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イトシキイロドリ  作者: 暗黒黙示録
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イトシキイロドリ Part9 ~フライト・オブ・ザ・ビースト~

登場人物

アイ:かつて魔法少女として闇の皇帝-ダーク・ロードから世界を救った英雄。現在は隠された特別な機関“魔法庁”の長官となっている。

セカイ:アイのパートナーである妖精であり本名は“オズワルド”。本来はウサギのような容姿を持っているが、魔法で人間の姿をして魔法庁のエージェントとして働いている。

アヤ:魔法庁のアルバイト。かつて若年無業者として自堕落な生活を送っており、その生活を改めようと動き始めたところをセカイによって見い出された。


ダグマ:真の名は“闇の悪魔-ダーク・デビル”。闇の皇帝-ダーク・ロードの遺した闇の力から生まれた怪人。世界を滅ぼすべく暗躍する。

ミストレス:闇の寵姫。ダグマを崇めている。

 その日、アイとアヤとセカイは庁舎の一室で話をしていました。

「ところでそろそろ聞いてみたいんだけど、英雄アイの物語について……。」アヤが言いました。

「えっ……?」アイが言いました。

「アイがかつて世界を救ったことについて私全然知らないんだもん。」アヤが言いました。

「ロックマンみたいな話を期待してるのかも知れないけど、別にそこまで面白い話でも無いわよ?」アイが言いました。

「確かに、ロックマンXのストーリーは秀逸だったな。」セカイが言いました。「アイがゼロみたいな英雄になるには後何回死ねば良いんだ?俺の記憶が正しければ君はまだ一度も死んで無かった気がするけど……。」

「私は死んでも復活するつもりは無いから。」アイが言いました。

「それで、どんな感じだったの?」アヤが言いました。

「そりゃまあ、普通よ。」アイが言いました。

「普通じゃ分かんないよ。」アヤが言いました。「闇の皇帝が世界を滅ぼそうとしてたんでしょ?」

「ええ。」アイが言いました。

「どんな風に滅ぼそうとしてたワケ?」アヤが言いました。

「えっと……人々の心の闇からバケモノを生み出したりして……?」アイが言いました。

「闇の皇帝-ダーク・ロードはこの町に住む人間達が持つ負の感情から“サイコ”と呼ばれるバケモノを生み出す力を持っていたんだ。」セカイが言いました。「サイコの素体となった人間は意識を失い死んだような状態となり、生み出されたサイコはその負の感情に従って暴れ始める。」

「おお。」アヤが言いました。

「アイはマジカルステッキの力でサイコを浄化することが出来たんだ。」セカイが言いました。「魔法によってサイコを浄化することで素体となった人間の意識は回復し、同時にその負の感情も消えて無くなる。一件落着となるのワケさ。」

「へえ。」アヤが言いました。「魔法の力で悪しき心を浄化するとか、まさに天使じゃん。」

「私にも、そんな時代があったワケよ……。」アイが恥ずかしそうに言いました。

「今じゃ見る影も無いけどな。」セカイが笑いながら言いました。

「時代が変わったんだもの……!」アイが言いました。

「ダーク・ロードも浄化したワケ?」アヤが言いました。

「いや……。」セカイが言いました。「およそ一年にも渡ってダーク・ロードの生み出すサイコ達を浄化し続けたアイだけど、ダーク・ロードは浄化せずに普通に倒したっけな……。」

「なんか突然ダーク・ロード自身が街を破壊し始めて、それで戦うことになったのよ。」アイが言いました。「アイツには私の浄化技が通じなくて、最終的には人々の愛の力を魔法に変えて必殺の魔法で撃破したの。」

