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イトシキイロドリ  作者: 暗黒黙示録
13/17

イトシキイロドリ 番外編1 ~水着回~

登場人物

アイ:かつて魔法少女として闇の皇帝-ダーク・ロードから世界を救った英雄。現在は隠された特別な機関“魔法庁”の長官となっている。

セカイ:アイのパートナーである妖精であり本名は“オズワルド”。本来はウサギのような容姿を持っているが、魔法で人間の姿をして魔法庁のエージェントとして働いている。

アヤ:魔法庁のアルバイト。かつて若年無業者として自堕落な生活を送っており、その生活を改めようと動き始めたところをセカイによって見い出された。


ダグマ:真の名は“闇の悪魔-ダーク・デビル”。闇の皇帝-ダーク・ロードの遺した闇の力から生まれた怪人。世界を滅ぼすべく暗躍する。

ミストレス:闇の寵姫。ダグマを崇めている。

 その日、庁舎の一室でアイとアヤが話をしていました。

「私達の仕事って年中無休だよね。」アヤが言いました。

「そうね。」アイが言いました。「私達が休んだらこの町はメチャクチャになっちゃうしね。」

「おかげで休みが被らないから私達って親友を名乗ってる割にプライベートでの付き合いが全く無いよね。」アヤが言いました。

「とは言っても、オンとオフを使い分けてるような感じじゃないからあんまり気にならないけど……。」アイが言いました。「仕事の日も明るい内はすること無いし……。」

「それはそうだけど、たまには休日を一緒に過ごしてみたい気がしなくない?」アヤが言いました。

「確かに、休日を一緒に過ごす気分を味わってみたいような気もするけど……。」アイが言いました。「でも、どう頑張っても休み被らないし……。」

「うーん……。」アヤが考えながら言いました。


 その日の夜、アイとアヤはビーストと戦いました。

「マジカルアッパー!」アヤがビーストにアッパーを繰り出しました。

「ウアアアアアアアッ……!」ビーストはアヤの攻撃を受けて爆発しました。

「よし!」アヤが言いました。

 そこへミストレスが姿を現しました。

「フフフ、ごきげんよう。」ミストレスが言いました。

「ミストレス……!」アイが言いました。「何しに来たの!?」

「あなた達にまた警告をしに来て差し上げましたわ。」ミストレスが言いました。「これ以上ダグマ様の邪魔をするようであれば、またダグマ様が動き出されるかも知れませんわよ?」

