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▼始まりは夜の営み▼

普通の人なら既に寝ている時間であろう夜中二時。

教育機関により提出しなければならないという使命を与えられたせいでこんな時間までしこしこ画面と向き合って手を動かしている。

「今のこの二十三世紀には昔に比べて大きく変わった。科学技術諸々の進歩により今の時代ら昔の人では考えられないものになっている。

例えば植物。野菜や果物は収穫すると同時に収穫したところから新しい物が実る。つまり無尽蔵に取れるということ。なぜすぐに実るのかはまだ明らかにされていない。

つまり今の時代食料は無料で手に入る。

ではこの時代は働かなくても生きていけるのか?

答えを言うとイエスだ。

しかし働くことに意味がないことは無い。

働いている者にはそれ相応の報酬が与えられる…っと」

椅子の背中にもたれかかって体を伸ばす。

「あぁ疲れた…とりあえずちょっと休憩するか。レポートだるすぎる…なんで指定された題が今と昔の相違性なんだよ」

「あっ終わった?じゃああたしといいことしようよ!」

俺しかしかいないはずの俺の部屋からなんで他の奴の声が聞こえるんだ!?

てかこの声…

「ねぇねぇ、いいことしようよぉ」

「うおっ!!」

後ろを振り向こうとする前に飛びつかれて床へと倒れる。

「おっ、これはまさに騎乗位の姿勢だね。ラッキースケベで騎乗位とは…ねぇ!そのまま腰を振ってみてよ!」

ちょ、性器と性器が!これはダメだって!

てかこいつ何言ってんだよ!頭おかしいんじゃねぇの!

「やめろ!どけろ!何がラッキーだ!完全にどっかのアホの故意があっただろ!」

体の上から振り下ろそうとする。

「あっ、そんなに激しく動いちゃ……あっ…いっ…ちゃう」

「変な声出すんじゃねぇ!処女のくせに!」

そう。振る舞いが完全にビッチだがこいつは処女だ。

「そんな事言ったら光矢(こうや)も童貞じゃん」

「俺は変な声出してないし!」

「なーに言ってんのかわかんなーい」

あぁもうくっついてくるなついでにズボン脱がそうとするな!

「小学生からやり直してこい!」

思いきって突き飛ばす。

ベットへと綺麗にダイブして…

「やぁーん光矢ったら…床じゃ嫌だからベットに突き飛ばすだなんて。言ってくれたらすぐに移動してあげたのにぃ」

「うるせぇ!不法侵入で警察に連絡するぞ!」

「ざんねーん!今の時代女の子が不法侵入なんて男が警察に連絡したら妄想乙って言われて電話切られるよーだ!」

「警察はそんな雑な言い方しねぇよ!!」

妄想乙なんて中高大学生くらいしか言わないだろ!

「あぁもうごちゃごちゃうるさいよぉいいからはやく服脱いで!さ!さ!レッツパーティー!!」

「お前もう小学生からやり直さなくていいから母親のお腹の中で卵子と精子が出会うところからやり直してこい!」

こいつはもうダメだ。生まれるところからやり直さないとこの馬鹿は治らない。

「そうだ!じゃあ今から私のお腹の中で私の卵子と光矢の精子で子供を作ろう!」

「そうだ!じゃねぇんだよ!!!」

はぁ…こいつの相手をするのは疲れる。

とりあえず飲み物取りに行こ。

「ん?どこいくの?あっ、ローション?」

「飲み物取りに行くんだよ」

「喉乾いたなら私のおしっこ飲む?」

「誰がそんな汚いの飲むか!」

「あっ、知らないんだ!おしっこってそこまで汚くないらしいよ」

えっ、そうなのか?でも飲みたくねぇ!誰が好き好んで人の尿なんか飲むかよ!

「あっそ」

部屋から出ると階段をスタスタと降りていく。

「ふふーん。何かして驚かせてやろう……そうだ!」


「あいつの分……持っていってやるか」

コップ二つとペットボトルを持って階段をスタスタと上がっていく。

『あんっ…だめっ…!!あぁぁぁぁっ!!いっちゃうううう…』

ダダダダダバタン

「おいこら何してやがるこらおいごら!」

「何って、驚かせてやろうと思って大音量でAV流してるだけだけど?」

こいつ…そこらへんのビッチなんて比にならないことしやがるな。処女のくせに!

「アホか!そんな大音量で流したら家族に聞こえるだろ!」

親にAV見てるなんてバレたらなかなか辛いぞ。いや、多分親も見てるだろうなぁとは思っているだろうけど。

「大丈夫だって!お母さんから光矢の性教育よろしくね!って言われてるもん…ってどこいくの?」

「なぁ瑠美(るみ)。俺が刑務所に入ったとしてもたまに面会来てくれよ…」

体は既にドアのところまで来ていた。

「待って待って!お母さんを殺そうとしちゃダメだよ!そんなことするくらいなら私と遊ぼうよ!」

「止めるな。俺にはどうしてもやらなきゃいけないんだ!」

「何昔のヒーローみたいなこと言ってるのさ!そんなに騒いだら文香(ふみか)ちゃん起きちゃうよ?」

「っ…!!!」

それはやばい。今起こすのは危険すぎる。

大音量のAV。下着姿の瑠美。

ダメだ…絶対に大変なことになる。

「…わかったよ。母親を殺すのはやめとく」

「ふぅー、よかったよかった」

「とりあえずその動画止めろ、うるさい」

「ちぇー、仕方ないなぁ」

今の時代キーボードや画面をタッチ、なんてことしなくてもいける。

画面を見て何をしたいかを思うだけで勝手に端末は思った操作を実行してくれる。

「……はい、止めたよ」

「まだ止まってない」

「いや、だからあの動画止めたってば」

なっ、こいつ…!

