豚顔化ウイルス 1%は豚顔人間に
その昔、豚インフルエンザなるものが流行したのをご存じだろうか。
豚の体を媒介としたインフルエンザである。
しかし、なんてことはない。最悪の場合、死に至ることもあるが、普通のウイルスとそう大差ないのだ。
せっかく豚を媒介とするんだから感染した人間が何かしら豚化するような要素があれば面白いのにと、昔から思っていたんだ。
そんな願望が、現実となる時代が来るとはな。
20XX年、地球に新種のウイルスが誕生した。
豚の体を媒介とした新種のウイルスである。
それだけなら、豚インフルエンザみたいなものだろうと片づけていたが、なんとこのウイルス、感染した人間の顔を、豚顔に変えてしまうのである。死に至ることもないし、体調に変化が起きるわけでもないのだが、とにかく顔が豚顔になってしまうのだ。ネットで、隔離された海外の感染者の顔を見ると、本当に豚顔である。今でも豚に似た顔の人とかいるとは思うが、その比ではない。
それこそ、養豚場から脱走してきたんですか!?
って言いたくなるような見事な豚顔である。
顔が豚になるだけで、体は人間のままらしいが、
こんな風になったらショックが大きくて生きていられないだろうなと思っていた。
そうこうしているうちに、日本にもウイルスが襲来してくるようになる。
日本政府の緊急記者会見がテレビで放映される。
内閣総理大臣「国民の皆様、残念なことに我が国にも、いわゆる豚顔化ウイルスと呼ばれるものが迫ってきています。このウイルスは移動速度は遅いものの、撃退する術はなく、Wか月後には日本に侵入し、そしてXか月後には日本全土を覆ってしまうでしょう。」
研究者「しかし私たちは、このウイルスに対するワクチンの開発に成功しました!! このワクチンを摂取してもらえれば、ウイルスの影響を受けずに平穏に過ごせます!!」
内閣総理大臣「ただし・・・・ですね。このワクチンを作るための原材料は日本に、少なくはないんですけど、全員分用意できるほど多くもなくてですね・・・。えー、まことに言いにくいのですが、最終的に、国民の約1%の方には豚顔になってもらうことになるでしょう。そしてその1%を決める方法なのですが、まず、対象をある程度意思疎通のとれる小学生以上とします。そして小学生以上の全員にネットでくじを引いてもらい、そこで2%に絞ります。くじだけで全てを決めてしまうのは横暴な気がしますので2%としました。そして、その2%に当たってしまった人が2人1組で何かしらの勝負をしていただき、勝った方はそのままの顔で、負けた方は残念ながら豚の顔になってもらいます。」
政府の緊急記者会見を聞きながら、俺は驚きに満ち溢れていた。
内閣総理大臣「もちろん我々政治家も、平等にくじを引きます。総理だから大臣だから免除されるということはないのでご安心を。それと同様で、美人やイケメンの多い芸能人の方も平等にくじを引いてもらいますので。」
研究者「海外では感染した人が隔離されている報告がありますが、我が国の研究の結果、ワクチンさえ摂取していれば感染者である豚顔の人と一緒にいても何をしても、それこそ例えばキスをしても感染しないことが証明されています。ですから、不運にも豚顔になることになった人も、絶望などせずに、安心して豚顔になってください。」
いやいやいや、あんな顔になったら絶望するし、隔離されないとはいえ、普通の99%の人間側が避けるだろ!!
