも一部把握はしている。
が、それではやはり足りず、今現在彼の身体はそれによる不具合や副作用に苛まれ、徐々にではあるがティールの身体を蝕んでいった。
(クソっ……。クラウンにちゃんと相談しとくんだったなぁ……)
基本的にクラウンはティールの創作活動に対して口は挟まない。ティールの想い描くものを存分に表現して欲しいという彼なりの配慮ではあったのだが、今回はそれが仇となった形になるだろう。
勿論、今回の奇襲迎撃作戦に際した《色彩魔法》の基本知識やある程度のノウハウは事前に教え込まれてはいたが、然しものクラウンもまさかティールが自分自身に《色彩魔法》を使うとまでは考えておらず、殆ど任せてしまっていた。
今はそのツケが回って来たという事である。
(な、何とかして早くコイツぶっ倒して《色彩魔法》を解除しねぇとっ……。でもっ……!!)
蹴り入れられた脚を絡め取ったまでは良かったものの、ヴァンヤールはそれを利用しもう片方の足で地面を蹴り軽く跳躍するとそのまま身体を宙で捻る。
それによって彼の脚を絡め取っていた手は身体ごと追従するようにして傾いてしまい、バランスを崩した所をヴァンヤールの捻り回し蹴りがティールの横っ面を蹴り薙いだ。
(ぐっ!? コイツ、普通に強ぇっ!?)
建国から何千年と続いているアールヴ森精皇国の軍団長は、当然だがそう易々と就任出来る立場ではない。
何万という兵士を従えるだけの統率力を有し、個人としてのあらゆる能力は可能な限り高水準を求められ、そして軍人としても強靭で在らねばならない。
ヴァンヤールの場合、聖芸の指先を用いた《色彩魔法》による戦闘面は確かに目を見張るものがあり下手な軍人よりも寧ろ戦えはする。
だが、似た境遇であるオルウェの巧みな魔術の技巧やテレリの臨機応変で多様性を体現する操糸術と比較してしまうと決定打にならず、軍団長に求められる水準には僅かに達していなかった。
故に彼に求められたのはその差を埋めるだけの実践的力量──詰まる所の直接戦闘能力である。
(絵ぇ描いてるだけじゃ軍人にはなれねぇってかっ!? そりゃそうだけど、ちょっと甘く見てたかなぁっ!?)
ティールも仲間達の能力を全て体現出来ているわけでは当たり前だが無い。部分部分、今この場で要求されるであろうものを抜粋し、無理のない範囲で落とし込んでいるに過ぎない。
ヘリアーテ程の力は無く、グラッド程のすばしっこさは無く、ディズレー程の多様性は無く、ロセッティ程の魔力制御能力も無く、ユウナ程の運も無く、ロリーナ程の隙の無さも無く、クラウン程の手数も無い……。
そんな付け焼き刃で中途半端な強さを一時的に身に付けた彼にとって、ヴァンヤールの素の能力の高さは、中々に越え難い壁に変わりはないのだ。
(だけど、それはそれでやりようはあるっ!! 何故なら俺は──)
ティールは改めて聖芸の指先を取り出し、蹴られた反動で体勢の崩れた身体──その背中に若葉色で〝風〟を描く。
(俺は兵士じゃない、芸術家だっ!!)
筆先が走り終えた直後、ティールの傾きそうだった身体は突如発生した突風により半ば無理矢理押し戻される。
そして捻り回し蹴りを放った直後で殆ど床に伏せるような体勢になっていたヴァンヤールの脚を改めて掴み直した。
「『──っ!? 往生際が悪いなまったくっ!!』」
掴まれた脚を振り解く為、ヴァンヤールはもう片方の脚でティールを蹴り上げようとする。
が、それをティールは直剣を構える事で防ぎ、脚を掴んでいる手から聖芸の指先を弾き上げると口に咥え、自身の腕に先程爪にも塗った勿忘草色を塗り重ねていく。
「『き、貴様ッ!? よくも聖芸の指先をその穢らわしい口で咥えてくれ──ッ!!』」
蛮行を働いたティールに慟哭するヴァンヤールだが、直後自分の脚を掴む彼の腕から見た事のある勿忘草色の閃光を目にし、背筋を凍らせる。
「『そ、そんな事をして……お前もただでは済まないぞっ!?』」
「『ほら、俺って凡才だから。これくらいでやっとトントンだろ?』」
強がりの笑みを浮かべた瞬間、ティールの腕に塗られた勿忘草色は弾けるようにして皮膚を電気へと変容させていき、自分諸共ヴァンヤールへ強力な電撃を浴びせた。
「『ぐぉぁッ!? っがぁぁぁぐぅぁぁッッ!?』」
