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イトシキイロドリ  作者: 暗黒黙示録
12/17

イトシキイロドリ Part12 ~ワイルド・ドライブ MEGA MAX~

登場人物

アイ:かつて魔法少女として闇の皇帝-ダーク・ロードから世界を救った英雄。現在は隠された特別な機関“魔法庁”の長官となっている。

セカイ:アイのパートナーである妖精であり本名は“オズワルド”。本来はウサギのような容姿を持っているが、魔法で人間の姿をして魔法庁のエージェントとして働いている。

アヤ:魔法庁のアルバイト。かつて若年無業者として自堕落な生活を送っており、その生活を改めようと動き始めたところをセカイによって見い出された。


ダグマ:真の名は“闇の悪魔-ダーク・デビル”。闇の皇帝-ダーク・ロードの遺した闇の力から生まれた怪人。世界を滅ぼすべく暗躍する。

ミストレス:闇の寵姫。ダグマを崇めている。

 アイとアヤは庁舎の一室にいました。

 アイはカップにコーヒーを注いでいました。

「くらえ!これがキレッキレの無糖ブラックだ!」アイが言いました。

「なにィ!」アヤが言いました。

 アイがコーヒーが注がれたカップの一つをアヤに渡しました。

「それにしても、私達ダグマに勝ったのよね!」アイがコーヒーを飲みながら言いました。

「アレは神だった!」アヤが言いました。

「これだけの成果を上げたんだから、きっと予算も倍増だわ!」アイが言いました。

「ヤバいね!」アヤが言いました。

 そこへセカイがやって来ました。

「くらえ!これがキレッキレの無糖ブラックだ!」アイがそう言いながらセカイにコーヒーの注がれたカップの一つを差し出そうとしました。

「うわっ、やめろ……!」セカイが腕で身を守るような仕草をしながら言いました。「俺が一体何したって言うんだ!?」

「いや、ただコーヒーを渡そうとしただけよ。」アイが言いました。「そろそろ来ると思ったから……。」

「なんだ……。俺はてっきりアツッアツのコーヒーをかけられるんだと思ったよ。」セカイが言いました。「それにしても何と言うか、君は俺が妖精だってこと忘れてないか?」

「あれ、妖精って飲み物飲まないんだっけ……?」アイが言いました。

「ああ。」セカイが言いました。「飲み食いは無しだ。現に一度もそういったことをして無いだろう?」

「見てないところでしてるんだと思ってたわ。」アイが言いました。

「なんかちょっといやらしい会話に聞こえる。」アヤが笑いながら言いました。

「あなたは変なこと考え過ぎよ!」アイが言いました。

「いや……だって……!」アヤが言いました。「見てないところでしてるとか……!」

「良いから……!」アイが言いました。

「そう言えばアヤはアイが見てないところで何してるか知ってるんだよな?」セカイが言いました。

「ああっ……!」アイが思い出したように言いました。

「いや……知らないから……!」アヤが言いました。「私が盗聴したのはアレ一度きりだから……!」

「ホントに……!?」アイが言いました。

「ホントだよ……!」アヤが言いました。「また私に手錠をかける気……!?」

「だって信じられないし……!」アイが言いました。

「私達一緒にダグマを倒した仲間じゃん……!」アヤが言いました。「ホントにしてないし……!何でそんなに疑うの……!?」

「だって昨日のアレ聞かれたなら許せないもん!」アイが言いました。

「昨日のアレ……!?」アヤが言いました。

「昨日のアレって何だ……?」セカイが言いました。

「いや……!」アイが言いました。

「また恥ずかしいこと言ってたワケ……?」アヤが言いました。「今度は何言ったの……?」

「いや……それは……その……!」アイが言いました。「とにかく盗聴してないって言うなら信じるから……!ちょっと、トイレ……!」

 アイが部屋を出て行きました。

「で、ホントはアイが何言ったか知ってるんだろ?」セカイがアヤに言いました。

「いや、ホントに知らないから……。」アヤが言いました。

