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イトシキイロドリ  作者: 暗黒黙示録
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イトシキイロドリ Part7 ~美少女メカニック~

登場人物

アイ:かつて魔法少女として闇の皇帝-ダーク・ロードから世界を救った英雄。現在は隠された特別な機関“魔法庁”の長官となっている。

セカイ:アイのパートナーである妖精であり本名は“オズワルド”。本来はウサギのような容姿を持っているが、魔法で人間の姿をして魔法庁のエージェントとして働いている。

アヤ:魔法庁のアルバイト。かつて若年無業者として自堕落な生活を送っており、その生活を改めようと動き始めたところをセカイによって見い出された。


リンゴ:魔法庁が育成した魔法少女の一人。知性派で魔法のアイテムの研究も行っている。


ダクマ:真の名は“闇の悪魔-ダーク・デビル”。闇の皇帝-ダーク・ロードの遺した闇の力から生まれた怪人。世界を滅ぼすべく暗躍する。

ミストレス:闇の寵姫。ダクマを崇めている。

 その日、アイとアヤは庁舎の一室で話していました。

「カラオケは結構ノれたわよね?」アイが言いました。「また今度いかない?」

「確かに楽しかったけど、休み被らないし、まあ機会を窺いながら……?」アヤが言いました。

「ホントに歌とか全然知らないの?」アイが言いました。

「『めざせポケモンマスター』なら歌えるかも……。」アヤが言いました。「ドゥルルルルルルルルーッドゥールゥールゥールゥールゥールゥールゥールゥーッドゥルルルルルルルルーッドゥールゥールルッルッ!」

「歌詞じゃないところ好きよね。」アイが言いました。

「個人的に歌詞が無い音楽の方が好きかも。」アヤが言いました。「まあ、音楽自体あんま聞かないけど……。『TRUTH』とかなんか好き!」

「レースのテーマ?」アイが言いました。

「そう、レースのテーマ!」アヤが言いました。

「アレ結構良いわよね。」アイが言いました。

「ドゥルルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルルルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥドゥーンッドゥドゥンッドゥドゥンッドゥドゥンッ!」アヤが歌い出しました。

「微妙に違う気もするけど、そんなんだったかしら?」アイが言いました。

「色々バージョンがあるから私も分かんない。」アヤが言いました。

 そこへセカイがやって来ました。

「なんかF1の音楽が聞こえて来たけど、レースでもやってるのか?」セカイが言いました。

「アヤは歌詞の無い音楽が好きみたいよ!」アイが言いました。

「ああ、そういう話か。」セカイが言いました。

「歌詞の無い音楽と言えば、BGMだよね!個人的に『Flight of the Zinger』が好きなんだけど!」アヤが言いました。

「テレビもねえっ、ラジオもねえっ、ここは砂漠のど真ん中!」アイが言いました。

「それは『フライト・オブ・フェニックス』だ。」セカイが言いました。「『Flight of the Zinger』って言ったらSDK2のBGMだな。」

「そう!スーパードンキーコング2!」アヤが言いました。「幼い頃プレイしたのよね!」

「私もプレイしたわ!」アイが言いました。「ジンガーってあのジンガーね!ジャンプで倒せないのが地味にトラウマだわ。」

「でもSDK2のBGMって言ったら『Stickerbrush Symphony』や『Kannon's Klaim』じゃないのか?」

「私はアレが好きだったんだよ!」アヤが言いました。「なんか情熱的な感じするじゃん。」

「じょうーねつてーきーなーっ、ことばーはいらーなーいーっ!」アイが歌い出しました。

「まさにそんな感じ!」アヤが言いました。「ドゥンドゥンドゥンドゥドゥドゥドゥッドゥンドゥンドゥンドゥドゥドゥドゥッドゥンドゥンドゥンドゥドゥドゥドゥッドゥンドゥンドゥンドゥドゥドゥドゥッ!」

