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イトシキイロドリ  作者: 暗黒黙示録
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イトシキイロドリ Part11 ~奇跡の魔法~

登場人物

アイ:かつて魔法少女として闇の皇帝-ダーク・ロードから世界を救った英雄。現在は隠された特別な機関“魔法庁”の長官となっている。

セカイ:アイのパートナーである妖精であり本名は“オズワルド”。本来はウサギのような容姿を持っているが、魔法で人間の姿をして魔法庁のエージェントとして働いている。

アヤ:魔法庁のアルバイト。かつて若年無業者として自堕落な生活を送っており、その生活を改めようと動き始めたところをセカイによって見い出された。


ダグマ:真の名は“闇の悪魔-ダーク・デビル”。闇の皇帝-ダーク・ロードの遺した闇の力から生まれた怪人。世界を滅ぼすべく暗躍する。

ミストレス:闇の寵姫。ダグマを崇めている。

 その夜、ダグマは自身の持つ闇の力を引き出していました。

「フフフ、いよいよ始まるわ。」傍らに立つミストレスが言いました。「これでアイツらも思い知ることになる!」


 次の日、庁舎へ向かおうとアパートの外に出たアヤは驚愕しました。朝であるにもかかわらず空は闇に覆われており、その闇の中で無数の眼が不気味に輝いて街を照らしていたのでした。

