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イトシキイロドリ  作者: 暗黒黙示録
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イトシキイロドリ Part6 ~ドゥードゥードゥーッ~

登場人物

アイ:かつて魔法少女として闇の皇帝-ダーク・ロードから世界を救った英雄。現在は隠された特別な機関“魔法庁”の長官となっている。

セカイ:アイのパートナーである妖精であり本名は“オズワルド”。本来はウサギのような容姿を持っているが、魔法で人間の姿をして魔法庁のエージェントとして働いている。

アヤ:魔法庁のアルバイト。かつて若年無業者として自堕落な生活を送っており、その生活を改めようと動き始めたところをセカイによって見い出された。


ダクマ:真の名は“闇の悪魔-ダーク・デビル”。闇の皇帝-ダーク・ロードの遺した闇の力から生まれた怪人。世界を滅ぼすべく暗躍する。

ミストレス:闇の寵姫。闇の悪魔-ダーク・デビルを崇めている。

 その日、アイとアヤは庁舎の一室で過ごしていました。

 そこへセカイがやって来ました。

「やあお二人さん。」セカイが言いました。「なんかちょっと元気が無いようだけど……?」

「なんか負けちゃったし……。」アイが言いました。

「やっぱ微妙に負けた感じするよね。」アヤが言いました。

「それで、落ち込んでるワケか?」セカイが言いました。

「いや……。」アイが言いました。「青春じゃないし……。」

「まあ、アレだね。」アヤが言いました。「社交辞令的な……?」

「そう。」アイが言いました。「立ち直りイベントがあるまで盛り下がっといた方が良いかなって思って……。」

「なんかそういうイベントって用意されてる……?」アヤが言いました。

「えーっとだな……。」セカイが考えながら言いました。「今のところ特に無いけど、なんか考えとくよ。それまでは社交辞令を楽しんでて。」

「うわマジか……。」アヤが言いました。

「うん……。」


 世界が部屋を去って、アイとアヤは再び二人で過ごすことになりました。

「こういう時ってアレじゃない?」アヤが言いました。「修行イベントとか入るんじゃない?」

「だから私達そんな青春じゃないし……。」アイが言いました。「それにそんなことしなくても次は勝てるよ。」

「まあ、勝つけど……。」アヤが言いました。

「ちなみに、修行イベントって何?」アイが言いました。「どんな感じの考えてた?」

「えっ……?」アヤが言いました。「それは……。」

「滝に打たれる感じのヤツ?」アイが言いました。

「裸で?」アヤが言いました。

「それ何の修行よ。」アイが言いました。

「水着って説も考えたけど、そっちの方がエロい気がして……。」アヤが言いました。

「水着で修行なんかしないでしょ……!」アイが言いました。

「やるかもよ?」アヤが言いました。「ホラ、スク水とか……?」

「何でスク水?」アイが言いました。

「属性を極めるんだよ!」アヤが言いました。

「どうせ穿くならアレ穿いてみたい!」アイが言いました。「ブーメランパンツ!」

「それメンズじゃん!」アヤが言いました。

「でもなんか魅力的じゃん!」アイが言いました。

「どうせあなたが穿いたところでもっこりもしないし、無意味でしょ。」アヤが言いました。

「いや、でも……。」アイは何か言おうと考えましたが、何も思い浮かびませんでした。

「でもまあ、冷静に考えて滝に打たれるんだったらやっぱふんどし?」アヤが言いました。

「ちょっと前に微妙に流行ってたわよね。」アイが言いました。

「個人的にふんどしって言ったら前がヒラヒラしてる感じのヤツなイメージなんだけど……。」アヤが言いました。

「分かる分かる!」アイが言いました。「あのヒラヒラふんどしつけてると強キャラっぽい感じがするわよね!」

「と言うか、あのヒラヒラを持ち上げてイタズラしたくない?」アヤが言いました。

「変態……!」アイが笑いながら言いました。「言っとくけど、ふんどし修行なんてゼッタイやらないからね!」

「えー、せっかく滝に行く流れになってたのに……。」アヤが言いました。

「滝に打たれるのに普通ふんどしはしないって……!」アイが言いました。

「じゃあ、やっぱり裸……?」アヤが言いました。「それとも絆創膏とか……?」

「違う!」アイが言いました。

「だったらどんなのが普通?」アヤが言いました。

「えっと、アレよ……。巫女服よ。」アイが言いました。

「巫女服……!」アヤが笑いながら言いました。「あなた私よりも変態じゃない?」