と心の中で、つっこんでいたと同時に、大変なことになったな!!と感じる俺がいた。
数週間後、ネットで全国民対象のくじ引きが開かれた。
それこそ、あみだくじで1番から1億番まで割り振られており、番号を早いもの勝ちで選ぶというシステムだ。うち200万人は、2%を引いてしまう。しかし、こんなの数字を考えるだけでめんどくさそうなので、クイックピックを選択する。
数時間前に既に引き終わっていた友人たちも6人ほどいるが、ほとんど皆クイックピックで、セーフだった。だから、これで何も問題ないだろうと思っていたら・・・・
2%を引いてしまった・・・・・。
こんなことなら、まだ自分で適当にでも数字を選べば良かったと後悔する俺がいた。
そして数週間後、2%を引いてしまった人あてに国からのメッセージが送られてきて、今後の予定などを含んだ動画が添付されていた。
司会者「えーみなさん、この度は2%を引いてしまい、まことに不運なことと思います。しかし次の勝負で勝てば50%の人は、問題ありませんので、そう思いつめないでください。」
司会者「そして今後の日程ですが、まずは2%に当たった小学生どうしの戦いを行い、次に中学生、高校生、社会人どうしの戦いを行っていきます。なぜ一緒の期間に行わないのかって? そう思ったあなたは鋭いですね。国の説明では一応、豚顔になっても隔離されず安心して生きていけることになっていますが、皆さんも海外のケースでご存じの通り、あの顔ですからねぇ。それこそ、家族の中の1人だけ、あの顔になったら虐待等も起こりかねないという心配があります。それをなるべく防ぐためにも、まずは愛らしい存在である小学生から行い、負けた子供の家族の意思を確認するような期間を設けていきたいと思います。それこそ子供が、特に1人っ子だった場合、この子だけを豚顔になんてさせておきたくない!!ということで両親がワクチンの権利を捨てて、豚顔になる希望を申請するかもしれませんしね。」
司会者「そして本来なら豚顔化ウイルスの襲来はもう少し後なのですが、逃亡や不正を防ぐためにも負けた人には、豚顔化ウイルスで充満した部屋に移動してもらい、豚顔になってもらいます。その方が親御さんたちの決断も早いでしょうしね。」
司会者「そして、今この動画をご覧になっている2%の人には、自分の番が来るまで小学生や中学生どうしの対決とその結果について放映します。と言っても無作為に抽出して、日に5組までとかですけど。そういうのを見て、自分の時の参考にして下さい。」
司会者「そうそう、言い忘れてましたけど、さきほどの、両親が豚顔になる希望を申請した場合の、キャンセル待ちについては、後ほど、またあみだくじをお送りします。1番から200万番まであるので好きな数字を選ぶかクイックピックで選んでください。」
司会者「それでは、皆様の健闘をお祈りします!」
そこで、動画は終わった。動画が終わると同時に、国からのメッセージが届いてきて、キャンセル待ちのあみだくじが送られてきた。前回みたいに後悔しないと思い、自分で頭に浮かんだ数字のあみだで行うも、結果はキャンセル待ち200万人中198万2567番目。
これは、ほとんど絶望に近いだろう。
こうなったら、やるっきゃない!!!と思うしかなかった。
翌日より、小学生の部が始まったが、何となく見る気になれなかった。
小学生の部が終わって、キャンセル待ちの番号を見ると、あと153万4521番目と表示される。けっこうな親が豚顔になることを選んだんだなー。人数的に親だけじゃなく兄弟とか祖父母とかも豚顔になったのかもな。
くじは無作為だったので年齢的なデータの偏りがあったかもしれないが、それにしたって小学生の当選は多くても人口の5%ぐらいやろ。
つまり実際に豚顔になった小学生は多くても5万人。その両親が豚顔申請をしたら10万人、そして豚顔にならずに済んだ5万人の総計でも20万人ぐらいしか減らない気がする計算だが。
あれかなー、可愛い可愛い末っ子が醜い豚顔になったので、家族揃って豚顔になるような感じか。
中学生の部も終わって、あと122万3241番目。