「ウーウーウーウーッ!」セカイがアヤに合わせて口ずさみました。

「トゥトゥトゥトゥーンットゥトゥトゥトゥーントゥトゥトゥーンットゥントゥーンッ、トゥトゥトゥーンットゥトゥトゥトゥーントゥトゥトゥーントゥントゥーンッ!」アヤが手ぶりを交えながら歌い続けました。「トゥーントゥトゥーンットゥートゥトゥトゥートゥトゥートゥトゥーンットゥートゥトゥトゥートゥトゥントゥーンットゥートゥトゥトゥートゥトゥントゥーンットゥートゥトゥトゥートゥッ!」

「ヤバい、さすがにもうついてけない……。」アイが言いました。

「ゲームBGMと言えば、ロックマンXシリーズの廉価版みたいなのが発売されたからプレイしてみれば?」セカイが言いました。「名前が音楽から来てるだけあって、BGMは割と良い感じじゃない?」

「BGMはね……。」アイが言いました。

「アレ好き!5の最後面のヤツ!」アヤが言いました。

「ああ、あのノリノリな感じのヤツね!」アイが言いました。

「そう!」そう言ってアヤがまた歌い出そうとしました。

「歌わなくて良いわよ。」アイが言いました。

「うん……。」アヤが言いました。

「それはともかく、君達に紹介したい人物がいるんだけど……。」セカイが言いました。

「えっ……?」アイが言いました。

「イケメン?」アヤが言いました。

 セカイが部屋のドアを開けると一人の少女が入ってきました。

「彼女はリンゴ、魔法少女だ。」セカイが言いました。

「魔法少女……。」アイが言いました。

「初めまして、リンゴです。」リンゴが言いました。「お会い出来て光栄です。」

「こちらこそ光栄です。」アイが言いました。

「彼女はメカニックを担当していて、様々なツール開発に努めているんだ。」セカイが言いました。

「と言うことは……。」アイがマジカルテックモバイルを手にしながら言いました。

「そう。」セカイが言いました。「マジカルテックモバイルの製作にも携わっている。」

「とは言っても、マジカルテックモバイルは実質的にツバキさん一人で開発したようなものですが……。」リンゴが言いました。

「謙遜してるな。」セカイが言いました。

「それで、今回はどのようなご用件で……?」アイが言いました。

「彼女にマジカルテックモバイルの試作機を届けに来て貰ったんだ。」セカイが言いました。「そのついでに、君達にも会わせてあげられたらなって思ってね。」

「なるほど……。」アイが言いました。

「こちらが調整を行うように言われていたマジカルテックモバイルの試作機です。」リンゴがマジカルテックモバイルを手に言いました。

「はい……。」アイが言いました。

「これを君に渡しておこう。」セカイがリンゴの持つマジカルテックモバイルをアヤに渡しました。

「どうも……。」アヤが言いました。

「さて……。」セカイが言いました。「用事も済んだことだ……リンゴは今日一日この町を見て回ったらどうかな?」

「はい……?」リンゴが言いました。

「せっかくこの町に来たんだ、色々と見て回るのも悪くないだろう。」セカイが言いました。

「分かりました。」リンゴが言いました。「それでは失礼します。」

 リンゴが部屋を出ました。

「ヤバい……!」アイが言いました。「なんか超ヤバかったんだけど……!」

「超強そうだったよね……!」アヤが言いました。

「うん!」アイが言いました。

「おいおい、二人共ビビり過ぎじゃないか?」セカイが言いました。「可愛らしい女の子だったろう?」

「見た目の問題じゃ無いのよね。」アイが言いました。「雰囲気よ。」

「そう、雰囲気!」アヤが言いました。「それとも、あの若さ?」

「もう私達も歳だし、若い子が怖いわ。」アイが言いました。

「君達二人共人見知りは直した方が良くないか?」セカイが言いました。

「だって私は肩書だけの役職で人と接する機会があまり無かったし……。」アイが言いました。

「私だって……。」アヤが言いました。

「でもアヤ、最初に私に会った時微妙に噛みついてきたわよね?」アイが言いました。

「それはだって、社畜として良いようにコキ使われたらマズいと思ってし、強気の姿勢を見せないといけない気がしてたから……。」アヤが言いました。「でもまあぶっちゃけ、アイの顔見てコイツだったらいけんじゃね的な気がしたんだよね。」

