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イトシキイロドリ  作者: 暗黒黙示録
16/17

イトシキイロドリ 番外編4 ~クリスマス回~

登場人物

アイ:かつて魔法少女として闇の皇帝-ダーク・ロードから世界を救った英雄。現在は隠された特別な機関“魔法庁”の長官となっている。

セカイ:アイのパートナーである妖精であり本名は“オズワルド”。本来はウサギのような容姿を持っているが、魔法で人間の姿をして魔法庁のエージェントとして働いている。

アヤ:魔法庁のアルバイト。かつて若年無業者として自堕落な生活を送っており、その生活を改めようと動き始めたところをセカイによって見い出された。


ダグマ:真の名は“闇の悪魔-ダーク・デビル”。闇の皇帝-ダーク・ロードの遺した闇の力から生まれた怪人。世界を滅ぼすべく暗躍する。

ミストレス:闇の寵姫。ダグマを崇めている。

 その日、アイとアヤとセカイは庁舎の一室で話をしていました。

「もうすぐクリスマスだね!」アヤが言いました。

「まあ、そうね。」アイが言いました。

「なんかパーティする?」アヤが言いました。

「しても良いけど……二人で……?」アイが言いました。

「あれ?セカイは……?」アヤが言いました。「ハロウィンの時は参加してくれたじゃん。」

「俺はちょっとムリなんだな、この時期忙しいから。」セカイが言いました。

「何かあるの?」アヤが言いました。

「何かあるのって、そりゃ無いだろ?俺はこう見えてもこの組織を取り仕切ってるんだぜ?」セカイが言いました。

「とは言っても、私は政府機関についてそこまで詳しくないし……。」アヤが言いました。

「年末の会議を今年はヨーロッパでやることになったんだ。それに俺も出なきゃなんなくて……。」セカイが言いました。

「は……?ヨーロッパ……?」アヤが言いました。「何でそんな場所で……?」

「そりゃ、政府の会議だからだろ……?」セカイが言いました。

「でもここって予算が無いんじゃ……?」アヤが言いました。

「予算が無くても海外渡航はやんなきゃダメなんだよ。」セカイが言いました。

「まあとにかく、そういうものなのよ。」アイが言いました。

「その為に各エリアで指揮を執っている幹部達を全員呼び戻したりと結構大変なんだ。」セカイが言いました。

「ふーん……。」アヤが言いました。

「おっと、こうしてる間にももう時間だ。行かなくちゃ……!」そう言ってセカイが部屋を出て行きました。

「色々大変なんだね。」アヤが言いました。

「そうらしいわね。」アイが言いました。

「アイはそういうの無いの?年末の仕事的な……?」アヤが言いました。

「別に……。」アイが言いました。

「長官なのに……?」アヤが言いました。

「無いわよ。」アイが言いました。

「仕事無いの?」アヤが言いました。

「普段の仕事があるわ。」アイが言いました。

「それって現場での肉体労働?」アヤが言いました。

「花形よ。」アイが言いました。

「私、バイトでそれやらされてたけど……?」アヤが言いました。

「何でも良いじゃない!とにかく、クリスマスは暇よ!」アイが言いました。

「なんか寂しいね。」アヤが言いました。

「あなただって暇でしょ?」アイが言いました。

「そりゃあ、私は重役じゃ無いんだし、クリスマスくらいは休ませて貰わないと……。」アヤが言いました。

「一応言っとくけど、あなたにも私と同じ仕事があるんだからね?」アイが言いました。

「分かってるって……。」アヤが言いました。「でも、悪党の皆さんもさすがにクリスマスは休むんじゃない?」

「そうだとしても、ちゃんと職場には顔を出さなくちゃ。」アイが言いました。

「せっかくのクリスマスなのに、ショボい仕事を押し付けられるなんて……。」アヤが言いました。

「どうせ予定無いんでしょ?」アイが言いました。

「パーティ開こうとしてたよ?」アヤが言いました。

「クリスマスにあなたと二人きりのパーティなんて、願い下げよ。」アイが言いました。