先程の爪に比べ遥かに威力が増した電撃を受け、血反吐を吐きそうな程の激痛がヴァンヤールの全身を苛む。
しかしその電撃は発動したティールをも苛んでいる筈であり、では彼はどうしているのか、とヴァンヤールは激痛に耐えながらティールの方を見遣る。
すると──
「『──っ!?』」
ヴァンヤールの視界に映ったのは、自分の様に電撃に苦しめられているティールの姿ではない。
一部の皮膚が電撃に変容してしまいそこから流血はしているものの彼に電撃は流れておらず、苦しむヴァンヤールの姿と平然としている自身の様子に狼狽える表情を見て北叟笑む、ティールの姿だった。
「『な、ぜぇぇ……っ!?』」
「『お勉強の成果だ。お前の脚を掴む俺の手の平を、ゴムにした』」
「『な゛っ!?』」
ティールは自身が蹴り飛ばされそれを突風を描く事で体勢を立て直した際、同時に己の手の平に紫黒色を塗布。
脚を掴む手をゴム質へと変容させ、絶縁体としていたのだ。
「『な゛、に゛がぁ……トントン、だぁぁ……』」
「『ウソに決まってんだろマヌケっ!!』」
意地悪く笑うティールは電撃によりまともに動く事が出来ない彼に向かい、何の柵も無くなった直剣を翳し、隙だらけの素っ首に向け振り下ろす。
「『ゔ、ぐぁぁぁぁぁっっっ!!』」
迫る刃に戦慄を覚えたヴァンヤール。
だが身体に走る電撃が弱まって来たタイミングで彼は《色彩魔法》を発動。
自身の鎧全体をティールの手の平同様に紫黒色に染め上げ絶縁体とし、更に若葉色を空気に描き突風を起こして自身の身体を無理矢理動かす事で凶刃から辛うじて逃れる。
「『ぐっ!!』」
「『おっとっ!』」
そして脚を掴んだままのティールの腕に向け右手の剣を振るい、彼が脚から手を離したのを見計らって三度《色彩魔法》を発動し自身の周囲の空気を鼠色に染め上げ、簡易的な煙幕を作り出した。
「『な〜んだよ、それ? ど素人の俺の真似事なんて興醒めするんだが?』」
煙幕に向かい挑発的に笑って見せるティール。
そんな彼の体は態度とは裏腹に余り具合は良くない。
背中は変わらず爛れたままで無理矢理痛みを誤魔化している状態であり、自分描きの副作用により身体機能の不具合に苦しめられ、腕からは皮膚が無くなり中々な量の流血をしている。
ティールの身体も限界を迎えようとしていた。
「『……ふん。僕なりに、お前の不出来な絵を、アレンジしてやったまでの、事だよ……』」
煙幕が晴れ、体勢を立て直したヴァンヤールが姿を現したが、その様子もまたティール同様に余裕は無い。
右手を切断されその先に剣を描き出す間にそこそこ出血しており、加えて二度の強烈な電撃。
そしてこの攻防より前にしていたロセッティとの鬩ぎ合いと、度重なる《色彩魔法》使用による魔力の消耗過多……。
互いに最早、長時間激しい戦いを出来る状態では無かった。
「『……』」
「『……』」
「『……なぁ、ヴァンヤ──』」
──ピシッ。
「『っ!?』」
「『っ!?』」
その音は、決して大きくはなかった。
だがその音は二人に何よりも大きく響き、ある意味でティールが今一番聞きたくなかった音であり、逆にヴァンヤールにとっては待ちに待った光明を呼び寄せる音でもあった。
二人は互いの事をそっちのけで音の発信源である〝氷漬けの冒涜の巨人〟へと目を向ける。
そこには巨人を縛る氷塊に目に見える程の大きなヒビが入り軋みを上げて崩れ始め、中の巨人が僅かずつ蠢き出していたのだ。
「くっ……。間に合わなかったかっ!?」
ティールは顔を顰める。
彼は自分描きをする前からヴァンヤールとの一騎打ちは早々にケリをつけるつもりでいた。
理由は目の前で起きている事実──冒涜の巨人の拘束限界である。
あの冒涜の巨人を縛る氷塊はロセッティによる魔術「死の氷柱」によるものであり、拘束し続けるにはそれだけの時間魔力を使い続ける。
加えて中の冒涜の巨人は生命ではなくヴァンヤールが作り上げた屍の人形……。氷漬けにされようと、中では拘束から脱しようとずっと踠いており、ロセッティの消費魔力もそれを抑え込む為に更に消費を加速させた。
ロセッティの魔力制御能力は天才的である。
