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強欲のスキルコレクター  作者: 現猫
第三部:強欲青年は嗤って戦地を闊歩する
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第八章:第二次人森戦争・前編-3

遅くなり申し訳ありませんっ!!


活動報告でも報告させて頂いた通り、今回の内容は前回更新分を改稿したものになります。

とは言っても内容としては最序盤しか同じ箇所はなく、98%くらい書き直してます。

詳しい改稿理由が気になる方は最新の活動報告をご一読ください。

 


 私はテレポーテーションを使い、戦場である平野から王国へと転移した。


 向かったのは王国内に四つ用意された奇襲迎撃用巨大倉庫。


 元々あった倉庫を改造し巨大化。更に出入り口を僅かな換気口を残して完全に無くし、外壁や内壁、天井や床を尋常な手段では破壊出来ない頑強な素材で構成している。


 更にそこに私の部下達──ヘリアーテ達が有利に動く事が出来得る環境に作り替え、奇襲者達を圧倒的不利な状況で追い詰める事の出来るフィールドを拵えた。


 アヴァリの記憶を獲得し、奇襲して来る四つの軍団及び軍団長の性質を全て把握した上で整えた各倉庫は奴等を必ずや苦しめ、そして確実に討ち取る事が出来るだろう。


 純粋で崇高な一対一(サシ)での勝負や決闘であれば不粋極まりないセッティングになっているが、これは紛う事ない〝戦争〟。


 一つの油断、妥協、憐憫が綻びになり、そこに卑怯や卑劣など存在しない。あるのは勝てるか殺せるかの生殺与奪権の争奪戦だ。


 情け容赦など、ただの自殺でしかない。


 故に設置された四つの巨大倉庫には殺意が満載。いやはや。自分で提案し用意させておいてアレだが、こんなものを敵に使われると考えるとひとたまりもないな。ふふふ。


 ……と、そんな四つの巨大倉庫をそれぞれ担当する部下達に発破を掛け、私は再びテレポーテーションで戦地である平野へ帰還。


 ロリーナや学院生達の様子を窺い、珠玉七貴族の面々と顔を合わせ、そして最後に国王陛下の(おわ)す他の物より一層豪奢な帷幄(いあく)を訪れた。


「陛下。クラウン・チェーシャル・キャッツ。ただいま参上致しました」


 私が膝を着いて頭を下げると、戦地で国王が座る為の玉座にて我等がティリーザラ王国十三代国王、カイゼン・セルブ・キャロル・ティリーザラ国王陛下が鷹揚に頷く。


「うむ。戦支度は全て滞りないか?」


 以前の珠玉御前会議の時のラフな装いと態度とは違い、国民がイメージする国王然とした毅然で威厳溢れる堂々たる威容で私に委細を問う。


「はっ。予定通り三時間後には問題無く開戦可能です」


 平野の主力になり得る箇所──盗賊団が(ねぐら)にしていた廃村や洞窟──の拠点化及びそこと動線となる箇所への仮拠点化も済んでいる。


 兵士達の装備や備蓄、兵站も揃い、非戦闘員達の準備も問題なく完了した。やれるだけの準備は整いつつある。問題ない。


「結構。ではクラウンよ。ガーベラとキャピタレウスを呼べ。奴等と〝最後〟の交渉だ」


「はっ」


 陛下は自慢のカイゼル髭を撫で下ろすと玉座から立ち上がり帷幄(いあく)の奥へと消える。


 これから行われるのは戦時最終交渉。長同士が意志をぶつけ合い、変わらずお互いに戦意があり交渉の余地無しか否かを決定する交渉とは名ばかりの戦争の口火作りだ。


 本来そんなものやらんでも良い筈なんだがな。形式的なものが残ってしまっていて今更辞めるきっかけが無いらしい。


 私はその最終交渉の現場への送迎として付き添う予定なのだが……。