「ヤバ……!」アヤが楽しそうに言いました。「必殺の魔法ってどんな感じ?」

「えっ……?」アイが困ったように言いました。

「えっと確か……。」セカイが笑いながら言いました。「あっ、そうだ!マジカル・ラブリー・スターとかいう名前だったかな?」

「ヤバ……!」アヤが笑いながら言いました。「それ超強そうじゃん!」

「ちょっと……!」アイが言いました。

「アイにもそんな時代があったワケだ。」アヤが言いました。

「これは機密事項よ。」アイが言いました。「言いふらしたら処刑するから。」

「浄化の間違いじゃなくて?」アヤが言いました。

「殺すわよ?」アイが言いました。

「私のコピーを殺すだけじゃ満足出来なかったワケ?」アヤが言いました。

「アイツを倒したのは失敗だったわ。」アイが言いました。

「どうして?」アヤが言いました。

「アイツはあなたの恥ずかしい過去をいっぱい知ってそうだったもの。」アイが言いました。「撃ち方……始め!」

「べ、別に……それくらい普通じゃん。」アヤが言いました。「私達の世代ならみんなやってるよ。」

「そうかしら?」アイが言いました。

「あなただって、なのはのマネしてたクセに……!」アヤが言いました。

「そ、それこそ私達の世代ならみんなやってるわ!」アイが言いました。

「じゃあやってみて。」アヤが言いました。

「セーット・アーップ!」アイが言いました。

「フッフッフッフッ……!」アヤが笑い出しました。

「ちょ、笑わないでよ……!」アイが言いました。

「だって、普通やらないでしょ……!」アヤが言いました。

「いや、だって……!」アイが言いました。

「ハッハッハッハッ……!」セカイも笑い出しました。

「こんなの有り得ないわ……!」そう言ってアイは両腕を左右に振りました。


 その日の夜、ダグマは新たなビーストを生み出しました。そのビーストは背中に翼が生えており、生み出されると同時に拳銃を片手に上空へと舞い上がっていきました。


 次の日、アイとアヤとセカイは庁舎の一室でまた会いました。

「情報によると昨夜、町の人が何人か闇の力で狙撃されたらしい。」セカイが言いました。

「狙撃……?」アイが言いました。

「スナイパーがいるんだね!」アヤが言いました。

「昨日パトロールしていた範囲にバケモノはいなかったわ。」アイが言いました。

「姿の見えない暗殺者の手によりこの町の人々は一人ずつ消されていく……!」アヤが楽しそうに言いました。

「ホラーね。」アイが言いました。

「おそらく、敵は空から攻撃を仕掛けている。」セカイが言いました。

「空から……?」アイが言いました。

「飛行能力を持ったバケモノだろう。」セカイが言いました。

「ひょっとしてプテラノドン?」アヤが言いました。「最後のチョコを守らなくちゃ……!」

「バレンタインはまだ先よ。」アイが言いました。

「でも気をつけないと……。」セカイが言いました。「もしチョコが全部食べられたら愛が無くなってマジカル・ラブリー・スターが放てなくなるなっちゃうかも知れない!」

「セカイ……!」アイが言いました。

「フッハッハッハッ……!」アヤが笑い出しました。

「くそー……!」アイが言いました。

「まあとにかく、そういうワケだから暗殺者なりプテラノドンなりに注意した方が良い。」セカイが言いました。「それじゃ。」

 セカイが部屋を出て行きました。

「フッフッフッフッフッ……!」アヤは笑い続けていました。

「いつまで笑ってるのよ……!?」アイが言いました。

「いや、だって……!」アヤが言いました。「別にチョコが話に出てきたからってバレンタインに繋げる必要無かったじゃん……!そのせいで……!ククク……!」

「確かに墓穴を掘ったわ。」アイが言いました。「でも、それ以上笑ったら今度はあなたのお尻を掘るわよ?」

「ちょっとやめてよ……!」アヤがアイから離れながら言いました。

「まあとにかく……。」アヤが続けて言いました。「今回の敵はラブロマンスじゃなくてパニック系ってことで良いかな?」

「ホラーよ。」アイが言いました。「ホラーが良いわ。」

「そこは別に訂正しなくても……。」アヤが言いました。