「またまた……。」アヤが言いました。

「ダグマとの勝負ならいつでも受けて立つわ!」アイが言いました。

「いつまでその減らず口が続くかしらね?フフフ……!」ミストレスが言いました。

「それはそうと……。」アヤが言いました。「ちょっと提案があるんだけど……。」

「えっ……?」ミストレスが言いました。「何かしら……?」

「お互い頑張ってると疲れちゃうし、夏休みでも取らない?」アヤが言いました。

「アヤ、何を知っているの!?」アイが驚いた様子で言いました。

「夏休みですって……?」ミストレスが呆気に取られた様子で言いました。

「そっちが休んでくれたらこっちも安心して休めるし、どうかな?」アヤが言いました。

「確かに、そうなれば私達二人で休日を過ごせるようになるけど……。」アイが言いました。

「私達に休みなんてありませんわ!」ミストレスが言いました。「何をバカげたことを……。」

「お願い!」アヤが言いました。「たまには頼みを聞いてよ!」

「ええっ……?」ミストレスが困惑した様子で言いました。「何でそんな……?」

「なんならそちらの頼みも聞いてあげて良いわ。」アイが言いました。「モチロンこちらの頼みと釣り合う範囲でだけど……。」

「今度からは“お姉様”って呼んであげても良い!」アヤが言いました。「お姉様、お願い!」

「別にお姉様なんて呼ばれたくはありませんわ……。」ミストレスが言いました。

「美人なんだから一つくらい頼みを聞いてくれても良いでしょ?」アヤが言いました。

「どうしてもダメなの?」アイが言いました。

「明日一日だけ……。」根負けしたミストレスが言いました。

「良いの!?」アヤが嬉しそうに言いました。

「明日一日だけ私達の活動をお休みして差し上げますわ。」ミストレスが言いました。「それで良いかしら?」

「うん、ありがとう!」アヤが言いました。

「本当に大丈夫なの?」アイが言いました。「ダグマは……?」

「ダグマ様には私の方からちゃんと話しておきますから、心配しなくてもよろしくてよ。」ミストレスが言いました。

「さすがお姉様!」アヤが言いました。

「次にその呼び方をしたら殺しますわよ?」ミストレスが言いました。


 その後、アイとアヤが庁舎の一室に戻りました。

 そこへセカイがやって来ました。

「アレ、君達、どうしてここにいるワケ?」セカイが言いました。「仕事はどうしたの?」

「終わったわ。」アイが言いました。「カンペキよ!」

「こりゃまた随分と手際が良いことで……。」セカイが言いました。

「ミストレスと協定を結んだんだ!」アヤが言いました。「明日一日戦いはお休みだよ!」

「へえ……。」セカイが言いました。

「というワケで私達は明日休むわね。」アイが言いました。

「ま、そういうことなら別に良いけど……。」セカイが言いました。

「別に良いの?」アイが言いました。「心配は無いんだ。」

「相手は悪党と言っても、約束くらいは守るだろう。」セカイが言いました。「もし約束を反故にするようなことがあったとしても、その時には君達の休みを取り消せば済む話さ。」

「なんか不安になってきたわね……。」アイが言いました。「ミストレスは約束してくれたけど、ダグマは大丈夫かしら?」

「その点については心配要らないんじゃないか?」セカイが言いました。「なんだかんだでミストレスはダグマのことを崇拝してるけど、俺の見立てじゃアイツらは同格の幹部だ。ミストレスの言うことをダグマもそう簡単に無視出来ないだろう。」

