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▼クリスマス特別編▼

8.5話です!

「光矢ぁぁぁぁ!」

相変わらずいきなり現れるいつもの女の子。

勢いよく開けられたドアから入ってくるのはもう分かってるだろうけど瑠美。

「今日はクリスマス!行きたいところがあるから行こ!」

開かれたドアからは廊下の冷たい空気が入ってきてベッドに寝転んでいる俺のところまで届く。

「とりあえずドア閉めてくれる?寒い」

自分が一体どんな顔をしていたかはわからないけどジト目とかそこら辺かな?

「あーごめんごめん。で、行こうよ!」

「どこに行きたいのさ?」

瑠美のことだから変な所言いそうだし先に聞いておくのが懸命ってものだよ。

すると瑠美は至って普通に

華星(はなほし)モール」

「華モかー。すごい大きいクリスマスツリーあるんだよねあそこ。そこならちょうどいいかな」

「ちょうどいいって?」

「うん、それはね…」

自分の方に向いていた画面を瑠美の方へと向ける。

「…あー、なる」

「卑猥だから『なるほど』は略さないで!」

「えへっ、ごめんごめん」




「うわー、すごい人混みだね」

まぁ今はほとんどが冬休みとかだろうし人が多いのには納得だけど。

「それにしてもまさか恋羽と煉華まで光矢を誘ってたなんて」

「まぁ私は瑠美ちゃんなら誘ってると思ってたけどね」

「まぁ人が多い方が楽しいしいいよ」

「………私は2人きりが良かったんだけど」

小さな声でボソッと恋羽が呟く。

「なんか言った?恋羽」

「いやいや何でもないよ。それより早くまわろうよ」

「そうだね、そうしようか」

恋羽の提案に瑠美が返事をすると2人は服の話をしているのだろうか、お互いの服を指さしたり自分の服をつまんだりしながら歩いて行く。

「煉華は今日は…静かだね」

「うん、今日だけは、ね」

いつもの元気いっぱいな煉華の姿がなく今日目の前にいる煉華はしっかりと標準的な女の子だった。いつもくくっている髪の毛も今日は下ろされていて中二病な発言もない。

「そうなの?」

よくわからなくて尋ねてみると

「うん。今日はいつもとはちょっと違うんだ」

「そうなんだ。まぁとりあえず行こうよ」

よくわからなかったけど瑠美達を見失うことは避けたかったし手を差しのべる。

すると煉華の顔はすぐさま真っ赤になり

「なっ、なな、何っ!?」

「この人混みだしはぐれたらめんどくさいでしょ?だから」

すると煉華は

「はぅ……あ、ありがと」

そう言って手をしっかりと掴む。

「やっぱり人混みは大変だね」

「…そ、そうだね」

人混みの中を歩いているせいで煉華の表情は見れないけど大丈夫かな?

煉華のことは手に任せ目線を進行方向に集中させると瑠美達が人混みを少し外れたところでこちらに向かって手を振っているのが見えた。

軽く手を振り返すと煉華に

「もうちょっとだから頑張ってね」

と言うが煉華からの反応はなかった。

どうしたんだろ?