 まったく。古臭くて敵わんな。


 まあ私としては久々にユーリの顔を拝める機会が出来たのはある意味では嬉しい話だ。奴の顔を見れば様々な感情が湧いて私の戦意も上がるというものだ。


 散々引っ掻き回されたし、私からも引っ掻き回した。さあ、奴はどんな顔で私と眼を合わせるかな? ふふふふふふ。


 因みに陛下の護衛はティリーザラの英雄である姉さんと、最高位魔導師の称号を剥奪された今も尚最強の魔法の使い手に変わりない師匠が務める。


 私はあくまでも《空間魔法》を殆ど消耗なく短時間でしかも連続使用可能だという理由で各地の状況連絡と国王陛下達の送り迎えを仰せつかったに過ぎず、護衛に選ばれたワケではない。


 決して戦時最終交渉の規定である「護衛人数は原則二人までに限定される」の穴を突いたわけではない。ふふふふ。


 ……と、そんな事を考えながら謁見の帷幄(いあく)の外に出て少し離れた所にある師匠の居る帷幄(いあく)へ向かう。


 少しだけ歩くと、複数の帷幄(いあく)に混じって一つだけ目立った物が目に飛び込んだ。


 それは一般兵複数人が詰めるような帷幄(いあく)とは違い、一回り大きく少々意匠の凝ったデザインが施された帷幄(いあく)が設営され、一目で只人の物ではないと理解出来る。


 この凝った意匠の帷幄(いあく)が師匠の居る帷幄(いあく)になるのだが、先程も言ったように師匠は以前のロートルース大沼地帯による失態により最高位魔導師の称号は剥奪されている。


 故に本来ならば彼は最早一介の魔法魔術学院の学院長に過ぎず、このような帷幄(いあく)を用意されるような権力や立場は失っている筈だった。


 しかし所詮剥奪されたのはたかが〝称号〟。そこに師匠の実力や知識や才能、スキルが内包されているわけではない。


 最高位魔導師で無くなろうと、師匠はこの国最強の魔導師に変わりないのだ。


 この帷幄(いあく)はその現れ。


 まあ、師匠の帷幄(いあく)を改めて作り直す手間が惜しかったからそのまま使い回しているだけなのかもしれないがな。何にせよ師匠がここに居るのは変わらない。


 私はそのまま帷幄(いあく)の幕を捲り上げ中に入り、中をザッと見回す。


 すると奥の端に置かれた大量の羊皮紙が散乱している長机の前で一枚の羊皮紙を睨み付ける師匠の姿があり、私の訪問に気が付くと羊皮紙をそのままにゆっくりと振り返る。


「おお来たか。というかもうそんな時間なのか?」


「はい。これから戦時最終交渉に向かいます。師匠は準備出来ていますか?」


「う、うむ。じゃがもうちぃっとだけ復習させてくれんか。少しでも綻びがないかしっかり確認せんと……」


「はぁ……。師匠、一体何百回、何時間同じ確認をしているんですか? ()()はもう私達二人で徹底的に検証し、確認したではないですか」


 師匠が先程から睨み付けている羊皮紙。そこにはとある魔術の魔法陣が描かれている。


 と言ってもその羊皮紙を使って魔術を発動するわけではなく、あくまでも魔法陣のサンプル。


 実際に使うのはアレを元にもっと大きく精巧な魔法陣が描かれた羊皮紙であり、それはもう既に所定の箇所にて配置済みなのである。


 故に再確認の必要などなく寧ろ今から何かしら粗が見付かってしまう方が大問題だ。単純に時間が無い。


「そうは言うがのぉ……。こんな大魔術を扱うなど前代未聞じゃ。小さなミスで暴発しようものなら術者に返ってくる反動がどうなるか……」


「そんな事態に陥らないよう私と師匠で何度も何度も確認したではないですか。今更どう足掻いても粗やミスは見つからないですし、多少のミスなら私がアドリブでカバーします」