「じゃあ、今アイがトイレで何言ってるか聞いてみたりしない?」セカイが言いました。

「私はそんな最低じゃない……!」アヤが言いました。

「あっそう……。」セカイが言いました。


 しばらく後、アイとアヤは二人でその部屋にいました。

「私は……。」アイが言いました。「あなたを信じるわ。」

「ホントに……?」アヤが言いました。

「ウソ……。」アイが言いました。「あなたには前科があるもの。」

「ちょ……!ホントにしてないから……!」アヤが言いました。「どうしたら信じてくれるの?」

「たとえあなたが土下座をしても私はあなたを信じないわ。」アイが言いました。「でも、この際だから言っちゃうけど、私はあなたのその罪を許してあげても良いと思ってるわ。」

「えっ……?」アヤが言いました。

「あなたは仲間だし、多分親友だから……。」アイが言いました。「だから私はあなたの罪を許す、本来ならば許されない罪だけど。」

「アイ……。」アヤが言いました。「でも信じてくれないんだ……。」

「とにかく誠実に振舞うことね。」アイが言いました。「私はあなたのことを大切に思ってる。だからたとえ罪を犯していたとしても許す気になれた。」

「私もアイのこと大切に思ってるよ。だから盗聴なんてしてない。」アヤが言いました。

「これからもしちゃダメよ。」アイが言いました。

「ゼッタイにしない。」アヤが言いました。

「何かしらの保証が欲しいわね。」アイが言いました。「例えば、あなたが変身したら知らせてくれるブザーとか……!」

「だから私のこと信じてって……!」アヤが言いました。

「考えとくわ。」アイが言いました。

「うう……。」アヤが言いました。「でも待ってよ……!」

「何……?」アイが言いました。

「あなたは他人の能力をコピー出来るんだから、私の能力も使えるハズだよね?」アヤが言いました。

「うっ……!」アイが言いました。「でも、コピーした技が本家に劣る場合もあるし……。」

「でも、使えるんでしょ、私の能力?」アヤが言いました。

「私が使うと、魔力の消費が激しくなるから……!」アイが言いました。

「使ったことあるワケ?」アヤが言いました。

「良い?正直に言うから、許してね?」アイが言いました。「実を言うと、二、三回程……。」

「マジで……!?最低じゃん!」アヤが言いました。「しかも一回ならまだしも何で三回も……!?」

「だっておいしいセリフ聞けなかったし、それにあなたはもっとやってると思ったから……!」アイが言いました。

「有り得ないんだけど……!」アヤが言いました。「それでよく私のこと許すとか上からなこと言える気になったね?」

「だって昨日のアレ聞かれたと思ったら居ても立っても居られなくなったから……!」アイが言いました。

「昨日のアレって何……!?」アヤが言いました。

「えーっ……。」アイが言いました。「言わなきゃダメ……?」

「言わなくても良いから、とにかくそういうのはもうお互いに無しにしよう?」アヤが言いました。

「分かったわ。どの道あの能力は私には負担が大き過ぎるし……。もう二度とやらないわ。」アイが言いました。

「うん……。」アヤが言いました。「てかやっぱり信じられないね。」

「でしょ!?」アイが言いました。「こうなったら後でセカイに頼むしか無いわ。」

「うん!」アヤが言いました。


 その頃、ダグマは大量のミニオン達を生み出していました。


 その日の夜、ミニオン達が町で暴れ始めました。


 アイとアヤのいる庁舎の一室にセカイがやって来ました。

「おい二人共、大変だぞ!」セカイが言いました。

「セカイ、頼みがあるの!」アイが言いました。

「私達が変身したら相手そのことが分かるように出来ないかな?」アヤが言いました。

「それならマジカルテックモバイルの設定アプリで通知をオンにすれば分かるようになるぞ。」セカイが言いました。

「は……?」アイが言いました。

「いや、忘れてたけど前にリンゴに頼んで調整前に君達二人のマジカルテックモバイルのペアリングをしておいて貰ってたんだ。」セカイが言いました。「だから君達二人はお互いの変身状態を知ることが出来る。」