だがそれでも、広範囲制圧型の魔術を二種類も発動した直後であり、「死の氷柱」という大魔術を発動から拘束まで維持し続けるのには相当な魔力消費と魔力制御による集中力、精神力の磨耗は避けられない。
故にティールはなるべく短時間でヴァンヤールを倒す必要があったのだが……。彼はヴァンヤールの直接戦闘能力を見誤っていた。
結果、ティールはヴァンヤールを倒す事に苦心し時間が掛かり過ぎてしまい、先にロセッティに限界が来てしまったのだ。
「『ふ、ふふはは』」
ヴァンヤールは自身の作品の再始動に歓喜し、思わず笑いを溢す。
最高傑作とまで思っていた作品が氷塊に閉じ込められた際は絶望に沈みそうになったが、こうして再び動き出した姿を見た瞬間、彼は再認識する。
ああ、やはり僕は間違っていなかった……。
目は狂気的に輝き、恍惚感で顔が緩む。
そんな彼の顔を見たティールは苦虫を噛み潰したように表情を歪ませながらも取り敢えずは捨て置き、自分描きで強化された脚力で急ぎロセッティの元へ駆ける。
そして一分とせずしてロセッティの元へ駆け寄ったティールは、魔力と精神力を消費し切り肩で息をする彼女の背を支えた。
「大丈夫か?」
そう優しく声を掛けると、ロセッティは徐に顔を上げてからティールの顔を見て少しだけ安心したように微笑む。
「あ、ありがとう……。でも、ごめん、ね。アレ、抑え、切れなくて……」
「何言ってんだよ。お前は充分やってくれたじゃねぇか。俺の方こそ、決め切れなくて悪い」
「ううん……。それより……」
剥がれ落ちていく氷が床に落ちる音と同時に、二人は改めて冒涜の巨人へと目を向ける。
巨人を覆っていた氷は今やその殆どが割れて崩れてしまい、中の巨人は今にも倉庫を破壊せんばかりに動き出してしまいそうだった。
「アレ……どうしよっか」
「うーん。どうすっかなぁー」
敢えて呑気な調子で空笑いし合う二人。
今の満身創痍な二人に、あの冒涜の巨人を止められるだけの余力は残っていない。
「わたし、ちょっと軍団長甘く見てた、かな……」
「俺も俺も。大体クラウンは俺達を過大評価し過ぎなんだっての……。俺等まだ学生だぜ? それを何百年研鑽したエルフの軍人相手にしろって……」
「無茶、だよね……。あはは」
「無茶も無茶、大無茶だろって」
「……ねぇ、ティール君」
「ん? なんだ?」
「もし、ここでわたし達がやられて、あの巨人が倉庫から出たら、街の人、沢山死んじゃうよね……」
「……だな。駐在兵や衛兵は勿論、大人や子供、老人まで、沢山死んじまうな……」
「……だよね」
「ああ。……でもよ」
「うん……」
「スゲェ人でなしみてぇに聞こえるかもしんないけど、そんな事よりも──」
「……」
「クラウンの期待を裏切る方が、スゲェ嫌だな」
「……うん。わたしも、同じ」
「はっはっ!! 気が合うな、俺達っ!!」
二人は互いに肩を抱き合い、支え合いながら立ち上がる。
そしてまるで自由を謳歌するようにして腕を振り回す冒涜の巨人を睨み付け、不敵に笑って見せた。
「じゃあ、お前の〝ボス〟の期待に応えてやろうか?」
「うん。貴方の〝友達〟を、絶対に裏切りたくないっ!!」
「うしっ!! ……とはいえ──」
(打つ手なんて、そんな都合良く思い付かねぇよなぁ……。あんなデケェの、今の俺達じゃあ手に余る……)
ロセッティの魔力は殆ど底を尽き、ティールの身体もまた早く自分描きを解除しなければ後遺症が発生してしまう可能性を孕んでいる。
既にしている無茶に更なる無茶を重ねる事も出来なくはないが、その行く末は須くクラウンの望まない結果──ティールとロセッティに取り返しの付かない結末に繋がる。
それは例えこのまま二人が敗北し、巨人が暴れ回る事よりもクラウンが望んでいない事態だろう。
なれば残された手段など、尚更狭まってしまう。
二人に打つ手は、既に尽き──
『まだまだ未熟。視野が狭い』
(っ!?)
突如、ティールの脳内に聞き覚えのある〝音〟が響く。
何十何百と重なり、様々な種類の音が声として形成されたそれは、自身が握り締める聖芸の指先から発せられていた。
(お、前……。作神か?)
『是。この短き間に見たぞ、其方の創作……。まっこと新しき、心地良い風よ……。良きかな、良きかな……』
(……で、何の用で話し掛けて来たんです? 今それどころじゃ無いんですけど?)
