▼癒しは危ない変態さん▼
ベタリと机に伏せている。
「おやおや?なんだか眠たそうだね、ていうか死にそうだね富士宮君」
首を傾けながらかそれとも傾いていないのかは目が、顔が机の方を向いてるからわからないが声で誰かがわかる。
この声は俺の唯一と言ってもいい癒し。
「おはよう恋羽」
「おはよう富士宮君」
顔を上げて声をかけてきた女の子の方を見る。かわいい顔、よく発達した胸、ほどよくくびれたウエスト、程々に出ているお尻、制服のスカートから絶妙な具合で見えている艶のある太もも、ほどよいふくらはぎ。恋する乙女漫画の主人公をゲットしそうなレベルの女子だ。
「眠たそうだね?徹夜?」
「うん、昨日はひどい目にあったよ」
本当に。
「なるほどなるほど。私の勝手な予測聞いてくれる?」
「いいよ、多分当てれないと思うけど…」
流石に瑠美のことは当てれても文姉のことは当てれないだろうな。そんなことを思っていた。それは大誤算だった。恋羽をなめてた。
だって恋羽のことは瑠美や他の人みたいにビッチみたいなことはほとんど言ってこないし、人よりちょっと他の人の情報を知りすぎているくらいしか思ってなかったから。だから…
だから恋羽が昨日あったことをほぼ完璧に知っていたことには恐怖すら覚えた。
「…なんでそんな細かいことまで知ってるんだ?」
流石にこれを言わずにはいられなかった。
昨日のトイレのこと以外が完全だったから。
「え、もしかして当たってるの?」
「え?」
「瑠美ちゃんのことと夜の文香ちゃんのことを考えて適当に私の中で作った冗談だったんだけど…」
しばらく目を見つめて
「……まじ?」
「うん。まじだよ…まさか私の中で相当酷く話を作って笑い話にでもならないかなぁと思ってたんだけどまさか笑える冗談じゃなくて笑えない真実になるとはね。てか富士宮君…大変だったね。ほら」
そう言うと手を広げていかにも飛び込んでおいで、と言わんばかりのポーズをとる。
飛び込みたい。今すぐにでも飛び込みたい。
恋羽は瑠美や文姉(夜)と違って常識を持っている子だ。
その子が今自分から胸に飛び込んでおいでと言ったんだ。普通の男なら飛び込むでしょ?けど俺はそこまで飢えてるわけでもないからここは遠慮しておこうかな。
「来ないの?」
癒しだあああああああ!
胸に飛び込んもうとした。
けど少し躊躇った。
やっぱり本能は抑えないといけない。そう思って。
「恥ずかしがりだね、富士宮君は」
すると向こうから抱きついてきた。
「ちょっ!恋羽っ!?」
後ろで髪の毛が触られてるのがわかる。
「富士宮君って男の子なのに髪の毛長いし綺麗だよね」
いい匂い…食べちゃいたいな。富士宮君ごと…
「ちょっと!恋羽?」
あれ、恋羽ってこんなに大胆なことする子だったっけ?……でもそっか、よくよく考えてみればよく抱きつかれてたかも。
「甘噛みっ!」
「ひゃあ!!恋羽!?何してんのさ!」
「ごめんごめん、なんか見てたら噛みたくなっちゃった」
「噛みたくなっちゃったって…こんなこともうやめてよ?驚いて裏声出ちゃったし」
ほんとに。今のシーンだけ見たら本当にただの女の子に見えてしまうから…
「それにしてもほんとに髪長いね。切らないの?女の子に見られるの嫌なら切ればいいのに」
「自分で切れるなら切りたいけど自分で切れないから…」
自分で切れたらすぐに切ってやるのにこんな髪の毛!
「自分でって、お店で切ってもらえばいいじゃん」
「お店はもう諦めたよ。どの店行っても短くしてくださいって言ったら、もったいないですよこんなに綺麗で似合ってるのにって言われて切ってくれないんだよ。店なんだからこっちの言うこと聞くのが普通だと思わない?」
普通店の人は客の言うとおりに切るんじゃないの?
「それはどんまいだね。まぁ店の人の気持ちもわからなくないけど」
「店の気持ちよりも俺の気持ちわかってよ…」
「ふふ…ごめんごめん。それよりもうそろそろ帰らない?」
「えっ?」
今なんて?帰る?まだ三時間目終わったばかりじゃ。でもそういえば周りには誰もいないし…
「あれ、もしかして気付いてない?富士宮君三時間目の途中から放課後までずっと寝てたんだよ?」
「………え」
「けっこうみんな起こしてたけど一向に起きないから途中から男子が普段できないことしてた。女子も」
嘘…そんなに寝てたのか俺。てか寝てるやつに何してんだよ!