「なるほど……。」アイが言いました。「ちょっとは安心出来たわ。」

「それで、どうする?」アヤが言いました。「何して遊ぶ?」

「レストランで食事して、映画でも見てみる?」アイが言いました。

「それって君達が仕事の日にやってることじゃないのか?」セカイが言いました。

「失礼ね!仕事中にそんなことするワケ無いじゃないの!」アイが言いました。「まあ、やってないとも言わないけど……。」

「せっかくの休みならどこか遠くに行った方が良いんじゃないか?」セカイが言いました。「まあ、遠く

って言っても、すぐに戻って来られるくらいの距離が良いけど……。」

「遠くね……。」アヤが言いました。「ディズニーランド行く?」

「あっ、行きたい!」アイが言いました。

「ポップコーン食べたいよね!」アヤが言いました。

「うんうん!」アイが言いました。

「それになんか、ビッグサンダーマウンテンって名前がなんかエロくない?」アヤが言いました。「ビッグでサンダーなマウンテン!」

「バカ!」アイが言いました。

「アイはイッツアスモールワールドの方が好き?」アヤが笑みを浮かべながら言いました。

「夏のディズニーランドはスターツアーズ一択じゃないのか?」セカイが言いました。「他は暑いだろ?」

「そうね……。」アイが言いました。「微妙に暑いわよね。」

「夏なら山とか海とかの方がそれっぽいぞ。」セカイが言いました。

「山って言ったらやっぱりビッグでサンダーな……?」アヤが言いました。

「そのネタは良いから……!」アイが言いました。

「山がイヤなら海か?」セカイが言いました。「それなら穴場を知ってるぞ。」

「えっ……?」アイが言いました。「穴場……?」

「隠された砂浜がある。」セカイが言いました。

「隠された砂浜……。」アヤが呟きました。

「この町にある隠された電車に乗って少し歩けば着くぞ。」セカイが言いました。

「面白そうね。」アイが言いました。

「行ってみる?」アヤが言いました。

「せっかくだし、たまには海も良いかも知れないわね。」アイが言いました。

「それじゃあ決まりだね。」アヤが言いました。


 次の日、アイとアヤは電車に乗って移動していました。

「それにしてもアイ、凄い恰好じゃない?」アヤがアイの格好を見て言いました。

 アイはシャツにショートパンツ、サンダルを身に纏っていました。

「そのパンツ、ヤバ過ぎじゃない?」アヤが言いました。

「私の太ももを魅せる為よ。」アイが言いました。

「へえ……。」アヤが言いました。

「アヤこそその恰好……。」アイが言いました。

 アヤはTシャツにアンクルパンツ、靴下にスニーカーを身に纏っていました。

「えっ……?なんか変……?」アヤが言いました。

「別に変ってことは無いけど……もうちょっと見せても良いんじゃないの?」アイが言いました。

「靴下が見えてるじゃん!」アヤが言いました。「これぞチラリズムの極意だよ。」

「ソックスチラなんて聞いたこと無いわよ?」アイが言いました。「何て略すの?」

「ソクチラ……?」アヤが言いました。

「まあ、何でも良いけどね。」アイが言いました。

「まあね。」アヤが言いました。


 アイとアヤは砂浜へとやって来ました。

「おお、誰もいない!」アヤが言いました。

「さすがは隠された砂浜ね!」アイが言いました。

「貸し切りじゃん!」アヤが言いました。

「それじゃあ早速水着に着替えましょう!」アイが言いました。

「えー……。」アヤが困ったように言いました。

「何……?どうしたの……?」アイが言いました。

「ホントに着替えなきゃダメ?」アヤが言いました。

「だって、海に入るんでしょ?」アイが言いました。

「アイだけ着替えて良いよ?」アヤが言いました。

「えっ……?何よ……?」アイが言いました。

「着替えに行かないの?」アヤが言いました。

「実は平気なのよ、着てきたから!」アイが言いました。

「そうなんだ……。」アヤが言いました。