「じゃ、じゃが暴発のしかたによってはワシ等や敵軍だけでなく自軍にまで被害が及ぶやもしれんのだぞっ!? 入念な確認は必要じゃろうっ!?」


 ……はあ。この人はまったく。


「師匠」


「な、なんじゃ……」


「……ロートルースでの一件を引き摺る気持ちは分かります。一つのミスで大きな犠牲者を出してしまった事を悔やむのは当然の話です」


「……」


「ですが心配も過ぎれば違うミスを引き起こしてしまう。そのミスが小さなものならまだ挽回のしようもあるでしょう……。ですが大きなミスに繋がれば取り返しがつかない事態に発展する可能性が生まれてしまいます」


「う、む……」


「程々に願います師匠。自分の技術と、何より私を信用して下さい」


「……ああ。そうじゃな」


 師匠は手にしていた羊皮紙を筒状に丸めるとそれを長机の引き出しに仕舞い込む。


「ワシは軽く支度してくる。数分だけ待ってくれ」


 そう言うと師匠そのまま身支度を軽く整える為に仕切りの向こうへと入って行った。


 ふぅ……。魔術の研究をしている時は以前のように活き活きしていたんだがな。どうもアレ以来人死が関わる事となると敏感になる節がある。


 一応師匠が自信を無くすのも致し方ない事なのは理解している。あの日の悲劇以来初めての表舞台で過敏になり神経衰弱に陥るのも無理はない事だ。


 だが今は開戦間近でそれどころではないのだ。彼には今も、そしてこれからもしっかりして貰わねば。


 私の為国民の為……そして師匠自身の自信回復の為にも……。


「待たせたの。では行くか」


「ええ。……と、その前に姉さんですね。迎えに行かないと──」


 瞬間、帷幄(いあく)が音を立てて激しく揺れ動く。


「──っ!? なんじゃっ!!」


「これは……」


 それは叩き付けるような突風。唐突に吹き荒び始め帷幄(いあく)を軋ませながら今にも地面に打ち込んだ楔が抜けてしまいそうな程激しく揺れる。


 ……今日の天候や雲の流れから鑑みるに気象が急変したわけではないだろう。


 かと言って敵方の《風魔法》《嵐魔法》の(たぐい)の魔法攻撃ならばこんな中途半端な威力にはしない。


 奇襲、先制攻撃は一撃必殺か派手な威力でないと効果が発揮されないからな。帷幄(いあく)を揺らすばかりで吹き飛ばせない程度の威力など何の意味も無い。


 ならば残る可能性は……。まあ、アレだろうな。


 私は十中八九そうだろう、と思い至った予想を浮かべながら師匠の帷幄(いあく)の外に出て、そして空を見上げる。


 徐々に曇り始めていた空を覆うは威容が形を成したかのような眩い輝きを放つ一体の竜。


 一度の羽ばたきで周囲のあらゆる物資や人を蹴散らすそんな竜の背中には、完全武装に身を包んだ愛しの姉、ガーベラが笑顔で顔を覗かせる。


「来たぞクラウンっ!! そろそろ時間だろう?」


 そう言いながらまだ十数メートルはある高さから姉さんは躊躇(ちゅうちょ)なく飛び降り、着込んでいる鎧の重量を感じさせない程に優雅な着地を決め、私に歩み寄って来る。


「姉さん……。私は迎えに行くと言った覚えがあるんですが……。何故わざわざプルトンに乗ってここに来たのですか?」


 ここは国王陛下や師匠。そして珠玉七貴族やそれ以外の上位貴族が詰める陣地の最奥。


 そんな場所に羽ばたくだけで家屋を破壊するような存在が現れるのは余り宜しくない。目立ってしょうがない上に色々と(うるさ)くなる。


 現に鎧姿の貴族達が何事かと帷幄(いあく)を飛び出しプルトンを見上げ始める。


「いや何。お前の手を(わずらわ)せるのも

 どうかと思ってな。それに素早い移動手段が私にも可能になったのだ。活用したくなるのは当然だろう?」


「はぁ……。姉さん。もう少し節度を(わきま)えて下さい。皆が驚いて集まり出しましたよ」