「ヤバ……!」アヤが思わず声を漏らしました。


「これは……。」同じく外に出たアイもその光景を見て呆然としていました。


 アヤが庁舎へと駆けつけました。するとそこに丁度セカイがいました。

「セカイ……!」アヤが言いました。

「アヤ……。」セカイが言いました。

「一体どうなってるの……!?」アヤが言いました。

「俺にも何が何だかサッパリだが、こういうのはやっぱり闇の力が関わってるんじゃないかな?」セカイが言いました。

「ダグマの陰謀ね……!」アヤが言いました。

「おそらくだけど、今この町は呪いをかけられてる。」セカイが言いました。

「呪いってどんな……?」アヤが言いました。

「さあ……?」セカイが言いました。「闇の力を持つ者の攻撃力がアップするとか……?」

「いずれにせよ、私達にとって不利なことには間違い無いか……。」アヤが言いました。


 庁舎へ向かおうとするアイの前にミストレスが姿を現しました。

「ミストレス……!」足を止めてアヤが言いました。

「随分と慌てているようね。」ミストレスが言いました。

「一体何をしたの!?」アイが言いました。

「フン!」遥か遠くからジャンプをしながら闇の怪人がアイの前に姿を現しました。

「コイツは……!?」アイが言いました。

「ディストピア、ダグマ様が生み出した新たなるしもべよ。」ミストレスが言いました。

「ディストピア……!?」アイが言いました。

「ディストピアは町全体を闇の力で染める力がある。」ミストレスが言いました。「この町は闇の町となった!」

「くっ……!」アイが言いました。

「あなたは闇に染められたこの町で死を迎えるの!」ミストレスが言いました。

「そんなことは無いわ!」アイが言いました。「変身!」


 庁舎の周辺に無数の怪人“ミニオン”が現れました。

「なんか出てきたよ……!」アヤが言いました。

「ダグマのしもべか……!」セカイが言いました。「一体一体からは大した力は感じられないが……。」

「人海戦術ってワケね!」アヤが言いました。「だったらこっちは無双するから!」

「変身!」アヤは変身するとマジカルバスターを剣のような形へと変形させて次から次へとミニオン達を切っていきました。


 アイとディストピアは殴り合っていました。

 ディストピアはアイのパンチを悉く防ぎ、自身のパンチを当てていきました。そしてディストピアの繰り出したパンチを受けてアイは怯みながら後退しました。

「ハアッ!」ディストピアが掌から暗黒弾を放ちました。

「うわああっ……!」アイはディストピアの放った暗黒弾を受けて転倒し、地面の上を転がりました。

「無様ね!」ミストレスが言いました。「そんなんでよくダグマ様を倒すなんて言ったものだわ!」

「くうっ……!」アイがよろめきながら立ち上がりました。

「今なら特別に許してあげても良いわよ?」ミストレスが言いました。「ダグマ様に忠誠を誓えば命を助けてあげるわ!」

「誰があんなヤツに忠誠なんか誓うワケ!?」アイが言いました。「私はまだ負けてないし、バトルはまだこれからだわ!」

「本当に良いの?」ミストレスが言いました。「一度きりのチャンスよ?」

「結構だわ!」アイが言いました。

「せっかくのチャンスを棒に振るなんて……!今だけのチャンスなのに……!?あなたホントに日本人なワケ……!?」ミストレスが言いました。

「私はこう見えても肩書だけなら政府の人間なんだから……!立派な日本人よ!」アイが言いました。

「へえそう!」ミストレスが言いました。「とにかくこれでもうチャンスは消えて無くなったわ!死になさい!」

「私はそう簡単には死なないわよ!?」アイが言いました。

「フン!」ディストピアがアイに襲い掛かりました。


 アヤは次から次へと襲い来るミニオン達を片っ端から切り伏せていました。

「ハアッ!」アヤが最後のミニオンを倒しました。

「やったな。」セカイが言いました。「これだけの敵を倒せば君の夢も少しは叶ったんじゃないか?」

「私の夢って前にコピーが言ってたヤツ……?」アヤが言いました。