「早くアヤも水着を着なさいよ!」アイが言いました。

「いやあ……。」アヤが言いました。

「脱がせましょうか?」そう言ってアイがアヤのアンクルパンツに手を伸ばしました。「水着がイヤならいっそ下着で泳いじゃう?」

「やめて……!待って……!透けて見えちゃう……!」アヤが必死にアイの手をどけようとしました。

「ちょっと……何でそんなに嫌がるのよ……?」アイが言いました。「ましてや誰もいないのに……。」

「だって……。」アヤが言いました。

「よっぽど見せたくないのね。」アイが言いました。

「だって、肌が露出するのって何かイヤじゃん?」アヤが言いました。

「何となく分かるけど……。」アイが言いました。

「まあ良いわ。だったら私一人で海に入るわ。アヤは砂浜でのんびりしてて。」そう言ってアイがシャツとショートパンツを脱ぎ始めました。

「どう?」アイが水着姿をアヤに見せました。

「うわっ……!」アヤが笑みを浮かべながら言いました。

「えっ……?何よ……?」アイが言いました。

「私が言うのもアレだけど、そんなにスタイル良くないじゃん!」アヤが言いました。

「えっ、何で……!?」アイが困惑した様子で言いました。

「アイっていつも太もも太ももって言ってるけど、実際のところ太過ぎだよ!」アヤが言いました。

「いや、これくらいがセクシーなんだから……!」アイが言いました。

「まあ、私も人のこと言えないけどさ、見せびらかすならもうちょっと痩せてた方が良いって気がする。」アヤが言いました。

「ちょっと……!」アイが恥ずかしそうな様子でシャツとショートパンツを着直しました。

「もう水着やめちゃうの?」アヤが嬉しそうに言いました。

「だってアヤがデブって言うから……。」アイが言いました。

「そこまでは言ってないって……。」アヤが言いました。「ちょっとぽっこりしてるって言っただけだよ。」

「腹筋鍛えた方が良いと思う?」アイが言いました。

「別に良いんじゃない?」アヤが言いました。「服着てりゃ平気だよ!」

「太ももはこれくらいがセクシーよね?」アイが言いました。

「じゃあそういうことにしといてあげる。」アヤが言いました。

「で、結局どうするの?」アイが言いました。「服着てたら海に入れないわよ?」

「砂浜で遊べば良いじゃん!」アヤが言いました。「パラソルの下でジュースでも飲みながらラジオでも聞いてさ……。」

「まあ、それも楽しそうね。」アイが言いました。

「それか、お城でも作る?」アヤが言いました。「フォートナイトだよ!それかマイクラ的な?」

「お城……?」アイが言いました。

「なんか海の遊びって感じがしない?」アヤが言いました。

「結構盛り上がるかも知れないわね。」アイが言いました。

「それじゃあやってみる?」アヤが言いました。

「ええ!」アイが言いました。

「ノーコンティニューでお城を作るぜ!」そう言いながらアヤがアイにシュノーケルを渡しました。「ドゥルルルドゥルルドゥーッ!」

「てーんちそうっぞうのチカッラッ!」アイが歌い始めました。

「ゲットメイク!」アヤが言いました。

「未来のゲッマッアーッ!」アイが歌い続けました。

「マーイティークーリーエッイッターッ……ブイッアールエエーックス!」アイとアヤが二人で歌いました。そして二人はシュノーケルを付けました。「エグゼーイドッ!」

 アイが手で砂をかき集めて山を作り始めました。

「そんなやり方温い温い!」そう言ってアヤがクーラーボックスの中身を外に出し始めました。そして空になったそのクーラーボックスの中に砂を入れ始めました。

「どうする気……?」アイが言いました。

「良いから一緒にやってよ!」アヤが言いました。

 アイとアヤはそのクーラーボックスを砂でいっぱいにしました。

「せーのっ!」アヤが砂がいっぱいになったクーラーボックスをひっくり返しました。そしてアヤがそのクーラーボックスを持ち上げると、そこに四角い形をした砂の山が出来上がりました。