「どうせやるならイケメンと二人きりが良いって……?」アヤが笑いながら言いました。「盛ってるね!」

「やめてよ!」アイが言いました。

「まあ良いや。こうなったらクリスマスの仕事を頑張ろう!」アヤが言いました。

「ええ。」アイが言いました。


 十二月二十四日を迎えました。

 アイとアヤは庁舎の一室で話をしていました。

「メリー・クリスマス!」アヤが言いました。

「テンション高いわね。まだ朝よ?」アイが言いました。

「夜には忘れちゃいそうだし、とりあえず覚えてる内に言っとかないと……。」アヤが言いました。「メェリィーッ・クリィスマァーッス!」

 アイが思わず噴き出しました。

「ちょっと何笑ってんの?ドラマのNGシーンみたいじゃん!」アヤが言いました。

「あなたが変なアドリブ入れるからでしょ?」アイが言いました。

「キャラクターの心情を分析してちゃんと役に成り切ってるんだよ。」アヤが言いました。

「あっそう。」アイが言いました。

「とにかく話を戻そう。」アヤが言いました。

「戻す……?何の話だっけ……?」アイが言いました。

「クリスマスだよ!」アヤが言いました。

「ああ、クリスマスだったわね。」アイが言いました。

「クリスマスの仕事って何か無いかな?」アヤが言いました。

「前にも言った通り、いつも通りの仕事よ。」アイが言いました。

「でも、なんか特別な仕事とかやるべきじゃない?」アヤが言いました。「クリスマスなんだからさ。」

「さっきのボケで十分よ。」アイが言いました。

「メェリィーッ・クリィスマァーッス!」アヤが言いました。

「クリスマスの仕事と言えば……。」アイがアヤの発言をスルーして言いました。「サンタさんのお手伝いをするとかありがちじゃない、ドラマとかで?」

「それってドラマじゃなくてカートゥーン的なヤツでしょ?」アヤが言いました。「それか人形劇?」

「と言うかフィクション全般でありがちよね。」アイが言いました。

「何故かサンタがプレゼントを配り切れないとか言い出してレギュラー陣が配送を手伝うんだよね!」アヤが言いました。

「そうそう!」アイが言いました。

「あのサンタを無能に描くとか、サンタなめてるよね。」アヤが言いました。

「と言うか、これと言った特殊能力を持たない登場人物達がサンタ顔負けの配送を行うのよね。」アイが言いました。

「そうそう!ぶっちゃけサンタより一般人の方が有能に見えるパターンが多いよね!」アヤが言いました。

「まあ、魔法が使える私だったらサンタと互角に渡り合えるかも知れないけど……。」アイが言いました。

「いやいや、サンタなめてるでしょ?」アヤが言いました。

「えーっ、ダメ……?」アイが言いました。

「ダメ!」アヤが言いました。

「やっぱサンタさんは偉大か……。」アイが言いました。

「でももしサンタの手伝いするんだったらアレやりたい!世界中の悪い子達に石炭を送り付けるヤツ!」アヤが言いました。

「いかにもあなたが好きそうなことね。」アイが言いました。

「やっぱりアレかな?寝ている悪い子の前で罵りながら石炭を置いていくのかな?」アヤが言いました。

「いや、罵ったりはしないでしょ?」アイが言いました。

「アヤサンタはやるけどね!」アヤが言いました。「相手は寝てるから、反撃される心配も無いし!それに、石炭を置いてく時点で罪悪感とかもう無いし!」

「私がサンタさんなら、どんなに困ってもあなたにだけは頼まないわ。」アイが言いました。

「大丈夫!サンタ有能だからとんなトラブルでもソロで対処するよ!」アヤが言いました。「と言うか、他の誰かに手伝って貰ったらサンタの名に傷がつく!」

「まあそうね。」アイが言いました。


 そしてクリスマス・イヴを迎えました。

 アイとアヤは依然として庁舎の一室にいました。

「遂に来たね、この時が!」アヤが言いました。

「そうね。」アイが言いました。

「メェリィーッ・クリィスマァーッス!」アヤが言いました。

「そのネタ何度目よ?」アイが言いました。

「いや、まだ三度目だけど……?」アヤが言いました。