「別に恥ずかしがることは無いさ。」セカイが言いました。「誰にも破壊願望はある。」

「フッ、そうだね。」アヤが言いました。「でも破壊者になるにはまず仮面ライダーディケイドにならないと……。」

「寿命が半分になっても知らないぞ?」セカイが言いました。

「望むところ!」アヤが言いました。「よし、旅を始めよう!」

「アイの世界へ向かうのか?」セカイが言いました。

「うん!」アヤが言いました。「私の能力を使えばアイの居場所を知ることが出来る。」

「それもそうだな。」セカイが言いました。

「アイが交戦中なら忍び寄ってその相手に奇襲を仕掛けるから!」アヤが言いました。

「一応言っとくがディケイドはそんなことしないぞ?」セカイが言いました。「むしろアレやるべきだろ、裁判。」

「裁判やるにはまずタイムベントで時間を戻さないといけないからムリっしょ。」アヤが言いました。「時間戻さないと過去と未来の私を一つに出来ないじゃん。」

「なるほどな……。」セカイが考えながら言いました。

「とにかく乗り込もう!」アヤが言いました。


 その頃、アイはディストピアと戦い続けていました。

「ハアッ!」ディストピアのパンチがアイに当たりました。

「うあっ……!」アイは転倒して地面の上を転がりました。

「くうっ……!」アイが立ち上がりました。

「フフフフ……!」ミストレスが言いました。「あなたにディストピアは倒せないわ!」

「そんなこと無いから……!」アイが言いました。「そんなヤツ、叩き潰してやるわ!」

「フン!」ミストレスが言いました。

 次の瞬間、その場所にダグマが姿を現しました。

「ああっ……!」アイが驚いたように声を上げました。

「ダグマ様……!」ミストレスが言いました。

「くっ……!」アイが言いました。

「フフッ……!アッハッハッハッハッハッハッハッ!」ミストレスが言いました。「もう終わりね!ダグマ様がいらっしゃった今、あなたには万に一つの可能性も無いわ!」

「フン!」ダグマがディストピアに力を与えました。

「ウオオオオオオオッ!」ディストピアが叫びました。

「フフッ、これでディストピアの攻撃力はさらに上がったわ!」ミストレスが言いました。

「攻撃力が上がる……。」アイが考えながら呟きました。

「ディストピアの次の攻撃であなたの負けよ!」ミストレスが言いました。「アハハハハハハハッ!」

「くっ……!」アイが言いました。

「行きなさい、ディストピア!」ミストレスが言いました。

「ハアーッ!」ディストピアがアイに襲い掛かりました。

 その瞬間、無数の魔法弾が飛んできてディストピアに直撃しました。

「ウアッ……!」ディストピアが転倒しました。

「えっ……?」アイが言いました。

「何……!?」ミストレスが言いました。

 マジカルバスターを構えたアヤとセカイが姿を現しました。

「お前は……!」ミストレスが言いました。

「アヤ……!」アイが言いました。

「違う!」アヤが言いました。「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」

「は……?」アイが言いました。

「やっぱ君にディケイドはムリだな。」セカイがアヤに言いました。

「さっきはこのネタで行けると思ったのに……!」アヤが言いました。

「あの場ではな……。」セカイが言いました。

「一体何なの、あなたは!?」ミストレスが言いました。

「通りすがりの……!」アヤが言いました。

「そのネタは良い。」セカイがアヤの言葉を遮るように言いました。

「まあ良いけど……。」アヤが言いました。

「バカが一人増えたところで攻撃力がアップしたディストピアの敵では無いわ!」ミストレスが言いました。「次こそ終わりよ!」

「それはどうかしら?」アイが言いました。

「何ですって……!?」ミストレスが言いました。

「確かに攻撃力が上がったそのバケモノは私を倒せるだけの力を持っているのかも知れない。」アイが言いました。「でも、攻撃力の上昇を抑えることが出来れば私達にも勝機はあるわ!」