その時も、親とか家族ってそういうもんなんかな。でも俺が親ならまだしも、兄弟ぐらいの関係で、末っ子と同じ醜い豚顔になれるだろうかとか考えては、いや俺は無理だろうなと思っていたり。
自分の置かれた環境にナーバスになり、放送を全く見れていなかったが、社会人の部が始まるまで、あと少しだし、高校生の部は見てみることとした。
ちょうど女子高生2人の対決で、自己紹介などの話を聞くに、同じ高校でしかも同じクラスのようだった。
2人の容姿の差が激しく、1人は、「アイドルグループにスカウトされたから、ここで負けるわけにはいかないのよ!!」と自己紹介で言うほどの美少女だった。
そしてもう1人は、いわゆる豚に似ている顔のブスな女の子だった。
勝負前のトークで、美少女は泣きそうになりながら、
「わたしはアイドルとして活躍できる顔なのよ。だからブス!あんた元々豚みたいな顔してるんだし、棄権して豚顔になりなさいよ!!!!!」と号泣しながら言っていた。
ブスな子の方は
「そうは言っても、あんな醜い豚顔になんてなりたくないわ。」と冷静に返す。
それを見ながら、美少女の子も、たぶんだが普段はこんなに性格悪くないんだろうな・・・。でも、この極限状況に置かれたら、そうなっちゃうのも無理ないのかなと思ったり。
勝負の方法は、お互いに共通の得意なことがない場合、じゃんけん一発勝負で決まることが多く、今回もそうなった。
美少女「おいブス!聞いてんのか! 負けろよ。パー出すからグー出せよ!」
と大泣きし、このままいくと失禁するんじゃないかってぐらい震えていた。
そして運命のじゃんけんの時間。
結果は・・・・
美少女「パー」 ブス「チョキ」
美少女「イヤァァァァァァァァ!」
そして美少女は放心状態となり、その場に倒れて厳重な防護服姿の係員に誘導される。
そのウイルスが充満しているらしき部屋に美少女が着き、我に返る。
美少女「嫌だ。わたし、あんな醜い豚顔になんかなりたくない(泣)!!! お願い、私のことブスに整形してもいいから、あんな顔にだけはしないで!!!」
という訴えもむなしく、美少女は部屋に入れられる。
係員も仕事とはいえ、非情だな・・・。
部屋に入って数分後、美少女の顔に変化が起きる。
美少女はその急な変化に気を失ったようだが、見ているこちらにはその変化が分かった。
ぱっちりとした大きい目は細くなり、自慢の高い鼻も上向く、小顔だった顔にも肉がたらふくついて、口も人間の口ではなく、人間視点から見ると牙みたいな感じに変わっている。
そしてさっきまでの美少女の面影はなく、完全に、養豚場から脱走してきた雌豚ですか!?
という顔になっている。
これは、キツイなぁ・・・俺ももう少しするとこうなる可能性があるのか・・・・・と恐怖に脅える日々が始まった。
2%を引いてから、俺は結婚も考えている彼女と毎日会っている。
彼女は、「もしも豚顔になっても、君と結婚するよ。」
と言うてくれるけど、ほんまやろかという疑念が消えずにいた。
そうこうしているうちに決闘の日になってしまい、彼女に元気づけられながら指定会場に行き、入り口の受付で彼女と別れる。
彼女「結果がどうあれ、私の気持ちは変わらないから!」
その言葉を噛みしめて、俺は会場に入る。
そして・・・対戦相手は、
なんと・・・高校の同級生のKだった。
Kは高校卒業後少しして結婚し、今では4人の子供がいる立派なパパだ。
俺と彼女は高校からの付き合いであり、Kも彼女のことを知っている。
そんなKが相手だったので出てくる言葉も予想通りなところもあったが、頭に血がのぼってしまった。
今、振り返るとそれこそがKの作戦だったのかもしれない。
K「なぁ。頼む棄権してくれよ。俺には4人の子供がいるんだぜ。幸い、俺以外は家族の誰も2%を引いていないし、俺だけがあんな醜い豚顔になるのはごめんなんだ。だから、なぁ棄権してくれよな。」
俺「いやだ。俺も彼女と幸せな家庭を築くんだ。」
K「だからこっちには子供がいるんだって。子供を育てる父親があんな醜い顔になったら、いろいろ困るだろ。お前はまだ子供もいないんだから、いいじゃないか。」
そして次の一言で、頭に血が上ってしまう。
K「それに、お前の彼女ってブスじゃねーか。あのブスなら、お前が豚顔になってもお似合いのカップルでうまく行くと思うぜ!」