「ヤバ……!」アイが言いました。

「アイにはいけたのに、半分の歳の子供にはいけなかったワケか……。」セカイが言いました。

「やっぱ若い子にはついていけないわ。」アヤが言いました。

「普通に強そうだったしね。」アイが言いました。

「彼女は真面目だが、魔法少女達の中でそこまで実力がある方じゃない。精々中の上程度だ。」セカイが言いました。「ましてや君達とじゃ比べるまでもない。」

「でも、あの雰囲気……。」アイが言いました。

「うん、ヤバい……。」アヤが言いました。

「でも名前はリンゴだぞ?」セカイが言いました。「強そうに聞こえるか?」

「ぷよぷよの主人公じゃん!」アイが言いました。「超強そうでしょ!?」

「主人公補正掛かっちゃう!」アヤが言いました。

「カンペキですとか言いそう……!」アイが言いました。

「あの微妙なウザさ加減ヤバいよね!」アヤが言いました。

「と言うか誰かに言ってやりたくなる!」アイが言いました。

「分かる!」アヤが言いました。「カンペキです!」

「さて、話が盛り上がってきたところでそろそろ彼女が持ってきてくれたアイテムについて話をさせて貰えるかな?」セカイが言いました。

「カンペキです!」アイとアヤが言いました。

「ああそう……。」セカイが言いました。

「と言うか、アイの持ってるスマホの試作機なんでしょ?」アヤが言いました。

「そもそも私のも試作機なんじゃないの?」アイが言いました。

「まあ、要するに彼女に持ってきて貰ったのはマジカルテックモバイルのかなり初期段階の試作機ってワケだ。」セカイが言いました。「アイのは試作機の中でも新しい部類なワケ。」

「なるほど……。」アイが言いました。

「なんかこっちの方がプレミアがつきそう!」アヤが言いました。

「原則的にアイテムの試作品はキチんと回収して廃棄することになってるから、手に入れるのは物凄く大変なんだぞ。」セカイが言いました。「そして市場には流せない。」

「それで、この超試作機にはどんな機能があるワケ?」アヤが言いました。

「なんかあまりの危険度の高さに正式版での実装が見送られた超機能とかついてそう……!」アイが言いました。

「実際のところ正式版でオミットされた機能は多いが、君達が言うような機能は無い。」セカイが言いました。

「なんだ……。」アイが言いました。

「むしろその超初期型の試作機には変身機能が備わってないくらいなんだ。」セカイが言いました。

「コレってそもそも変身アイテムなんじゃないの?」アヤが言いました。「それなのに変身機能がついて無いワケ?」

「いやー、そこら辺の長々とした説明をリンゴにして貰いたかったんだけど、結局俺がすることになっちゃうワケか……。」セカイが言いました。

「だって私達人見知りなんだもん……。」アイが言いました。

「あの子の前だとブルっちゃってどうしようも無くなっちゃう。」アヤが言いました。

「マジカルテックモバイルはそもそも変身アイテムとして開発が進められていたワケじゃ無いんだ。」セカイが言いました。「ただのサポートツールというのが本来の構想だったんだけど、開発が進められていく内に変身機能を持たせられることが分かって、それで変身アイテムとして開発されることになったんだ。」

「なるほど。」アイが言いました。

「要するに、アヤに渡したのがサポートツールとして作られたマジカルテックモバイルで、アイに渡したのがそれに変身機能を付け足してみたヤツ、正式版はそこからより洗練された機能を持たせたヤツってことさ。」セカイが言いました。