「一度で十分よ。」アイが言いました。

「うん……。」アヤが言いました。

「さて、いつもならそろそろパトロールに出る時間だけど……?」アイが言いました。

「いやあ、出たくないよね!」アヤが言いました。

「そうよね。」アイが言いました。「いつも通りの仕事をするだけだと思ってたけど……。」

「外がクリスマスムードだとなんか出辛いよね。」アヤが言いました。

「ちょっとアヤ、あなた男の子のフリしてよ!」アイが言いました。

「ええっ!?何で……!?」アヤが言いました。

「そうすれば、外に出ても恥ずかしくないじゃない!」アイが言いました。

「いや、でも……!すぐバレない?」アヤが言いました。

「最近の男の子は女の子っぽいのが多いし、平気でしょ?」アイが言いました。

「だとしてもイヤなんだけど……。」アヤが言いました。「むしろそっちが男になるべきでしょ?」

「えっ?何で……?」アイが言いました。

「ニセカップル計画はそっちのアイデアだから……。」アヤが言いました。

「バレたらやだ……。」アイが言いました。

「そしたら政府の仕事をしてるって言ってごまかせば良い!」アヤが言いました。

「ホントに政府の仕事をしてるし、それにそんなんじゃごまかせない!」アイが言いました。

「それじゃあ、そういうプレイってことにしてごまかす?」アヤが言いました。

「そう思われないようにごまかすんでしょ!?」アイが言いました。

「まあ、そうだけど……ここは相手の裏をかいて……。」アヤが言いました。

「とにかく、ニセカップルプランは却下よ!」アイが言いました。

「まあ、分かれば良いや。」アヤが言いました。

「こうなったら潔く非モテ女子が慰め合ってる構図で行くしか無いわね。」アイが言いました。

「それもそれで結構ムズいと思うけどね。」アヤが言いました。「みんな百合だと思うでしょ?」

「それならそれでもう何でも良いわ。」アイが言いました。

「それじゃあ、行く?」アヤが言いました。

「行きましょう。」アイが言いました。「まあ、さすがに何も起こらないとは思うけど……。」


 アイとアヤは街へと繰り出しました。そんなアイとアヤの目の前にミストレスが姿を現しました。

「ごきげんよう。」ミストレスが言いました。

「ミストレス……!」アイが言いました。

「メリー・クリスマス!」アヤが言いました。

「メリー・クリスマス。」ミストレスが言いました。

「あなたもぼっちなの?」アイが言いました。

「はい……?」ミストレスが言いました。

「いや、クリスマスなのに彼氏と一緒じゃ無いのかなって……。」アヤが言いました。

「何を言ってますの?」ミストレスが言いました。「私達にそんな習わしはありませんわ!」

「強がっちゃって……。」アヤが言いました。

「パワーパフガールズにそんな感じの敵いたわよね。」アイが言いました。

「モジョ・ジョジョ!」アヤが言いました。

「あなた達こそ喪女のクセに、よく言いますわね。」ミストレスが言いました。

「寝るまでに世界救うから大丈夫!」アヤが言いました。

「とにかく、クリスマスの習わしに従って、今夜は壮大なる悪の計画を実行させて頂きますわ。」ミストレスが言いました。

「クリスマスの習わし……?」アイが言いました。

「どういうこと……?」アヤが言いました。

「えっ……?」ミストレスが言いました。「人間達の文化ではクリスマスに壮大な悪の計画を実行することになっているのではありませんの?」

「いや……。」アイが言葉を濁しました。

「それアレでしょ?子供向けのヒーロー番組で、クリスマスにオモチャを買って貰う為のストーリー展開。」アヤが言いました。

「ソレよね。とりあえずアツい展開で盛り上げといて、子供達の物欲を刺激するヤツ……。」アイが言いました。

「でも実際のところ私達の使うアイテムってオモチャ化されてないし……。」アヤが言いました。「と言うか、現場で採用されなかった品をとりあえず使ってるだけだし……。」