「何で……!?」アイが言いました。

「だって巫女服とか……!」アヤはそこまで言ってまた笑いました。

「いや……だって……修行してるじゃない……巫女も……。」アイが言いました。

「確かにそうかも知れないけど、このシチュエーションで巫女属性ってのは明らかに変態だよ。」アヤが言いました。

「そこまで言うならやってみる?」アイが言いました。「私が巫女服で滝に打たれるから、あなたはスク水で打たれなさいよ。スク水じゃなきゃ絆創膏でも良いわよ?」

「やんないよ。」アヤが言いました。「そもそもこの町に滝無いし。」

「そうね。」アイが言いました。

「でも、巫女服でやるんだったら全裸でやった方がマシかな。」アヤが言いました。

「えっ、そこまで……!?」アイが言いました。「何でそんな巫女服イヤなの……?」

「いや、だって、私のイメージしてる修行の感じとはなんか違うし……。」アヤが言いました。

「まあ、確かに……。」アイが言いました。「それに冷静に考えて袴を穿いてたら私の太ももの魅力が引き立たなくなる気がするしね。」

「その発想は無かった!」アヤが言いました。

 そこへセカイがやって来ました。

「やあ君達。」セカイが言いました。「君達の言ってた立ち直りイベントになりそうなことを考えてみたよ!」

「えっ、何それ?どんなこと?」アイが言いました。

「おっと、またドレスコードについて考えなければならない感じ?」アヤが言いました。

「服装は自由で良い。半日休暇だ!」セカイが言いました。

「半日休暇……?」アイとアヤが同時に言いました。

「そう、半日休暇!」セカイが言いました。「今から夜まで二人で好きに過ごして良い!」

「いつも暇だしね。」アヤが言いました。

「どうせなら毎日それでも良いんじゃないの?」アイが言いました。

「そりゃダメだ。」セカイが言いました。「こういう日の特別感が無くなる。」

「なんかテキトー……。」アヤが言いました。

「とにかく、外に出て二人で楽しんで来いよ?」セカイが言いました。「夜になったらまたビジネスだ!」

「夜に仕事があると休みな感じしない!」アイが言いました。

「でもさすがに夜の仕事までキャンセルしたらマズいだろう?」セカイが言いました。

「“夜の仕事”って表現はやめて。」アイが言いました。

「別に……いやらしい言い方はしてないだろう?」セカイが言いました。

「アブないシゴトね!」アヤが笑いながら言いました。

「まあ、何でも良いわ。」アイが言いました。「とにかく行くわよ。」


 アイとアヤは通りに出ました。

「で、どこ行くの?」アヤが言いました。

「どこか行きたいとこある?」アイが言いました。

「ショッピングとかしちゃう?」アヤが言いました。

「もうそんな歳じゃない!」アイが笑いながら言いました。

「言えてる。」アヤが言いました。「尤も、ショッピング好きじゃないのは歳のせいじゃ無いけど……。」

「で、ホントはどこ行きたい?」アイが言いました。

「ファミレス……?」アヤが言いました。「ドリンクバーのあるとこで夜まで粘るの。」

「悪くないけど、コーヒー飲み放題なら職場と同じよ?」アイが言いました。

「確かに……。わざわざお金出してまでコーヒー飲みたくも無いか。」アヤが言いました。

「他にプランは?」アイが言いました。

「いや……特には……。」アヤが言いました。「なんかある?」

「いや……ここら辺で出来ることと言えば……。」アイが言いました。「カラオケくらいじゃない?」

「カラオケ……?」アヤが言いました。「私歌えるの無いんだけど……。」

「なのは歌えば良いじゃん!」アイが言いました。「見たんでしょ?」

「それ今年の始めの頃だし……。」アヤが言いました。「もうあんまり覚えてない……。」

「マジで……?」アイが言いました。

「てか、最初のヤツとか全く覚えてないかも……!」アヤが言いました。「あの、ビルの窓に顔が出てくるヤツ!」

「ああ、そんなのあったわね。」アイが言いました。

「あのちょっと切ない感じのノリもまあ悪くない感じがするけど、やっぱ一番好きなのはアレだよ。ドゥードゥードゥーッ!」アヤが言いました。

「何それ?」アイが言いました。

「三作目の後期のサビ前のヤツ。」アヤが言いました。

「覚えてないんだけど……!」アイが言いました。

「アレだよ……!ウーウーウウー、ウーウーウウー、ウーウーウウー、ドゥンッドゥドゥドゥンドゥンドゥンッ!」アヤが言いました。

「いや、微妙に謎なんだけど……!」アイが笑いながら言いました。「タイトルは何……?」

「知らない。」アヤが言いました。