「豆腐キャッスル完成!」アヤが言いました。

「豆腐キャッスル……?」アイが言いました。

「豆腐ハウスの砂のお城バージョンだよ!」アヤが言いました。「ほら、シムズ!」

「いや、知らないんだけど……。」アイが言いました。

「豆腐ハウス知らないとか遅れ過ぎでしょ!」アヤが言いました。「シムズってメジャーじゃん!」

「シムシティ的な……?」アイが言いました。

「そう、そのシリーズ!」アヤが言いました。

「あんまやらないかな……。」アイが言いました。

「でもなんとなく分かるでしょ?豆腐!」アヤが四角い形の砂の山を指差しながら言いました。

「豆腐って言ったらバイオじゃないの?」アイが言いました。

「豆腐は我が家にはとっておきのごちそうでな……。分かるか?」アヤが不気味な笑みを浮かべながら言いました。

「ちょっと……あんまり思い出させないでよ……!吐いちゃうじゃない……!」アイが口に手を当てながら言いました。

「なに砂浜で船酔いしてんの?」アヤが笑いながら言いました。

「あのゲームはマジで3D酔いで死にそうになったんだから……!」アイが言いました。

「マジホラーだよね!」アヤが言いました。

 そこへミストレスが姿を現しました。

「あっ……!」アヤが声を出しました。

「ミストレス……!」アイが言いました。

「あなた達……!」ミストレスが驚いた様子で言いました。

「停戦協定はどうなったワケ!?」アヤが言いました。

「ち、違いますわ……!私はただ……。」ミストレスが言いました。

「ひょっとして、あなたもこの砂浜に遊びに……?」アイが言いました。

「違いますわ!知り合いがこの近くに来ていると聞いてお休みがてら会いに来てみたのですわ!」ミストレスが言いました。

「知人……?」アヤが言いました。

「てことはバケモノ……!?」アイが言いました。

 そこへ背広姿の男性がやって来ました。

「ミストレス……久しぶりだな。」その男性が言いました。

「え……ええ……。」ミストレスが気まずそうに言いました。

「何このイケメン……!」アイが言いました。

「お金持ってそう……。」アヤが言いました。

「誰だ、この二人は?」その男性が言いました。

「人間の魔法使い、世界の平和を守る私達の敵ですわ。」ミストレスが言いました。

「魔法使い……?」その男性が言いました。「なるほどな……。」

「このイケメンは何者なの?」アイがミストレスに訊ねました。

「あなたの言ってた通り、闇の幹部ですわ。」ミストレスが答えました。

「俺はアビス、深淵の戦士だ。」その男性が言いました。

「アビス……。」アヤが言いました。「強そう……!」

「アビスは闇の皇帝-ダーク・ロードのしもべの一人ですわ。でも、ダーク・ロードに忠誠を誓わずに仲間達の元から去った裏切り者なのですわ。」ミストレスが言いました。

「裏切り者……?」アヤが言いました。

「俺は俺のやり方でこの世界を征服する。破壊では無く、支配するのだ!」アビスが言いました。

「この世界は支配するものでは無くて破壊するものですわ。」ミストレスが言いました。「この機会にあなたもダグマ様に忠誠を誓ってみてはいかがかしら?」

「布教する為に来たんだ……。」アヤが言いました。

「バカバカしい!」アビスが言いました。「俺は誰のしもべにもならん!俺こそが頂点に君臨するのだ!」

「またそんなことを……。」ミストレスが呆れながら言いました。「どうなんても知りませんわよ?」

「フン、闇の悪魔-ダーク・デビルであってもこの俺を倒すことは出来んさ。」アビスが言いました。

「何ですって……!?」ミストレスが怒った様子で言いました。

「だが、ひとまず今日のところはそこの魔法使いを倒すことにしよう。」アビスがアイとアヤに目を向けながら言いました。

「えっ……!?」アヤが言いました。

「私達……!?」アイが言いました。

「ちょっと……約束が違うじゃん!」アヤが言いました。「停戦協定はどうなったワケ!?」

「えっと……アビス……。」ミストレスが気まずそうに言いました。「その……今日は闇の勢力の活動はお休みする決まりなのですわ……。」

「ほう……。だが、それはあくまでお前達の協定だ。俺はお前達とは違う。この機会にこのこともハッキリさせておこうでは無いか。」アビスが言いました。

「あなた……!」ミストレスが言いました。

「そういうことならもう良いわ!」アイがシュノーケルを外しながら言いました。「海での遊びに退屈してきたところだったし、あなたと戦ってあげるわ!」

「よし!」アヤがシュノーケルを外しながら言いました。

「変身!」アイとアヤが変身しました。

「アビズモルフォーゼ!」アビスが人間の姿から怪人の姿になりました。

「アレがアイツの真の姿……!」アイが言いました。

「豆腐の方がまだ手応えがありそうだね!」アヤが言いました。

「いえ、アビスはダーク・ロードも一目置いていた程の実力者……そう簡単には行かないハズですわ……!」ミストレスが言いました。

「いや、それでも一応言っとくから……。」アヤが言いました。「私の作る地獄の豆腐料理、楽しみにしてて!」