「他の動画も全部止めろ!」

「えぇーあと七個もあるんだよぉめんどくさい」

「なら電源切れ!」

「もぅ…はいはい。その代わりいいことしてね」

「してやるから!」

俺にとっていいことだけどな。

誰にとって、とは言ってない瑠美が悪いよな。

「はい、消したよ」

「ほい、それじゃ…………あああああああああああああああ!!!!」

うわっやってしまった忘れてたまじ死にたい絶対に残ってないよな…

「うわっ……どうしたのいきなり発狂して?」

「レポート保存してない…」

「あっ…………ほらっ!そういうときこそいいことして忘れようよ!」

「…仕方ないな」



ベットがギシギシと(きし)む。

「光矢ぁ…っ!出して!出して!」

布団で声が抑えられてだいぶましになった。

よかった…対瑠美用に手錠買っといて…

でもそうだな、次からは喋れないように猿轡(さるぐつわ)でも買っておくか。

そんなことを考えながらレポートを進める。

「えぇーっと…働くことによって報酬が与えられるまでは書いたから…こんなことばっか言ってたら見てくれる人つまらなくてやめそうだな。ん?見る人って誰だ?…教師か。ならいいや。報酬というのは昔と変わりなくお金だ。でも食料が無料ならお金なんていらないのではないか?そう考える人もいるだろう。

だがこの時代、お金は大事だ。食料が無料になったことにより働き手が少なくなると考えた政府は物価を一気に引き上げた。ざっと昔の三倍くらいに。

それとともに趣味に生きづらい世界となった訳ではない。

なぜなら物価が高いおかげで収入もより高くなり大して変貌は見られなかった。

ただし働いていない人からするととんだ大迷惑だった。

そう…生きるために働く必要はなくなったが趣味をしながら生きたければ働かないといけない。そういう時代へと変貌した。

昔は『社畜』と言われた人がいたらしい。生きるために会社に尽くしている人達。だが今はそんな人全くいない。定時退社は当たり前、出社時間は十時。定時退社も殆どは午後五時と決まっている。昔の人からすれば今のこの時代は憧れだったんじゃないだろうか?」

自分が書いた文章を見る。

「光矢ぁぁ!出せぇぇぇ!」

「んー…やっぱ俺文章書くの下手だわ。何が言いたいのか自分でもわからない。でもまぁいいや。これだけ書いたら頑張った評価ぐらいもらえるだろ」

「光矢ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ベットがさらに軋む。

そろそろうるさいな。

椅子から立ち上がりベットの側に立つ。

覆っていた布団を取ると

「あっ、光矢!何何?私を束縛して身動きできないままイかせてくれるの?やぁ〜ん、私抵抗できなぁーい」

枕を素早く抜き取るとそのまま顔めがけて

「うるせええええええ!!!」

critical hitの文字が頭上に出てもいいくらいの一撃だった。

ベットが振動しその振動が床に伝わる。

「瑠美…?おーい」

ちょっと強くやりすぎたか?

でも大丈夫。返事はないがただの屍にはなっていないはずだ。

「光矢!光矢の匂いだ!」

「気持ち悪い!!!」

再びcritical hit。

しかしもう一度この一撃を与えたのは大きなミスだった。

「もぅ…光矢ぁ。枕もなかなか痛いんだよ?」

「やめて欲しかったら黙ることだな」

「あっ、でも光矢に叩かれるのも案外好きかも…ポッ…」

「何がポッ…だよこの変態!」

「あはぁん、もっとやってぇ」

「きもい!!」

枕で叩くと変に喜ぶので叩くのをやめて言葉で責める。

「光矢、顔は女の子みたいにってか女の子以上に可愛いのに性格は野獣だよぉ」

「お前がそうさせてるんだろ!!」

「行動も野獣になってくれればいいのにぃ」

「断る。そもそもこの顔けっこう気にしてるんだから言わないでくれ」

この顔のせいでなんど男に告白されたことか…

コンコン

「光ちゃーん、入るねー?」

「えっ…」

やべ…さっきの振動で文姉(ふみねえ)起こしてしまったっぽい。

これはまためんどいことに…

ドアを開けた姉の目に映ったのはこんな時間に下着姿の女の子が自分の弟の部屋にいる、ということである。

しかも手錠でベットに固定されて。

1話です!

もう一つ同時に書き進めてるので投稿はそれと交互になるかなぁと思います!

片方がきりのいいところまで行ったらこっちを専念しようと思いますけど

ではまた次回で!

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