「それに、クリスマスのプレゼントとして買って貰うなら、イブよりももっと前にやらないと間に合わないと思うんだけど……。」アイが言いました。

「そ……そんな……!」ミストレスが言いました。「この日に間に合わせる為に私一生懸命に計画を練ったのに……!」

「そんなに頑張ったの……?」アイが言いました。

「巨大怪獣とかやめてよ?私達合体ロボットとか持ってないし……。」アヤが言いました。

「知ってますわ。それにもしそんなものを用意出来るだけの力が私にあれば、とっくに用意してあなた方をペチャンコにしていますわ。」ミストレスが言いました。

「まあ、そうよね。」アイが言いました。

「とりあえず何でも良いから計画を実行に移すなら早くやってよ。」アヤが言いました。「いつまでも外にいるのは寒いんだよね。」

「まあ良いですわ。今こそ我が最強のしもべをここに召喚しますわ!」ミストレスが言いました。「出でよ、ダーク・スチーマー!」

「フン!」ダーク・スチーマーという機械のような姿の怪人が姿を現しました。

「ダーク・スチーマー……!?」アイが言いました。

 ダーク・スチーマーが闇の石炭を食べると、全身の機関が動き出し、蒸気が噴き出しました。

「ダーク・スチーマーはこの時期の悪のシンボルである石炭を力の源とし、全身から発せられる高熱により幸福のシンボルたる白い雪を溶かしてしまうのですわ!」ミストレスが言いました。「これでクリスマスはメチャクチャになりますわ!アーッハッハッ!」

「壮大なる悪の計画と聞いて少しは期待してたのに……これじゃあまるで非モテのプランじゃん!」アヤが言いました。

「ドラマというよりはカートゥーンね。」アイが言いました。

「何とでも言うが良いですわ!」ミストレスが言いました。「これで人々の幸福はズタズタになり、この世界は滅亡へと向かいますわ!」

 ミストレスはそのまま姿を消しました。

 ダーク・スチーマーの発する熱により、周囲の気温がどんどん上がり始めました。

「根本的に今日は雪が降ってないんだけど……。」アヤが呟きました。

「とにかくアイツを倒しましょう!」アイが言いました。

「変身!」アイとアヤが変身しました。

「一応武器の販促しておく?」アイが言いました。

「朝にも言ったでしょ、クリスマスプレゼントは石炭派だって?」アヤが言いました。

「そう……分かったわ。」アイが言いました。

「行くよ!」アヤが言いました。

 アヤがダーク・スチーマーと殴り合いました。ダーク・スチーマーはアヤのパンチを防ぎながらパンチで反撃を試みましたが、アヤはダーク・スチーマーの反撃をかわしてパンチを当てました。

「ハアアッ!」アイが怯んだダーク・スチーマーに飛び掛かり、連続でパンチを浴びせました。

 ダーク・スチーマーがアイの攻撃を受けて怯みながら後退しました。

「今だ!」アヤがすかさずフェイタルアーツを発動しました。

「マジカルアッパー!」素早くダーク・スチーマーの懐に潜り込んだアヤがアッパーカットを放ちました。

「ウアアアッ……!」ダーク・スチーマーは倒れ、全身から蒸気を噴き出しながら機能停止しました。

「よし、やったわね!」アイが言いました。

「それじゃ、帰ろっか?」アヤが言いました。

「そうね。」アイが言いました。

 そしてアイとアヤがその場を去ると同時に、倒れたダーク・スチーマーが爆発しました。


 その後、アイとアヤは庁舎の一室に戻りました。

「一般的に見れば寂しいクリスマスだったけど、まあ、それなりに楽しめたわね。」アイが言いました。

「ま、こんなもんじゃない?」アヤが言いました。

「それもそうね。」アイが言いました。

「うん。」アヤが言いました。

「来年もよろしくね、アヤ。」アイが言いました。

「こちらこそだけど、まだ早くない?」アヤが言いました。

「ドラマだとクリスマスの次は大抵お正月でしょ?」アイが言いました。

「どうかな?」アヤが言いました。「どっちにしても、とりあえず来年もよろしく。」

「ええ!」アイが言いました。

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