「そうですの……?」ミストレスが困惑した様子で言いました。

「さあ、掛かって来なさい!」アヤがアビスに言いました。

「フン、一対二か……。」アビスが呟きました。「フェアでは無いな……。」

「は……?」アヤが言いました。「そういうのって二人の側が言うもんじゃ無いの……!?」

「俺はここで俺のしもべを召喚させて貰う。」アビスが言いました。

「しもべ……?」アイが言いました。

 次の瞬間、二体の怪人が姿を現しました。

「ディープとダイブ、我がしもべ達だ。」アビスが言いました。「これで良いだろう。」

「いや、今度はこっちが少なくなっちゃったんだけど……。」アヤが言いました。「フェアじゃ無くない?」

「何でも良いわ!とっとと始めてとっとと終わらせましょう!」アイが言いました。

「そうだな。」アビスが言いました。

 ディープとダイブが走り出しました。

「アヤ、ザコは任せるわよ!」アイは向かって来たディープとダイブをかわしながらそう言うと、アビスに向かって走り出しました。

「えっ、マジ……!?」ディープとダイブに囲まれたアヤが言いました。

 アイがアビスと殴り合いました。アビスはアイが繰り出したパンチを全てかわすと、アイに連続でパンチを浴びせました。アイは怯みながら後退しました。

「フン、この程度か……。」アビスが言いました。

「くっ……!」アイが体勢を立て直しながら言いました。

 アヤは正面から向かって来たディープにキックを当てて怯ませ、続けて連続でパンチを当てました。そこへダイブが背後からアヤに襲い掛かり、パンチを繰り出しました。アヤはすぐさまダイブの方を向きましたが、防御が間に合わずにダイブのパンチを受けてしまいました。そしてダイブのパンチを受けて怯んだアヤに体勢を立て直したダイブがキックを当てました。

「うああっ……!」アヤが転倒して砂浜に倒れ込みました。

「くっ……!」アヤが立ち上がりました。

 ディープとダイブがアヤに向かって走り出しました。

「調子こくのもここまでだから!」そう言ってアヤはマジカルバスターを構えました。

 アヤがマジカルバスターを撃ってダイブを攻撃しました。アヤの攻撃を受けてダイブは転倒しました。

 アヤは近づいてきたディープを蹴って怯ませると、マジカルバスターを剣へと変形させました。そしてアヤは魔法の刃でディープを連続で切りつけました。

 アイは引き続きアビスと殴り合っていましたが、アビスはアイのパンチを受けても怯まずにアイにパンチを当てました。アイはアビスのパンチを受けて怯みながらもすぐに体勢を立て直してパンチを繰り出しました。

 アヤの攻撃を受けて倒れ込んでいたダイブが立ち上がりました。

 アヤは切って怯ませたディープを蹴り飛ばすと、ダイブの方を向いて構え直しました。

 ダイブがアヤに向かって走り出しました。アヤはマジカルバスターを持ち直してフェイタルアーツを発動しました。

「マジカルアッパー!」アヤがアッパーを繰り出しダイブを真上へとふっ飛ばしました。

 アヤはすぐさまマジカルバスターを構え直すと落下してきたダイブを魔法の刃で切りつけました。ダイブはその攻撃を受けて爆発しました。

 ディープが立ち上がってアヤに向かって走り出しました。アヤはディープの突進を受け流すと、そのまま走り続けるディープを追ってその場を離れていきました。


 アヤとディープは戦いの場を街中へと移しました。

 アヤがマジカルバスターを構えたままディープに向かって走り出しました。ディープはアヤを迎え撃とうと拳を構えました。

「ハアアッ!」アヤがディープの脇を走り抜けながら魔法の刃でディープを切りつけました。

 ディープはアヤの攻撃を受けて転倒しながらもすぐに立ち上がりました。

 アヤは素早くディープの方を向いてマジカルバスターを振りました。そしてアヤは連続でディープを切りました。ディープはアヤの連続攻撃を受けて再び転倒し、地面の上を転がりました。

 立ち上がったディープは近くに停められていた車を押してアヤにぶつけようとしました。アヤは向かって来た車のボンネットの上に飛び乗りました。その車は同じく通りに停められていた他の車に衝突して止まり、アヤは地面の上に転がり落ちました。

「くっ……!」アヤがよろめきながら立ち上がりました。

 ディープがまた別の車をアヤにぶつけようとしました。

「フン……。」アヤが向かって来た車を足で止めました。

 ディープが驚いたような様子を見せました。

 アヤは止めた車の陰から移動するとマジカルバスターを拳銃へと変形させて構え直しました。

「ハアッ!」アヤがディープの傍に停めてあった車を撃ちました。

 その車はアヤの攻撃を受けて爆発炎上しました。アヤはそのままマジカルバスターを撃ち続けてディープの傍に停められていた車を三台炎上させました。

 ディープがアヤに飛び掛かりました。アヤは仰向けになって飛び掛かってきたディープをかわしながらマジカルバスターを撃ちました。ディープはアヤの攻撃を受けて怯みながら地面の上を転がりました。

