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スズメは何処へ

 先週、久し振りに熱を出して、一週間ほど仕事を休む羽目になった。

 そう、まさかのインフルエンザである。

 子供の小学校でも大流行していたし、気を付けてはいたのだが、まさか自分がかかるとは……。

 子供よりも免疫がより減っている老体の方がやられてしまうのか。


 そんな訳で久々に昼間っから寝込んでいたのだが、枕元の東側の窓が妙に静かなのに気が付いた。

 スズメの気配がしないのだ。

 昔からその窓からは、朝日と共にチュンチュンというスズメの声がよく聞こえてきた。

 あの細い爪でトタンを引っ掻くカチッカチッという音もひっきりなしに聞こえたのに。

 その窓の上なのか、屋根の下なのかは分からないけど、多分、巣くっていたであろうスズメ達はいなくなってしまったのだろうか?


 その代わりと言ってはなんなのだけど、最近、スズメより小さくてスレンダーなボディの白い鳥を頻繁に見かけるようになった。

 この白い鳥、走るのがメチャ速い。

 細い足でものすごい速さで道路をジグザグに走り回っている。

 ネットで調べてみたら、どうやら『シロセキレイ』というらしい。

 昔は北の方にしかいなかったのが、最近、どんどん南下してきて定住しているんだとか。

 もしかしたら、そのせいでスズメがいなくなったんだろうか?

 

 改めて考えると、今まで普通にいると思っていた動物がいなくなってるって、結構、ある。

 例えば、カタツムリ。

 子供の頃は、ナメクジが大きくなったら殻を探して自力で被ってカタツムリになるんだとばかり思ってたが、彼等は別モノらしい。

 で、ナメクジは我が家の庭にあふれんばかりに繁殖してくれるのだが、カタツムリは滅多に御目に掛かることはなくなった。

 そう言えば、本当に何年も見てないな。

 日本のどこかにはナメクジが減って、カタツムリが大繁殖してる地域もあるのだろうか。

 人情としては、ナメクジよりもまだ可愛げがあるカタツムリに頑張って欲しいものだが……。


 でも、まあ、自然淘汰という言葉もあるしね。

 人間の計り知れないところで、きっと、ちょっとした生命力の強さの違いがあって。

 それが強い、というか、その土地により適応している種が自然に勝ち残っていくんだろうな。

 確かに、スズメよりも俊敏に走り回るシロセキレイの方が生存確率は高そうだし、カタツムリよりはナメクジの方がどこにでも入り込めていいかもしれない。

 残念だけど、カタツムリの殻って、防護力を差し引いても邪魔になるほうが多い気がする。

 

 同じ家に住んでいても、私だけがインフルエンザにかかる不思議……。

 なるほど。

 この理論で言えば、私が淘汰されるカタツムリ側だったわけで、別に不思議じゃないのか(笑)

 

 ちょっと命の儚さを思った一日だった。



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