「まあとにかく、これを使えばバトルを有利に進められるかもってコトね。」アヤが言いました。

「そういうこと。」セカイが言いました。


 とある通りにビーストがいました。そこへリンゴが通り掛かりました。

「コレは……!?」リンゴが言いました。

「フン……!」ビーストがリンゴを睨みつけました。

「やはりこの町の危険度は非常に高いみたいですね。」そう言ってリンゴが魔法の腕輪“サブマジカルチェンジャー”を構えました。「変身!」

 リンゴとビーストが戦い始めました。

 リンゴがビーストに連続でパンチを繰り出しましたが、ビーストはリンゴの攻撃に怯まずにリンゴに殴り返しました。

「うあっ……!」リンゴが怯みながら後退しました。

 リンゴとビーストはそのまま殴り合いを続けましたが、リンゴの攻撃にビーストは怯むことなく、ビーストはリンゴを殴り続けました。

「ハアッ!」ビーストが勢いよくパンチを繰り出しました。

「うああああっ……!」リンゴはビーストの攻撃を受けてふっ飛ばされ、そのまま変身を解除しました。

「フン……。」ビーストが倒れたリンゴを見つめました。

 そこへアイとアヤとセカイが通り掛かりました。

「リンゴ……!」セカイが言いました。

「大丈夫……!?」アイがリンゴに駆け寄りました。

「すみません……!」そう言ってリンゴは意識を失いました。

「くっ……!変身!」アヤがビーストの前に立ち、変身しました。

 ビーストがアヤに殴り掛かりました。アヤは向かって来たビーストを蹴って怯ませると、連続でパンチを当てました。

「ウウッ……!」ビーストがアヤの攻撃を受けて怯みながら後退しました。

 アヤがマジカルテックモバイルを手にし、マグナム召喚アプリを起動して魔法の拳銃“マジカルテックマグナム”を召喚し、それを構えました。

「ハアッ!」アヤがマジカルテックマグナムを撃ちました。

「ウアアッ……!」アヤの放った魔法弾を受けてビーストが転倒しました。

「セカイ、この子をお願い。」アイが言いました。

「分かった。」セカイがアヤを担いでその場を離れていきました。

 アイがアヤの隣に並びました。

「変身!」アイが変身しました。

「ウウッ……!」ビーストがよろめきながら立ち上がりました。

「後は任せて。」アイが言いました。

「良いわよ。」アヤがマジカルテックマグナムを下ろしながら言いました。

 アイがフェイタルアーツを発動しました。それと同時にアイの右手に魔力が込められました。

 ビーストがアイに向かって走り出しました。

「マジカルアッパー!」アイが向かって来たビーストにアッパーカットを放ちました。

「ウアアアアアアアッ……!」アイの攻撃を受けてビーストは爆発しました。

「やるじゃん。」アヤが言いました。

「まあね。」アイが言いました。

 そこへミストレスが姿を現しました。

「ご機嫌用よう、あなた達。」ミストレスが言いました。

「あなたは……!」アイが言いました。

「ダクマの手下ね!」アヤが言いました。

「失礼な呼び方しないで下さる?」ミストレスが言いました。「ダクマじゃなくて、闇の悪魔-ダーク・デビルよ!略すならせめてもうちょっと威厳のある呼び方にして下さらないと……。」

「例えばどんな?」アヤが言いました。

「例えば……ダグマ……?」ミストレスが言いました。

「それで良いワケ……?」アイが言いました。

「音が濁ってちょっとは強そうに聞こえるでしょう?」ミストレスが言いました。

「そっちが良いって言うならこっちも別にそれで良いけど……。」アヤが言いました。

「とにかく、あなた達は性懲りも無くダグマ様に盾突くつもりのようね。」ミストレスが言いました。

「ええ、そのつもりよ!」アイが言いました。「ダグマなんか恐るるに足りないわ!」

「そんな口を利いていられるのも今の内だわ!」ミストレスが言いました。「あなた達はダグマ様の偉大なる力の前にひれ伏すことになる!」

「そんなこと無い!」アヤが言いました。

「いいえ、あるの。」ミストレスが言いました。「ダグマ様には一度だけ敵の力を奪い取る能力がある。そしてその奪い取った力で新たなしもべを作り出すことが出来るの。」

「新たなしもべ……?」アヤが言いました。

「まさか、この間奪ったアヤの力で……!?」アイが言いました。

「そう!」ミストレスが言いました。「あなたから奪った力によって生み出された闇の戦士はあなたと同じ力を持つのみならず、あなたの心の闇をも受け継ぐわ!人間の持つ心の闇が世界を滅ぼすのよ!」

「そんな……!」アイが言いました。

 そしてその瞬間、アイとアヤの前にアヤの魔力によって生み出された闇の戦士が姿を現しました。

 その闇の戦士は黙ったままアイとアヤを見つめていました。

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