「あなたの意見は通したくない気分なの。ホラーで行きましょう。」アイが言いました。

「じゃあホラーで良いよ。」アヤが言いました。「ところでさ……。」

「何……?」アイが言いました。

「ホラーって言ったら、何思い浮かべる?」アヤが言いました。

「何って……?」アイが言いました。

「ホラ、バイオとか静岡とか……色々あるじゃん。」アヤが言いました。「なんかコレって言うのある?」

「確かに色々思い浮かべるけど……。」アイが言いました。「個人的には『クロックタワー』が怖かったかな……。」

「ああ、アレね……。」アヤが言いました。

「シザーマンが結構トラウマかも……。」アイが言いました。

「個人的にシザーマン結構好きなんだよね。」アヤが言いました。「夜のオカズになる。」

「えっ……?」アイが言いました。「何で……?」

「イケメンの前にシザーマンが現れて、服をこう、ジョキ、ジョキって……。」アヤがジェスチャーを交えながら言いました。「そして最後は大事なところをスパーン……!」

「良いから……!」アイが言いました。

「研究機関は魔法のハサミとか開発しなかったワケ?」アヤが言いました。「マジカルテックシザースみたいな……?」

「そんなネタ武器……。」アイが言いました。

「もしあったら今ここであなたの服を切り裂いてあげようか?」アヤが言いました。「ジョキ、ジョキ……!」

「変態!」アイが言いました。「あなたは偉大なる父の使途ならぬチンチンの使途ね!」

「巨大なチンチンとか……。」アヤが笑いながら言いました。「あなたの方がよっぽど変態じゃん!」

「わー……もう……!」アイが両腕を左右に振りながら言いました。


 その日の夜、アイとアヤは二人で通りを歩いていました。

「さて、敵はどこから狙ってくる?」アヤが言いました。

「分からないわ。」アイが言いました。

「先に変身しとかなくて良いの?」アヤが言いました。「先制攻撃を受けるかも知れないよ?」

「変身するのはバトルが始まる直前ってのが私のルールなの。」アイが言いました。

「まあ、それもスリリングで良いと思うけど……。」アヤが言いました。「『クロックタワー3』なんかもボス戦までは逃げるだけだったしね。」

「さすがに敵が現れたら逃げずに変身するけど……。」アイが言いました。

「相手がシザーマンでも?」アヤが言いました。

「シザーマンでも、シザーウーマンでもよ。」アイが言いました。

「フォーッ!」アヤが言いました。

「似てないわよ。」アイが言いました。

「えっ、じゃあどんな感じ?」アヤが言いました。

「えっと、こんな感じ……。」アイが言いました。「ファーウッ!」

「フフフフッ……!」アヤが笑い出しました。

「いや、3のシザーマンってこんな感じだったでしょ?」アイが言いました。

「確かにそうだったかもね。フフフ……!」アヤが言いました。

「笑わないでよ……!ったく……!」アイが言いました、

 次の瞬間、その通りの中央に無数の暗黒弾が降り注いできました。

 アイとアヤはそれぞれ左右に移動して暗黒弾をかわしました。

「何……!?空襲……!?」アヤが言いました。

「現れたわね……!」アイが言いました。「変身!」

 アイがマジカルテックモバイルを左手に持ち、武器を召喚しようとしました。しかしその瞬間、アイの近くに暗黒弾が飛んできて、アイは怯みました。

「くっ……!」アイは次々飛んでくる暗黒弾から走って逃げ回りました。

「変身!」アヤが変身しました。

 アヤはマジカルテックモバイルを手にすると、サーベル召喚アプリで魔法の剣“マジカルテックサーベル”を召喚しました。

「受け取って!」アヤがアイにマジカルテックサーベルを投げ渡しました。

 アイはアヤの投げたマジカルテックサーベルを右手で受け取ると、それを使って飛んでくる暗黒弾を弾いていきました。

「もう一本出せるでしょ!?」アヤがアイに言いました。

 アイがアヤの言葉を受けてマジカルテックモバイルを操作し二本目のマジカルテックサーベルを召喚すると、マジカルテックモバイルをしまって二本目のマジカルテックサーベルを左手に持ちました。