「歌詞は……?」アイが言いました。

「忘れた。」アヤが言いました。「いや、あそこの部分は覚えてる!じょうーねつてーきーなーっ、ことばーはいらーなーいーっ!」

「ヤバ、分かんない。」アイが言いました。

「ちょ、何でよ?ここまでやったのに……!」アヤが言いました。

「じゃ、カラオケ行ってどんな曲か確かめてみる?」アイが言いました。

「良いよ。その曲を極めよう。」アヤが言いました。「ドゥードゥードゥーッだから。」


 アイとアヤは街中のカラオケボックスで『MASSIVE WONDERS』を歌い続けていました。

「いいわーけでーっ、かざらーれた……。」アイがBメロの途中まで歌いました。

「ドゥドゥンドゥンドゥーンドゥンドゥンドゥンドゥドゥンドゥンドゥーンドゥンドゥンドゥン!」アイとアヤはここで適当に伴奏をハミングし始めました。「ドゥンッドゥルルンッドゥルルルルルドゥードゥードゥーッ!」

「ヤバい神でしょ!」アヤが言いました。

「神ね!」アイも歌うのを完全に中断して言いました。

 アイとアヤはしばらく笑い続けていました。

「じょうーねつてーきーなーっ!」アヤがサビの終盤になって歌い始めました。「ことばーはなくーてーもーっ!」

 ここで内線が鳴りました。

「あっ、ちょっ、歌ってたのに……!」アヤが言いました。

「時間ね。」そう言ってアイは受話器を取って店の人に時間通り退室する旨を伝えました。

「それなりに盛り上がったわね。」受話器を置いてアイが言いました。

「コレしか歌わなかったケドね。」アヤが言いました。「出てく前にもう一回だけドゥードゥードゥーッやるでしょ?」

「どうせならこの曲の終わりまでやらない?」アイが言いました。

「よし!」アヤが言いました。

「ドゥードゥードゥーッ」アイとアヤが言いました。


 とある通りにビーストがいました。そこへカラオケボックスを後にしたアイとアヤがやって来ました。

「獲物発見!」アイが言いました。

「じゃあ、今回は任せた!」アヤが言いました。

「良いわ!」そう言ってアイがマジカルテックモバイルを構えました。

「あっ……!」アイが思い出したように言いました。

「どうしたの?」アヤが言いました。

「どうせなら音楽変えたいけど、あの音楽入ってない……!」アイが言いました。

「ドゥードゥードゥーッ?」アヤが言いました。

「そう!」アイが言いました。「これじゃあ変身出来ないじゃん!」

「こうなったらセルフBGMしかないっしょ!」アヤが言いました。

「でも、これ音消す設定出来ないし……。」アイが言いました。「でもマジカルチェンジャー使えば行けるか!」

「一緒に使えんの?」アヤが言いました。

「分かんないけど、変身はマジカルチェンジャーでやって、アイテム召喚はこっち使えば行けるんじゃない?」アイが言いました。

「じゃあ行けんじゃん!」アヤが言いました。

「トゥルルルルルルルトゥルルルルルルルトゥルルルルルルルトゥルルルルルルル。」アイが『MASSIVE WONDERS』のイントロ部分の音楽を口ずさみ始めました。

「ウーウーウー、ウーウーウーウー。」アヤも同時に口ずさみました。

 ビーストはアイとアヤの様子を黙って見ていました。

「変身!」アイは変身しました。

「ドゥードゥードゥーッ!」アイとアヤが言いました。

「ヤバ、さすがにもう飽きた!」アヤが言いました。

「やりきったわね。」アイが言いました。

「一応言っとくけど、バトルはここからだよ?」アヤが言いました。

「もう面倒だから一撃で終わらせる。」そう言ってアイはフェイタルアーツを発動しました。

「おっ……!」アヤが驚いた表情を見せました。

「私の隠された能力、それは一度見た技をコピーする能力。ダクマに受けたあの技をここでお返しするわ!」そう言ってアイはジャンプしました。

「マジカルダクマビーム!」アイは空中から魔法線を放ってビーストを攻撃しました。

「ウアアアアアアアッ……!」ビーストはアイの攻撃を受けて爆発しました。

 アイが着地しました。

「スゴいじゃん!」アヤが言いました。「技パクれんの?」

「ええ!」アイが言いました。「あなたのアッパーも使えるわよ!」

「スゴ……!」アヤが言いました。

「ま、こんな感じで行けばまたダクマが出てきても楽勝ね!」アイが言いました。

「てか普通に負けないじゃん!」アヤが言いました。

「うん!」アイが言いました。


 一人の魔法少女が別の通りにやって来ました。

「ここが……安古区……。」その魔法少女が呟きました。

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