確かに彼女はお世辞にも綺麗ではなく、ブスな部類に入る存在だった。
とはいえ、中身に惚れたのだ。
そんな彼女を罵りやがって、お前なんかグーで殴ってやる。
K「仕方ねーな。じゃんけんすっか。お前らがお似合いの不細工カップルになるように親切に言ってるのによ。」
こんちくしょーっ、グーで殴りてぇ。
審判員「では、開始。じゃーんけん!!」
俺「グー」 K「パー」
K「はは、お前って単純だな(笑)。」
その瞬間、俺もあの放送の美少女のようにその場に崩れ落ちる。
気が付くと、あの部屋の前だった。
俺「まーでも、彼女は俺が豚顔になったって結婚してくれるって言ってたしな。」
とぶつぶつ独り言を呟きながら、部屋に入れられる。
何だ、何も起きないじゃないかと思ったのも束の間、
顔が熱くなって気を失う。
気がついて、部屋の外にある鏡を見ると、
「えっ、これが俺の顔・・・」
と驚いた。
鏡にうつっているのは、どう見ても養豚場にいそうな豚と遜色ない顔である。自分で手を動かしてみて、それが鏡で確認でき、絶望する。
あ・・・・俺、本当にこんな醜いモンスターになっちまったのかと。
とはいえ、彼女はああ言ってくれたんだし、たぶん大丈夫だろうと思いながら、待ち合わせの場所に着く。
俺「ごめん。こんな顔になっちゃった。この顔のせいで、君に迷惑かけることも多いだろうから、今後は今まで以上に家事も仕事もするよ。」
そしたら、彼女はキョトンとした目で、こっちを見ている。
俺「ど、どうしたの?」とおそるおそる聞くと、
彼女「ごめん。今日の朝までは、あなたがもし豚顔になってもって言ってたんだけど・・・今あなたの顔を見て分かったわ。生理的に無理よ。ごめんね酷い女で。」
俺「え、え、え、え、え、え、」
俺が呆然とする中、彼女は続ける。
彼女「自分がブスなのを棚に上げてしまうようで悪いんだけど、だってあなた、人間の顔じゃないもんね。あなたがもしどんなブサイクだったとしても一生の人と巡り合えたから顔なんて関係ないわって今日の朝まで思ってたけど、あなたの今の顔を見て、本当にごめんなさい。冷めちゃったの。あなたと幸せな家庭を構築できる自信がないわ。」
俺「ま、ま、ま、ま、ま、ま、待ってくれよ(泣)」
彼女「本当。酷い女だと思うわ私。でもはっきり言ってね、正直あなたみたいなモンスターと一緒にいるのを誰かに見られたくないし。というか、単刀直入に言うと、キモイのよ。二度と近寄らないで。」
俺「そ、そ、そ、そ、そんな。」
彼女「ストップ! これ以上近づくと、警察に通報するわよ。それこそ、言葉通りブタ箱に入ってもらうわ。」
俺は何が何だが分からず、その場にうずくまった。
数時間うずくまった後、我に返り、この現実を受け入れるしかなかった。
しかし、こんな現実受け入れられないと思い、こうなったらもう食うしかねぇ!!
体型まで豚になってもいいわって感じで、家の近くのコンビニで買えるだけ食料を買うこととした。
コンビニに入ると、客や店員からの軽蔑するような視線を感じはしたが、気にする余裕などなかった。
職場の上司にも、「俺、モンスターになったんで辞めます」と言い、あらゆる電話を拒否設定とした。
そして食っちゃ寝を繰り返した。
普通の人間だった頃は174cmで54kgとガリガリだったのに、1か月後、体重計に乗ると82kgといい感じの豚になってきた。
もう、豚でいいもんと開き直るも、
テレビなどを見て多数派である人間ばかりが、うつったものを見ると、やっぱ俺って異常なんだな。もうダメなんだろうなと鬱になる。
テレビなんて見ても鬱になるだけだ!
ネットにこもろう!
そしてある動画サイトで、
「雌豚です」というコミュニティの放送を見つける。
どうせ、普通の人間が自虐的とか面白がって雌豚って言っているだけだろ!とイライラしてクリックしたが、その放送には本当に、俺みたいな豚顔をした雌豚顔の女性が映っていた。
雌豚「みなさん、初めまして。雌豚です。放送見ている人が分かる通り、私は雌豚です。2%を引いて、勝負にも負けた、豚です!!」
と笑顔で話す雌豚さんが映っていた。
なんでこんなに楽しそうに言えるんだ??