『そう逸るな若き芸術家よ。其方はまだまだ青く未熟……。もっと豊かな余裕を、強かな気持ちを、広ろき視野を持たれよ』
(広い、視野……)
『是。其方の創作は……芸術は、本当に〝描く〟だけか? 本当に〝塗る〟だけか? 本当に〝筆〟だけか?』
(何?)
『其方なら容易に思い出せよう? 其方は〝誰に何を〟認められていた? 何を作り、何を表現して、何を見せた? 何が〝彼を〟射止めたのだ?』
(──っ!! いや、でも、聖芸の指先って……)
『否。吾は〝作神〟ぞ? 創作と表現の神ぞ? その吾が宿りし聖芸の指先が〝描く〟だけに留まると思うか?』
(……なら、ならっ!!)
『是。可能性は無限。創作は無限。表現は無限……。既に〝材料〟はあろう?』
(……ああ。任せろ。俺を誰だと思ってる?)
『ほう。誰ぞ?』
(聞いて驚け? 俺は──
俺は「強欲の魔王」専属の芸術家だぞ?
「『ふふはは……。これで、僕の芸術は醜き人族共に広く知らしめられ、本国にヴァルダ家の名が再び谺し──ん?』」
暴れ始める冒涜の巨人を眺めていたヴァンヤールの目端に、キラリ、と何かが映り込む。
思わず気になりそちらに目を向けてみれば、そこにあったのは先程まで冒涜の巨人を拘束していた憎っくき氷塊。それが崩れて落ち、転がっている、氷の残骸であった。
「『ふん……。僕の芸術を停める事なぞ出来るはずが──んん?』」
だがその氷は、ただ虚しく転がっているだけではなかった。
何故だが氷は少しずつ少しずつ動き出しており、小さな残骸から大きな塊まで見境無く、全てが徐々に一つの場所へ集まり始める。
「『なんだ? また新たな魔術か?』」
そう訝しむヴァンヤールだったが、すぐさま取るに足らないと身限り、目を逸らす。
今の人族の二人は満身創痍だ。立っているのがやっとの、ただの死に損ない一歩手前の状態。
そんな彼等に、一体何が出来ようか? 一体どうやって自身の最高傑作である冒涜の巨人を倒せよう? いや寧ろ止める事すら出来ないだろう。
今更何をしようが些末事……。気に留める価値すらない。
「『さあ巨人よっ!! この倉庫から飛び出し、人族共を蹂躙し──』」
巨大な腕を高々と掲げ、倉庫の壁へと巨人の腕が振り下ろされようとしたその瞬間、巨人の腕は突如〝何か〟によって止められる。
「『──ッ!? な、こ、氷、の腕?』」
それは先程ヴァンヤールの目端にて煌めいた氷。それが歪に、だが確かな手の形を形成して巨人の腕を受け止めていたのだ。
「『何が、どうして……。僕の作品を止められるだけの余力が彼等にあるわけが……』」
「『芸術は無限だ』」
その声に、ヴァンヤールは震える。
希望に満ち、得意気に口にした声の主に、ヴァンヤールはゆっくりと視線を移した。
「『お、前ぇぇっ!! どうやって僕の作品をぉぉっ!!』」
「『おいおい先輩。視野が狭いなぁ? 俺達芸術家は絵を描くだけの人種じゃないだろ? 俺達は〝表現者〟だ。〝筆〟だけが道具じゃねぇ』」
「『──っ!! ま、さか……』」
ヴァンヤールは視線を落とし、ティールが握る聖芸の指先の〝形〟を見る。
「『そ、れは……』」
「『ああそうだ──』」
ティールはわざとらしく笑って聖芸の指先をヴァンヤールへ突き付ける。
〝筆〟から〝鑿と金槌〟に変化した聖芸の指先の姿だった。
「『さあ先輩。こっからは俺の独壇場だ。覚悟しろよ?』」
「『な……』」
「『何せ俺の〝彫刻〟は、クラウンのお墨付きだからなぁっ!!』」
実は10月1日で、今作と私のなろうでの執筆歴が四年目を過ぎ、とうとう五年目に突入してしまいました。
四年もあれば物語も進んでいそうなものですが、まだまだエルフと戦争中……。多分一、二年戦争書いてますね……。遅筆ですみません。
来年までには次部に突入、してる、かな? そう願っています……。
まあ何はともあれ四年間も飽きる事なく書き続け、五年目を迎えられたのは素直に驚き、嬉しい限りです。
月並みではありますが、これも偏に読んで下さってる皆様読者方のお陰であります。本当に私を支えて下さり、ありがとうございます!
これからもまだまだ拙いながら本作を仕上げていきますので、どうか暖かかな目で見守りながら読んで頂ければ幸いです!!
ありがとうございました!!