「マジで……?」アヤが言いました。

「マジ。」セカイが言いました。

「マジカルチェンジャーで変身してても?」アヤが言いました。

「ああ。」セカイが言いました。「俺が渡した君達のマジカルチェンジャーとマジカルテックモバイルもリンクしているからな。」

「カンペキじゃん!」アヤが言いました。

「何で忘れてたの……!?」アイが言いました。

「だって、ホントは位置情報とかもっと役立つ情報にアクセス出来るようにしてくれって頼んでたんだけど、変身の通知しか出来ないって言うし、なんか別に要らない気がしてたから……。」セカイが言いました。

「ああそう……。」アイが言いました。

「それで、最初に言おうとしてた話って何?」アヤが言いました。

「ああ、大事な話まで忘れるところだった!」セカイが言いました。「町でバケモノ共が暴れてる!たくさんだ!」

「たくさん?」アヤが言いました。「この間のザコ共?」

「ああ!」セカイが言いました。

「あんなの楽勝だよ!」アヤが言いました。

「ザコだからってナメてかかると痛い目を見るぞ?」セカイが言いました。「数の暴力に勝るものは無い!」

「そんなに多いの?」アイが言いました。

「ああ!」セカイが言いました。「この付近には出てきてないが、情報によるとこの町の半分近くがバケモノ共に埋め尽くされているらしい。」

「ヤバいわね。」アイが言いました。

「ダグマのヤツ、懲りないな。」アヤが言いました。

「ブッ潰してやりましょう!」アイが言いました。

「うん!」アヤが言いました。

「この町の半分以上を埋め尽くすバケモノ共にこのまま挑むのはあまりにもムチャだ。」セカイが言いました。

「それでも私は、平和の為に戦わなくちゃならないのよ!」アイが言いました。

「それに案外普通に勝てるかも知れないしね!」アヤが言いました。

「そこまで言うなら、俺が準備したとっておきのプランは要らない?」セカイが言いました。

「えっ……?」アヤが言いました。

「とっておきのプランって何……?」アイが言いました。

「ついてきて貰おう。」セカイが言いました。


 アイとセカイとアヤは庁舎の駐車場へとやって来ました。そこには一台の装輪装甲車が停められていました。

「何コレ……!?」アヤが言いました。

「民間の警備会社から買い上げた装甲車さ。」セカイが言いました。

「装甲車……!?」アイが言いました。

「ああ。しかもコイツは俺が魔改造を施していて、魔法で動かせるようになっている上にルーフには魔法の機関銃を装備してある。」セカイが言いました。「コイツがあれば町の半分くらい制圧は余裕さ!」

「ヤバ……!」アイが言いました。

「『ワイルド・スピード MEGA MAX』だね!」アヤが言いました。「どうせなら金庫を引っ張った方が良くない?」

「モチロン引っ張れるさ!」セカイが言いました。「後部にはウィンチもあるし、コイツなら巨大な金庫だって一台で引っ張ってけるぞ!」

「よし、それじゃあ金庫を取り付けたら早速ワイルド・ドライブとしゃれこみましょう!」アイが言いました。

「変身!」アイとアヤが変身しました。

 次の瞬間、アイとアヤのマジカルテックモバイルが鳴りました。

「あっ、変身の通知来た……。」アイが言いました。

「目の前で見てるし、別に要らないんだけど……。」

「だから言っただろう?」セカイが言いました。「俺は必要性に関する判断が出来る方だと自負している。装甲車の必要性が高いと判断してちゃんと用意した。」

「じゃあ巨大な金庫は……?」アヤが言いました。

「心配するな。ちゃんと準備してあるさ!」セカイが笑いながら言いました。


 その通りはミニオン達で溢れ返っていました。そこにいた人々はミニオン達によって倒され、運転手を失った車が至る所に停められていました。

 そこへアイの運転する魔法の装輪装甲車が巨大な金庫を牽引しながらその通りにやって来ました。その装輪装甲車のルーフからはアヤが顔を出し、魔法の重機関銃を構えていました。