「普段できないことって具体的には?」
聞くのが怖いけどこれは聞かなければいけない…気がした。
「えぇーと、女子は肌とか髪触ってたね」
なんだ、その程度ならまぁ…
「で、男子は?」
「……胸とか足とか触ってた」
「何やってんだうちのクラスの男子は!」
「あと本当に付いているのか、って確かめてた」
「…………」
俺もうお嫁にいけない…間違えた、お婿だ。
いや、行けなくてもいいや、お嫁に来てもらえばいいんだ!
「なんて、冗談だけどね」
「どこが!?」
「…最後のだけ、だけど」
「それなら良かった…」
あ、いいんだ?なら私も今度胸とか触ってみようかな。
「とにかく帰ろうよ」
「そうしよか。それにしてももう学校終わってから一時間くらいだけど恋羽は何してたの?」
「ん?えっと、まぁいろいろね」
「ふーん。じゃあ帰ろっか」
「そうだね」
「ふぅ……」
自分の部屋にたどり着いてすぐにベッドにダイブする。
自分の腕を目にかぶせて落ち着く。このポーズを見るといつも誰かが『何か嫌なことでもあったの?』と聞いてくるけどそんなことは無い。このポーズが単に落ち着くってだけの理由。
……あれ、これ恋羽の匂い…抱きついてきた時についたのかな?相変わらずいい匂いだよなぁ………ダメダメダメ!これじゃただの変態だ!
…それにしてもくっきりつきすぎじゃない?こんなによく匂うってすごいな。
まぁいい匂いだからいいけど。
ドアを静かに閉めるとすぐに着ていたシャツを脱ぐ。あらわになるのはよく発達した二つの胸を覆い隠す下着。
シャツをベッドに置くと次はスカートを脱ぐ。現れし艶かしい太もも、そして布一枚で覆われたお尻。
下着姿のままベッドの上に寝転がるとシャツを持ちそのシャツを顔の上に乗せる。
「富士宮君…いい匂い。本当に食べちゃいたい…」
左手を上の下着の内部へ、そして右手をまるで狐を作るように中指と薬指をくっつけて下の下着の内部へと侵入させて…
「んっ…!富士宮君………富士宮君の匂い……あっ………んっ!!」
「もう………もう…だめぇぇぇぇっ!!」
何かを成し遂げた少女は息を切らしている。
体が少しピクピクしている。
目で時計を見てその少女は驚いた。
もう七分も経ってたんだ…ずっと感じ続けて七分。いつもよりも長いのにいつもよりもずっと気持ちよかった。
「はぁ……はぁ………はぁ……」
なんでこんなに気持ちよかったんだろ…いつもは富士宮君のこと考えながらしてるだけだったけど今日は実物があったからかな。
頑張って富士宮君しかいない教室でシャツを着せ替えて良かった…シャツが男女同じで本当に感謝だよ。あと起きなかった富士宮君にも。起きてたら私もうそのまま押し倒して既成事実を作らなければならないところだったし。…案外それも良かったかも。
……この調子だとあと一週間はオカズに困らないかな。
チッ…チッ…チッ…
秒針が時を刻む。
最近はデジタルの時計よりも針の動く音が聞こえるアナログの時計の方が人気がある。どうやら秒針の音で癒される人が多いようだ。
だが今は癒されているわけではなく…
沈黙が、重い沈黙が二人を包んでいるだけだった。
その沈黙を、その重い沈黙を破ったのは…
「ねぇお兄ちゃん…その、昨日の…ことなんだけど…」
第三話です!
ちょっと暇があったので書ききりました!本当は明日投稿する予定だったんですけどね。
今のところ1話につき一人ずつですかね、登場してくる女の子は。他の女の子は最後にチラッと出てくるか会話でチラッとでてくるかぐらいですもんね。
次の話も多分そんな感じになると思います。
次はもう少し短いかもです!
投稿は明後日…か明明後日になりそうです!明日は無理です!多分!
ではまた次の話で!
あ、メイドと幼馴染みの攻略法、まだ行き詰まってます。ネタを思いつかなくて…
やばくなったらネタを募集するかもしれないレベルで思いついてないのでまだ待ってください!思いついたら書きますので!
では!