「笑わせないで!」ミストレスが言いました。「ディストピアも倒すことの出来ないあなた達にダグマ様を倒すことが出来るって言うの!?」

「誰がダグマを倒すって言った?」アイが言いました。

「えっ……?」ミストレスが言いました。

「今そのバケモノの攻撃力を上げているのはダグマとそして、この町そのものよ!」アイが言いました。

「だからどうしたって言うの!?」ミストレスが言いました。「この町を闇に染めているのはディストピアの力よ?ディストピアを倒さない限りこの町は元には戻らないわ。」

「そのバケモノがこの町を闇で覆ったように、この町を光で照らす魔法があるとしたらどう?」アイが言いました。

「バカな……!」ミストレスが言いました。「そんな魔法、あなた達に……!」

 アイがマジカルステッキを召喚しました。

「その杖……。」アヤが言いました。

「マジカルステッキなら奇跡の魔法を起こすことも出来る……。」セカイが言いました。

「何……!?」ミストレスが言いました。

「マジカルスペース!」アイが叫びました。

 その瞬間、空を覆う闇に亀裂が入り、宙に浮かぶ目が次々と砕け散っていきました。

「ああっ……!」ミストレスが周囲を見渡しました。

 空を覆う闇が割れ、今度は魔法の光で覆われました。

「アイが、世界を破壊した……!」アヤが言いました。

「これでこの町によって上がっていたあなた達の攻撃力は元に戻ったわ!」アイが言いました。

「おのれ……!」ミストレスが言いました。

「よし、だったら俺も力を貸そう!」セカイが言いました。

「えっ……?」アヤが言いました。

「アイツがアヤのコピーを作ったように、今度は俺が魔法で君達の分身を召喚する!」セカイが言いました。

 次の瞬間、アイとアヤの分身が召喚されました。

「私達の分身……!」アヤが言いました。

「何をするつもり?」アイが言いました。

「君達二人の分身を一つにする!」セカイが言いました。

「フッ!」アイとアヤの分身がジャンプしました。

「ハアアアアアアアッ!」アイとアヤの分身が空中で融合しました。

「私とアイが一つに……!?」アヤが言いました。

 アイとミストレスもアイとアヤの分身が融合する様子を言葉も出ない様子で見つめていました。

「ハアアアアアアアッ……ハアーッ!」アイとアヤの分身が融合した戦士が空中から魔法線を放ちました。

「ウアアアアアアアアッ……!」ディストピアはその魔法線を受けて爆発しました。

「くっ……!」ミストレスはその爆風で怯みました。

 ダグマはその爆風を受けても怯まずに黙ってその場に佇んでいました。

「とりあえずアイツを倒したわ!」アイが言いました。

「と言うか何?」アヤが言いました。「なんか何もしてない内にどんどんバトルが進行しちゃってるんだけど……。」

「あんな凄い魔法が使えるのはマジカルスペースの力なワケ?」アイがセカイに言いました。

「ああ。」セカイが言いました。「このフィールド内では俺達妖精はパワーが増加するらしい。」

「さすがは私ね。」アイが言いました。

「でも、その杖はダサいから……。」アヤが言いました。

「ちょ……!」アイが言いました。

「それに、君がこんな魔法を使えたのも奇跡だしな。」セカイが言いました。「もう一度使えって言われてもムリだろ?」

「確かにそうだけど……!」アイが言いました。「この魔法の効果が切れる前にダグマをやっつけない?」

「それもそうだな。」セカイが言いました。

「確かに奇跡は起こったわ。でも、それでダグマ様が負けるハズ無い!」ミストレスが言いました。

「フン!」ダグマが宙に浮かびました。

「ウオオオオオオオッ!」ダグマが全身から闇の衝撃波を放ちました。

「何……!?」アイが言いました。「一体何なの……!?」

 ダグマの放った闇の衝撃波によって町を照らしていた魔法の光が消滅し、町が元に戻りました。

「アイツもディケイドじゃん……!」アヤが言いました。

「ハハッ!」ミストレスが言いました。「これでその妖精も力が出せないわよね!」

「ああ……。」セカイが言いました。

 アイとアヤの分身が融合した存在が消滅しました。

「これであなた達を守る存在はいなくなったわ!」ミストレスが言いました。「さあ消えなさい!」

「ハアーッ!」ダグマがアイに襲い掛かりました。

「アイ……!」アヤがマジカルバスターを剣のような形へと変化させながらアイの前に立ち、魔法の刃でダグマの拳を受け止めました。

「アヤ……!」アイが叫びました。

 アヤの魔法の力とダグマの闇の力がせめぎ合って周囲に稲妻が放たれました。

「アハハハハッ!終わりよ!誰もダグマ様の力は敵わないわ!」ミストレスが言いました。

「ハアーッ!」アヤが叫びました。

 次の瞬間、アヤがダグマを弾き飛ばしました。

「ウアアアッ……!」ダグマは怯んで地面に着地しました。

「バカな……!」ミストレスが言いました。

「強力なしもべを生み出したり、アイの魔法を打ち消したり、ホントに凄い力を持っているのかも知れないけれど、これだけは言わせて貰うから……!」アヤが言いました。「攻撃力は私の方が上だよ!」

「そんな……!」ミストレスが言いました。「あなたも奇跡を起こしたと言うの……!?」

「アヤ……。」アイが言いました。

「行くよ!」アイがマジカルバスターを構え直すと同時に、魔法の刃が輝きを増しました。

「マジカルスラッシュ!」アイが魔法の刃でダグマを切りつけました。

「ウアアアアアアアッ……!」爆発と共にダグマが後退しました。

「ダグマ様……!」ミストレスが叫びました。

「ウッ……!ウウッ……!」ダグマがよろめきながら姿を消しました。

「ああっ……何てこと……!」ミストレスが言いました。「ダグマ様が敗れるなんて……!」

 ミストレスはそのまま姿を消しました。

「勝った……。」アヤが言いました。

「やったわ、アヤ!」アイが言いました。「ダグマに勝ったのよ!」

「これでリベンジ成功かな。」アヤが言いました。

「とは言っても、ヤツはまだ完全に滅んだワケじゃないぞ?」セカイが言いました。「逆にリベンジされるんじゃないのか?」

「望むところよ!」アイが言いました。「返り討ちにしてやるわ!」

「うん!」アヤが言いました。「私達ならゼッタイに負けない!」

「フッ、そうかもな。」セカイが言いました。「それじゃ、これからも君達二人に期待するとしよう。」

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