「WILD DRIVE!WILD DRIVE!WILD DRIVE!WILD DRIVE!」アイとアヤはその装輪装甲車に乗りながら歌っていました。

 ミニオン達はその装輪装甲車の体当たりを受けて次々と爆発していきました。

「食らえ!」アヤがその装輪装甲車の体当たりを回避したミニオン達に向けて重機関銃を撃ちました。

 その装輪装甲車の体当たりを回避したミニオン達もアヤの攻撃で次々と爆発し、その攻撃をも回避したミニオン達には金庫が直撃して爆発しました。

 その装輪装甲車が牽引する金庫は左右に揺れながら電灯を倒し、乗り捨てられた車をふっ飛ばしました。金庫が直撃した車は悉く爆発炎上していきました。

「ヤバい!」アイが言いました。「マクドナルドは無敵状態じゃない!」

「ハイパームテキだね!」アヤが言いました。

「ムーテーキーッ!」アイが言いました。

「輝けー流星のごーとーくーっ!おうごーんーの最強ゲーマーッ!ハイパームテキーエグゼーエーイドッ!」アイとアヤが歌いました。

 アイとアヤは通りをメチャクチャにしながらミニオン達を倒し続けました。

 その装輪装甲車の後ろから四足のビースト達が姿を現しました。

「バケモノ達が近づいてきてる!」アヤが言いました。

 それらのビースト達はその装輪装甲車に近づくと、拳銃でその装輪装甲車を攻撃し始めました。しかし、その装輪装甲車にはそれらのビースト達の攻撃は通用しませんでした。

「攻撃力はこっちの方が上だよ!」そう言ってアヤが重機関銃を撃ちました。

 アヤの攻撃を受けてビースト達は次々と爆発して全滅しました。

 その装輪装甲車の向かう先にある交差点にミニオン達が集まってきました。

「何をするつもり?」アイが呟きました。

 その交差点の中央にクリミナルが姿を現しました。

「何あのマッチョマン……!?」アヤが言いました。

「アイツはあの日の……!」アイが言いました。「また現れたのね……!」

 アヤがクリミナルを重機関銃で撃ちました。

「ウアアアアアアアッ!」クリミナルはアヤの攻撃を受けても怯みませんでした。

「ウソ……!?」アヤが言いました。

「パワーアップしてる……!?」アイが言いました。「でも、この攻撃は受け切れないわよ!」

 その装輪装甲車がクリミナルに体当たりしました。

「ウアアアアアアアッ!」クリミナルは後ろに押されながらもその装輪装甲車を止めました。

「ウソ……!?」アイが言いました。

 その装輪装甲車が牽引していた金庫がその装輪装甲車の方へ滑って来ました。

「金庫が来る……!」そう言ってアヤはその装輪装甲車から飛び降りました。

「くっ……!」アイがその装輪装甲車の運転席から飛び出しました。

 その金庫がその装輪装甲車に直撃し、爆発が起こりました。

「ウアアアアアアアッ……!」その爆発によりクリミナルも爆発しました。

「うっ……!ううっ……!」アイがよろめきながら立ち上がりました。

「アイ……!」剣のような形へと変形したマジカルバスターを片手にアヤがアイの傍に寄りました。

 アヤはマジカルバスターを構えて周囲を見渡していました。

 アイとアヤの周囲を大勢のミニオン達が取り囲んでいました。

「行くよ?」アヤが言いました。

「ええ。」そう言ってアイがマジカルテックグリップを召喚して構えました。それと同時にマジカルテックグリップの先端に魔法の刃が生成されました。

 ミニオン達が一斉にアイとアヤに襲い掛かりました。

 アイとアヤは大量のミニオン達を相手に戦い始めました。

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