 アヤは立ち上がってマジカルバスターを構え直しました。

 ディープがよろめきながら立ち上がりました。

 その瞬間、アヤがマジカルバスターを撃ちました。アヤの放った魔法弾を受けてディープはふっ飛んで爆発しました。


 アイはアビスのパンチを受けてふっ飛ばされて砂浜に倒れ込みました。

「ハアアアッ!」アビスが腕を振って神秘的な刃を生成しました。。神秘的な刃は生成されると同時に立ち上がろうとするアイに向かって飛んでいきました。

「うあああああああっ……!」アイは神秘的な刃を受けて爆発と共にふっ飛ばされました。

「思い知ったか?この俺こそが支配者だ!」アビスが言いました。

「ううっ……!」アイがよろめきながら立ち上がりました。「こうなったら久々に本気を出すしか無いわね……!」

 アイがアビスに向かって走り出しました。アイはアビスのパンチをかわしながらアビスにパンチを当てていきました。

 アイとパンチとアビスのパンチが同時に相手に直撃しました。そしてアイとアビスはお互いに怯みながら後退しました。

「くうっ……!」アイが体勢を立て直しました。

「この俺にダメージを与えただと……?」同じく体勢を立て直したアビスが言いました。

「アビソード!」アビスが剣を召喚し、それを手にしました。

「お前も武器を取れ。」アビスが言いました。

「マジカルテックサーベル!」アイがマジカルテックサーベルを召喚し、それを構えました。

 アイとアビスはそれぞれの武器の刃を何度もぶつけ合いました。

「ハアアッ!」アビスがアイの持つマジカルテックサーベルを弾き飛ばしました。

 弾き飛ばされたマジカルテックサーベルが砂浜に突き刺さりました。

「トドメだ!」アビスがアイに切りかかりました。

 その瞬間、アイがマジカルチェンジャーに接続されたマジカルテックバレルから魔法弾を放ってアビスを攻撃しました。

「ウッ……!ウアッ……!」アビスが怯みながら後退し、地面に膝を突きました。「何……!?バカな……!?」

「かかったわね!私はあなたが攻撃する直前、マジカルテックモバイルのアプリを起動して新たな武器を召喚していたのよ!」アイが言いました。

「くっ……!」アビスがゆっくりと立ち上がりました。

 アビスが剣を構え直してアイに向かって走り出そうとしました。

 その瞬間、ミストレスがアビスの前に立ちはだかりました。

「ん……!?」アビスが驚いた様子で足を止めました。

「えっ……?」アイもまた驚いた様子を見せました。

「貴様……何のつもりだ……!?」アビスが言いました。

「最早あなたに勝ち目はありませんわ。」ミストレスが言いました。「ならばせめて私の手であなたを葬らせて頂きますわ。」

「何……?」アビスが言いました。

「ミストレス……。」アイが呟きました。

 そこへアヤが戻って来ました。

「おっと……。」アヤがその場の様子を見て足を止めました。

「おのれ……!」アビスがミストレスに言いました。「ならば貴様から死ね!」

 アビスがミストレスに向かって走り出しました。

 次の瞬間、ミストレスが掌をかざすと同時にその掌から闇の波動が放たれました。

「ウアアアアアアアッ……!」アビスはミストレスが放った闇の波動を受けてその動きを止めました。

「バカな……!この俺が倒されるなど……!」そう言うとアビスはそのまま倒れて消滅しました。

「倒しちゃった……。」アヤが呟きました。

「ミストレス、私の獲物を奪ったわね。」アイが言いました。

「私はただ、裏切り者を粛清しただけですわ。」ミストレスが言いました。

「まあ、こっちもせっかくの休みの日にあまり本気を出したく無かったから丁度良かったわ。」アイが言いました。

「せっかくのお休みを邪魔してしまいましたわね。この埋め合わせはさせて頂きますわ。」ミストレスが言いました。

「別に良いんだけど……?」アイが言いました。

「それではごきげんよう。」そう言ってミストレスが姿を消しました。

「終わっちゃったね。」アヤがアイの傍に移動して言いました。

「そうね。」アイが言いました。「でも、私達の休みはまだまだ終わらないわよ。」

「うん!」アヤが言いました。「私達の休みはこれからだ!」

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