コメントでは、
「うわー豚きんめー」
「養豚場に帰れよ」
「見たまんまの豚でワロタ」
「キモイです」
などと冷やかしのような非難たっぷりのコメントが流れていた。
そんなことも意に介さず、笑顔で雌豚さんは、
雌豚「わたし、前はこんな感じだったんです。」
と昔らしい写真を見せる。
コメントでは、
「嘘つけー」
「顔だけじゃなく体型が全然違うやん」
「詐欺乙」
のオンパレード。
そして、ふと気づく。
あ、あの時の美少女女子高生じゃねーか(驚)
雌豚「本当なんですよ。ただ私、豚顔になったストレスでやけ食いして50キロ以上太っちゃっただけなんです。」
とお茶目に語る雌豚さん。
コメントでは、
相変わらず
「豚きんもー」
「豚が可愛いような言い方するとマジ腹立つ」
「おいおい、体型まで豚になってどうすんだよw」
「もう、肉になれや」
と棒読みコメントで流れている。
ただ雌豚さんはそんなことも気にせず、
雌豚「私がこうやって放送することにしたのは、全国にいる豚顔の仲間に会いたいと思ったからなの。いくら、国では隔離するな差別するなと言われていても、実際はされているでしょ。そういう人とつながりを持てたらと思ったの。ゆくゆくはオフ会とかできたらなぁと思って。」
コメントでは、
「他の豚見てるのー」
「人間は行くなよ。喰われるぞ。」
「養豚場オフ会かー。臭そう。」
「豚どうしでくっつくのか。お似合いだな。」
「子供が産まれても醜い子豚だろ。」
などと流れていたが、俺もそれを気にせず、雌豚さんが言うオフ会情報だけチェックし、数日後、そのオフ会に行ってみた。
場所は地方都市であり、車で1時間以上かかった。
しかしワクワクが止まらなかった。
会場では雌豚さんというか、雌豚さん以外の雌豚もいて、
凄くワイワイガヤガヤしていた。1%すなわち100人に1人と考えてしまうと少なく思えるが、日本全体で見れば豚顔になったのが100万人いるのである。
そういう会に参加するにつれ、俺自身、豚顔人間の視点になってきた。それこそ多数派の人間のアイドルなどに可愛いとか感じなくなった。逆に、人間だった頃はモンスターだとか思っていた豚顔人間に、イケメンや美少女がいることに気がついた。
おそらく多数派の人間目線では、同じような顔した醜い豚どもが気持ち悪く恋愛してるようだって感じにうつるんだろうけど、豚顔人間の視点というか目線になると、1人1人の顔が違うということに気づけるというかね。
そうこうしてるうちに、普段のストレスやお互いの悩みなんかも話し合えて、何人かの豚顔女性と親密になった。そしてその中の1人と恋におち、
数年後、可愛い可愛い豚顔の子どもを授かった。
「やっぱり遺伝子レベルで豚顔になっているのかな。」
と二人で笑いながら、可愛い可愛い豚顔の子どもを何人か授かり、幸せな家庭をもっている。
上の子どもが10歳になる頃には、国からの教育というか洗脳も進み、割と自然に生活できるようになった。
もちろん心のなかでは豚顔人間を忌み嫌っている人間は多いだろうけどさ、普通の人間と豚顔人間の結婚とかも増えてきている。
たまに以前の彼女を見かけるけど、俺、なんで、あんなブスのことが好きだったんだろーなぁと不思議に思う。
あのブスは未だに独身なようだ。ブスでかつ、恋愛下手なために、結婚というか恋愛の気配もない模様。
と、最後に毒を吐いたけど、俺の味わったものに比べればこんな毒ぐらい大したことないさ。
ま、今はあのブスのことなんて本当どうでもいいけど。
ホント、今の嫁や子供と出会えて俺は幸せだ。
豚顔になって、本当によかった!!!!!
一応、ジャンル的にはSFなのかな?いや微妙だなと思っています。たぶんキチ扱いされると思いますが、自分的にはこういう新種のウイルスが出てきて豚顔に変えられたい願望あります。ちなみに文中に出てくる174cm 54kgって今の自分の体型です。豚じゃねーじゃんwwって突っ込み受けるかもしれませんが、理想は豚みたいな体型ではなく、豚みたいな顔なんでね。そういう顔に産まれてきたかったとか思うこともある変人が自分です。