出会い
「ふざけんな!!誰が飯を食わせてやってると思ってんだ!!」
親父は隣に置いてあるリモコンを持って俺に殴りつけてきた。
また、これかい。
俺は知らず知らずの内に親父のサンドバッグになっていた。
「…っ痛ー」
俺は金西市にある金西第二高校の1年、田村 尋斗。
このように、親からの家庭暴力を受けている。正直、泣きそうだ。自分だけこんな思いを受けて生きてるなんてね。よく学校ではこーゆーのをアンケートにしてカウンセリング的なのをやるけど、正直意味ないんだよなー。だってそんな事言っても解決するとは限んないじゃん。あー、ちなみにお袋は俺がチビの時に亡くなってる。過労死だって、じいちゃんは言ってた。
まあその原因はなんとなくわかる。それは俺の親父。
さっき見ただろ?あんなの、一緒に住めねぇーつーの。
家出?金が無い。警察?面倒になるだけ。自殺?お袋に会わせる顔がねー。
はぁ、こんなの、どうにもなんねーよ。
「そんなこと、ないよ。」
「⁉︎」
声?どっから?
ふと、後ろを見てみる。
「きみ、悲しいの?なんで、泣かないの?」
なんだこいつ、ーーー見た感じ、小3くらいか?
「別に、悲しくなんかーー」
「心が悲しんでるよ。」
…心?
「心?なんで?」
「ぼく、心がどうなってるのか、見ることができるんだ。だからきみの心がわかるんだよ。」
「え?」
「きみのその悲しみ、消すことはできないかもしれないけど、『解決』することはできるよ。」
「どうやってだよ…。」
そう俺が言うと、少年の手のひらから青い炎が出てきた。
「⁉︎」
「『蒼炎』、この力をきみにあげる。」
「『蒼炎』?」
「この炎は心にたぎる、思い、感情、性格だったりを燃やし、自分の行いを『省みる』ことができるんだ。」
「『省みる』ー。ー反省させるってことか?」
「反省とはちょっとちがう、もっとこうーー自分で自分のことを見るんだよ。」
「へぇー…」
そう俺は納得した。と、思いたかったけど、全然意味が分からなかった。何⁉︎心が見えるとか!そんなのありかよ‼︎
「って、いやいやいや何なんだよ!お前‼︎」
「ぼくのことを知ってどうするの?」
「どうもしねぇけど…」
「とにかく、悲しみを解決するにはこれしかないんだよ」
そう少年は言い、俺に手をさしのばした。
「きみはこれで解決できると思うよ」
「…」
…今、俺の中に二つの感情が燃えている。
一つは、不審感、奇妙な感じ…まだこいつの事を信用していないからだな。
二つ目は、好奇心。
俺はこれからどうなるんだという興味。なんだろう、わくわく?
そんな感じのーー子供みたいな感情。
そして、俺は覚悟を決めた。
「わかった。」
そう言った後、俺は少年の手を握る。
これで、いいのかな?
ーーーその時、俺の心がーーー
いや、『炎』が俺の全てを燃やした。
怒り、憎しみ、絶望ーーー親父の事とか。
で、色んな記憶が脳内を巡る。嬉しい事とか、悲しい事とかが。
そして、気づけば俺は泣いていた。
つづく
見て頂いた方、ありがとうごさいます。まだまだの所もありますが、もっとよくしていきたいと思います!
まだまだ続きますので、どうぞお楽しみに‼︎