「い、いやしかし皆にも私のプルトンを自ま──紹介したいんだ。気持ちは分かるだろう?」


 今自慢したいと言い掛けたぞこの人……。


 はあ。まったく、仕方のない人だ。


 しかし……ふむ。こうして改めて考えると、余り意識した事は無いが姉さんは姉さんで少しだけ私に似ている所があるな。


 新たな能力や手段を手に入れたら試さずにはいられず、またそれだけに満足する事なく更に新しい物を求める。


 前世の意識と記憶を引き継いで転生した筈の私と転生先の家族が似かよっている……。これは果たして私が前世から変わったのか、はたまた別の要因か……。


 ……詮ない話だったな。それより今は兎に角──


「姉さんがプルトンを使いたがるのは理解出来ます。私が姉さんの立場であったら多少控えはするでしょうが同じように重用したでしょうからね」


「だ、だろうっ!?」


「ですが姉さんは自分が何を成し遂げたのかについて無頓着過ぎます。ほら見て下さい」


 そう言って私が周りをよく見るよう姉さんに促すと、プルトンが未だ羽ばたく周辺に貴族達が群がり、懸命に何かを懇願している。


「か、欠片でも構いませんっ!! どうか、どうか爪を僅かばかり私に分けて頂けないでしょうかっ!?」


「自然に抜け落ちた鱗などありませんでしょうかっ!? あるのであれば相応の見返りをご用意致します故、どうかお恵みを……っ!!」


「ブレスで特殊な金属に変えられると聞きましたぞっ!! 謝礼は弾ませて頂きますので、どうかこの杖をブレスでその金属にっ!!」


 口々に発しているのは薄汚い欲に塗れた物乞いの声。


 まるで一本の蜘蛛糸に群がる亡者の如き醜態を晒す貴族達は、節操を(わきま)えた他の貴族達からの冷たい目線を意に介さず、ただひたすらに懇願していた。


「こ、れは……」


「まったく嘆かわしいですね。いくら優秀で忠誠心があろうと、目の前に餌をぶら下げられたらかくも醜くく豹変する……。結局、人間とは〝こういう〟生き物なのでしょうね」


 竜の生み出す全てには途方もない価値がある。それが例え生理現象によって捨てられるような老廃物であっても、巨万の富が約束される。


 生ける金脈を前に、貴族達はなりふり構わずこの機会に何とか(あやか)ろうと集まってしまったわけだ。


 普段は被っている毅然という皮が一枚剥がれたならばこんなもの。なんとも醜く、動物的で愚かしい光景だろうか……。


「ほら姉さん。早くプルトンに離れるよう言わないと、彼が限界を迎えて貴族達が彫像に変えられてしまいますよ」


 プルトンの顔を見てみると、竜の表情の変化が読み取り辛い顔が露骨に不快極まりないとばかりに歪み、口の端から何やら煌めく煙が漏れ出し始めていた。


「──っ!! プルトンっ!! 私の事はもういいっ!! お前は別の場所で待機していてくれっ!!」


「……フン」


 姉さんの声を聞き、一度(まぶた)を閉じて熟考してみせると、目を開けると同時に鼻を鳴らしてそのまま空中で踵を返し遠く空の向こうへ飛び去って行く。


 どうやら何とか怒りの矛を収めてくれたらしい。いやはや。これで一安心だ。


「な、何故返してしまったのだっ!!」


「私達はただ少しだけ捨てるようなものを恵んで頂こうとっ!!」


「謝礼ならば弾むっ!! だからどうかもう一度竜を呼んでくれないかっ!?」


 プルトンが飛び去り、真っ先に不満と怒りの矛先が向いたのは私達。何やら身勝手な事を馬鹿正直に口にしているが……。


「欲に(かま)けてお忘れのようですね」


「ああっ!? 何がだっ!?」


「近くに国王陛下の帷幄(いあく)がある事ですよ。知っていたでしょう?」


「──っ!?」