そう思い人混みの中で頑張って振り返ろうとすると

「うわっ!」

いきなり後ろから腰に抱きつかれる。

「どうしたの煉華!?」

「あ、あの…」

ほんの少し間があいて

「………ふ、ふふ、ふふふふふ」

「煉華?」

いきなり笑い出す煉華に少し驚いた。

「我が友よ!我を約束の地へ送るペガサスとなるがよい!」

「……ふふっ」

驚いた後少しの笑みが自然とこぼれる。

「約束の地って、約束はしてないでしょ。あとせめて人間扱いしてよ」

「不満は受け付けぬ!」

「はぁ…はいはい。じゃあ行くよ!しっかり捕まっててね!」

「うむ!」

そして人混みをかき分けて瑠美達のいるところに向かう。

抱きつく腕の強さが強くなる。その時の煉華の顔がとても笑顔で、とても赤くて、とても可愛くて、恋する乙女の顔をしていたことを少年は知るよしもなかった。




「だいぶ暗くなってきたね」

もう既に街灯は灯されており気温も昼間に比べると一層寒さを増している。

「もうちょっとでツリーの一番上の星の点灯時間だね」

「雑誌とかで毎年取り上げられるほどのすごさなんでしょ?楽しみだなぁ」

そこまで遠くないこの華モだけどあんまり来ないから見たことないんだよね。

「あと5分くらいあるし私お花摘みに行ってくるよ」

「あ、俺も行きたかったんだ。2人は?」

「私は大丈夫だけど、煉華は?」

「私も平気」

「そっか、ならここで待っててよ」

「はいはーい、あんまりゆっくりしてると点灯見れないからねー」

「わかってるよ、じゃあ行こうか恋羽」

「そうだね」



「あっ!やっとあった!」

「ほんとにやっとだね、はやくしないと点灯しちゃうよ」

「そうだね」



女の子ってお花摘みに結構時間かかるよね。

着替えとかも時間かかるし、いろいろ大変だよね。

そんなことを思っている間に恋羽がトイレから出てくる。

「お待たせ、戻ろっか」

「そうだね、あと…1分で点灯だし」



「あれ?瑠美と煉華は?」

「いないね」

「ここで待っててって言ったのに」

ここ、というのは木の正面方向、方角でいうと木の北側。

「やっぱりあの2人は落ち着きがないね、特に瑠美ちゃん」

「本当にね、瑠美はもうちょっと落ち着いてくれないと困るよ」

「富士宮君はよく一緒にいるもんね」

少し拗ねたようなやっぱり何でもないような、そんな表情を恋羽がする。

「それよりもう点灯だよ!ちょっとドキドキするよ」

「そうだね、私もドキドキしてるよ」

その直後横から抱きつかれて

「えっ!?」

「いやー、サプライズハグもいいかなぁって思って」

「もぅ(あせ)らさないでよ恋羽ぁ」

「ふふっ…ごめんごめん」

そう発言したのはいつもとは違う笑顔をした恋羽だった。

その笑顔に少し見惚れて…

そして視界の端で勢いよく光が輝きだし

『おおおおお』『すごーい!』『綺麗だねー』

すぐさまツリーの方に視線を戻すとツリーの上の星は既に暖かさを含んだ光を華星モールに注いでいた。

「ありゃ…点灯見逃しちゃ………た?」

言っている途中に頬に柔らかな感触を感じて恋羽の方を見る…とそこには

「いやぁしちゃったねー」

と言いながら微笑んでいる。

その微笑みは俺には照れ隠しにしか見えなかったけど…

「この…は…?」

「日頃の感謝の気持ちだよ、受け取っておいてくれないかな?」

いきなりのことで頭があんまり回転しなくて口が勝手に

「…うん、わかったよ」

「ありがと」

「あっいたいた!光矢!恋羽!」

その声が聞こえた時体から恋羽の腕は離れた。

「もーどこいってたのさ!人に待っとけって言って帰ってこないとか!」

「え?あれ、ここって」

「ここは木の真後ろ!」

「………恋羽、真後ろだってさ」

「あー、間違えちゃったね。失敗失敗〜」

その時の恋羽の声がいつもより高かったような気がした。




「疲れたー、久々にいっぱい歩いたよ…」

お風呂からあがり自分の部屋のベッドに倒れ込む。

倒れるとすぐにエアコンの電源を入れ目を閉じる。

今日の煉華と恋羽はいつもとちょっと違ったなぁ…

頬にキスされた感触を思い出し急に恥ずかしくなる。

いろいろなことを思い出しながらくつろいでいるとドアが叩かれる音が聞こえて

「だれー?」

「私だよ〜瑠美ちゃんだよ〜」

「入っていいよ別に、鍵かかってないし」

いつもなら飛び込んで来るのに今日は大人しいなぁ、なんて思いながら言うと

「今クリスマスにちなんだコスプレしててね、だから開けれないんだよ。だから開けてくれない?」

なーんだ、そういうこと。それじゃ仕方ないね。

ベッドから起き上がりドアに近づく。

クリスマスにちなんだコスプレって言うとサンタかな?でも瑠美のことだし煙突のコスプレとかしてそうだなぁ、なんてことを思いながらドアを開ける。

「メリークリスマス!」

瑠美の発言と同時に瑠美が手に持っていたクラッカー4本が一斉に音をたてて紙紐などを飛ばしてくる。

「うわぁっ!びっくりした〜!」

「はっはっは!サプライズ大成功!」

「いや、確かに驚いたけどちょっと意味が違うような…というか…」

クラッカーにも確かに驚いたけどそれ以上に驚いたものがあった。

それはそう、瑠美の服装…コスプレ。

「それ、なんのコスプレ?」

禍々しい見た目の衣装から何のコスプレかが想像出来ないから直接聞いてみる。

「え、これ?サタンだよ!」

「はい?」

「サタン」

「……どういう経緯でクリスマスにサタンのコスプレをしてるのかを教えてくれない?」

主に黒いピチッとした服で胸元が大きく開かれおへそは丸出し、パンツが見えるくらいのミニスカ。スタイルがいい瑠美が着てるとまるで企画もののAVのよう。そんな服をどうして着ているのか。

「いやー、普通にサンタのコスプレしたら面白みがないじゃん?かと言ってトナカイとかも安直すぎるし。だからここは生き物に囚われないでおこうと思って煙突のコスプレしようとしたんだよ!ほら、私穴あるし!今のところは両方出口だけどそのうち光矢の入り口になる穴が2つ。だからそうしようかなと思ったんだけど煙突のコスプレとか意味わからなくてさ、それで考えてたらいつの間にかサンタがサタンに変わってて」

「なるほどなるほど、ってならないからね?全然意味わからないからね?あと下ネタ挟むのやめてくれない!?聖夜なんだから今は!聖なる夜なんだから!」

「でもインターネットでクリスマスは聖なる夜ともいうけど性夜…性行為の夜って言うとも見たよ。なんか1年間で1番SE〇が多いんだって!」

「そんなこと聞きたくなかったよ!」

「だから私達も今からS〇Xしよう!」

「会話についていけないっ!?」

「えー、瑠美ちゃん光ちゃんとエッチするの〜?じゃあ私も混ぜて〜」

「なんで文姉が!?というかなんで既に夜モードなの!?」

「3Pだね!盛り上がってきたぁ!」

「何も盛り上がってないから!」

「光矢〜」「光ちゃ〜ん」

全く違う2人のオーラが混ざりあって直に感じられる。

これは………無理だ。

押し寄せて2人の体に壁へと追い込まれてやがて……

「いやあああああああああああああ」

甲高い声が富士宮家に響いた。






メリークリスマスです!

みなさんはどのようにお過ごしでしょうか?

まぁこれを読んでる時点でクリぼっちということはほぼ確定してますがね^^*

まぁこの話を今日だけで書いた僕もクリぼっちですけど!

今回はクリスマス特別編なので本編にはあんまり関係ないですね!前書きにも書きましたが8.5話だと思っておいてください!

お正月にももしかしたら書くかもしれないです!その時は今回と同じように運ゲーでこちらか『メイドと幼馴染みの攻略法』のどちらかを選んで書こうと思います!

今回のようにこっちになるか『メイドと幼馴染みの攻略法』になるかはその時のお楽しみということで!

まぁ書かないかもしれないですけど…

ではこのあたりで!また次もよろしくお願いします!

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