「やったじゃん!」アヤが言いました。「これで魔法少女ならぬ、魔法シザーウーマンだよ!」

「要らないんだけどその称号!」アイが飛んでくる魔法弾を両手のマジカルテックサーベルで弾きながら言いました。

「違う違う!もっとこう、ジョキジョキやんないと……!」アヤがジェスチャーを交えながら言いました。

「そんな器用な使い方出来ない……!」アイが言いました。「私は仮面ライダーガタックじゃないのよ!?」

「クロックアップもクロックタワーも出来ないって……?」アヤが言いました。「じゃあそうやって防御に専念するしかないね。」

「そもそもハサミでこの状況に対処出来るワケ?」アイが言いました。

 アヤはアイの質問には答えずに走り出しました。

「あ、ちょっと……!」アイが言いました。「私を置いていくなー……!」

 アイは飛んでくる暗黒弾を両手のマジカルテックサーベルで弾き続けました。


 アヤは近くの建物の非常階段を駆け上がりました。


「ン……?」上空からアイを攻撃していたビーストが建物を登るアヤに気付きました。

「フン!」ビーストがアヤに向けて拳銃を撃ちました。


 アヤの近くに暗黒弾が直撃しました。

「くっ……!」アヤは次から次へと暗黒弾が飛んでくる中その階段を駆け上がりました。


「ん……?」暗黒弾が飛んでこなくなり、アイが怪訝そうに辺りを見回しました。

 アイはビーストの攻撃を避けながら建物を登るアヤを見つけました。

「アヤ……!」そう言ってアイはアヤのいる建物へと走り出しました。


「フッ……!」アヤは転がりながらその建物の屋上に辿り着きました。

 転がるアヤの後ろに次々と暗黒弾が直撃しました。

 アヤはマジカルテックモバイルを手にし、マジカルテッククロスボウを召喚しました。

 アヤはビーストの攻撃をかわしながらマジカルテッククロスボウにマジカルテックモバイルを接続しました。

 アヤはマジカルテックモバイルが接続されたマジカルテッククロスボウの弦を引いて、耳を澄ませました。


「フン……!」ビーストが空中で再び拳銃を撃ちました。


 アヤはビーストの羽ばたく音からビーストの位置を割り出しました。

 アヤは飛んできた暗黒弾をかわすと、マジカルテッククロスボウを撃ってビーストに反撃を行いました。


「ウアッ……!」ビーストはアヤの放った魔法の矢を受けました。

「ウッ……!ウアッ……!」ビーストは空中でもがき苦しました。「ウアアアアアッ……!」

「ウアアアアアアアッ……!」そしてビーストはそのまま空中で爆発しました。


 アヤは空中で起こった爆発を黙って見つめていました。

 そこへアイが駆けつけました。

「やったじゃない。」アイが言いました。

「ま、ざっとこんなもんだね。」アヤが言いました。

「言っとくけど、私が囮になったからよ。」アイが言いました。

「途中でタゲがこっちに向いたじゃん。」アヤが言いました。

「アイツも私を倒すことは不可能だって考えたのね!」アイが言いました。

「あなたがシザーウーマンじゃないから倒す必要が無いと考えたんだよ。」アヤが言いました。

「もうそのネタ良いから……。」アイが言いました。

「最後に二人でシザーやろうよ!」アヤが手を出しながら言いました。

「えっ……?何……?ハサミやりたいワケ……?」アイがマジカルテックサーベルの一本をアヤに渡しました。「しょうがない……。」

「ヘイ、シザー!」そう言って二人がお互いの持つマジカルテックサーベルを交差させました。

「フフッ、何ネタ……?」アイが笑いながら言いました。

「私達ネタ!」アヤが言いました。

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