「これはわざわざ私が報せなくとも伝わるでしょうなぁ。貴方方が一体どんな人間なのか……。評価や評判はガタ落ちですね」


「う、ぐぐ……」


「精々この戦争で張り切って下さい。場合によっては汚名返上出来るかもしれませんよ?」


「……」


 私が最後にそう言うと、貴族達は冷ややかな同胞達の目線を受け苦い顔をしながら自分達の帷幄(いあく)へと帰って行く。


 これくらいのお灸であれば多少は大人しくなってくれるだろう。彼等もそこまで馬鹿ではない筈だ。しっかり反省して貰い、それで駄目なら後々もう少し痛い目にでも──


「すまないクラウン……。陛下にもこうなる可能性がある、と言い含められていたんだがな……。私は少々浮かれていたようだ……」


 姉さんはそう言うとバツが悪そうな表情をしながら少しだけ落ち込むように項垂(うなだ)れる。


 本当、この人はいくつになってもこういう可愛らしい所は変わらないな。こんな可愛く(しお)れる姉さんが前線のトップに立つ国最強の英雄なのだから、世の中面白く出来ている。


「ふふふ。開戦直前に浮かれられるなんて随分と豪胆ですね。流石は姉さんです」


「か、からかうんじゃないっ!! そ、そもそもお前だってこれから戦時最終交渉だというのにヤケに緊張感が無いじゃないかっ!! 私の事言えないぞっ!!」


「緊張はしていますよ? ただ緊張よりも楽しみの方が大きくて対外的に見て分かり難いだけですよ」


「た、楽しみと来たか……」


「ええ楽しみですよ。ふふふふふふ」


「随分と呑気じゃのう、オヌシ等」


 聞き馴染みある(しわが)れた声に振り返ると、そこには今まで目にもした事が無いようなオーラを放つ長杖を携えた師匠が呆れたように溜め息を吐いていた。


「我が国が誇る最高戦力の美女と、その弟であり未知数の可能性を秘めた少年がこうも戦場で楽し気じゃと、元最高位魔導師のワシが心臓を跳ね上げていては立つ瀬がないのぉ」


「何を拗ねているんですか師匠。師匠だってまだまだ現役じゃないですか」


「そうですぞ老師。称号を剥奪して尚貴方が護衛に選ばれたのは、結局の所貴方の実力を誰しもが認めている証……。もっと胸を張って下さい」


「はぁぁ。慰めが沁みるのぉ……。ってそうじゃないわいっ!!」


 師匠は杖で地面に軽く叩くと、国王陛下の帷幄(いあく)を指して語気を強くする。


「陛下の身支度がもうじき終わるぞっ! オヌシ等も早う向かわねば陛下を待たせてしまうっ!」


「なんとっ!! 陛下を待たせるワケにはイカンっ!! 向かうぞクラウンっ!!」


 言うが早いか、姉さんはその俊足でもって帷幄(いあく)へと駆けて行き、あっという間に見えなくなってしまう。


「相も変わらず落ち着きがないのぉ。オヌシの姉は」


「そういう所も、姉さんの良い所です」


「オヌシは少々甘やかし過ぎな嫌いがあるの。まあ良い。行くぞクラウン。奴等に一体誰に喧嘩を売ったのか、思い知らせてやらねばなぁ」


 そう口にした師匠の目に、何やら静かに炎が揺らいで見えた気がした。


 何だかんだ師匠も戦争に関しては思う所があるようだな。ここ最近の落ち込みから鑑みると、ある意味では一安心だな。


 ならばここは……。


「そうですね師匠。自分達がどれだけ不運で圧倒的に不利か……そして──」


 そしてもう敗北が決まっているという事を、痛いほどに理解させてやらねばなぁ……。ふふふふふふ。

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[良い点] 面白いです。 [気になる点] クラウンはユーリから嫉妬を奪うだろうけど、大罪揃えたらどうなっちゃうんだろ? [一言] やっと最新話まで辿り着いたぁ
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