後期型ガロツⅢ、イズロツ、ハルツィス専用イズロツ他
形式番号…AWGT-13
機体名称…後期型ガロツⅢ
全長17.73m
重量46.9t
武装
22㎜側頭部レーザー砲×2
90式高エネルギー・レーザード・ライフル
大型レーザー・ブレード
コーティング・ソード
腰部バースト・リニア・キャノン×2
簡易プロフ
AWGT-12ガロツⅢの後期生産型であり、改良によって総合性能が向上している。
カメラアイの数と武装以外はガロツⅢと大差ない外観。
本来ならば、こちらがイズロツになる予定だった機体でもある。
前線の兵士達が挙げた不評で多かったのがFC装甲の激しい電力消費と限定的な展開しか出来ない点、電力消費を秤にかけて抑えられた火力であり、衛連技術者達は本部の許可を得てイズロツ開発計画と並行し本機の改良プランを立て、僅かな予算を捻出して進めたという。財政難により限られた予算と資材しか捻出できなかった事もあってか、先行して組み立てられたプロトタイプ・イズロツはどう見ても新型というより、ガロツⅢを再設計したものにしか見えない代物であり、これを見た衛連の上層部は嘆息し、トワール財団の要求を呑む事を決意したという。
トワール財団が衛連の財政難を救い、多額の開発資金を用意した事と、トワール財団が抜擢した多くの人材を開発チームに投入し古参の開発チームとで意見が割れた事、ヴィクス・トワールの「その古き殻を脱ぎ捨て、新しき身を創造するべし」という言でイズロツ開発計画は一から見直される事になり、プロトタイプ・イズロツはトワール財団に反発した開発チームが僅かな予算と共に進めることになったガロツⅢ改良計画に引き継がれ、後期型ガロツⅢ開発計画と名を改めて進められたという。
こうして早い段階で完成したのがイズロツにつけられる筈だったAWGT-13の形式番号をもらった後期型ガロツⅢであり、前線の兵士達の好不評を反映してできる限りの努力がなされている。
元々が量産を前提にした低コストの動力故に動力源の強化・改良は芳しくなかったが、FC装甲の激しい電力消費を抑える為の省エネ化には成功しており、これによって消費電力が7%程カットされた。
それによってFC装甲の展開時間も若干の延長がなされ、更に展開時間超過による強制終了の形式をリミッターによる段階減圧式にした事で衝撃を受けた際のネェル・ナノマシンの損壊具合を最小限にする工夫が加えられている。(これは初期改良型や中期型のFC装甲にも採用され、後期型投入以降は後期型供給と引き換えに初期改良型や中期型を引き取り、換装・調整作業が行われたあとに各隊へと回された。これらは初期改二型、中期改良型とも呼ばれる)
武装は威力の割にはエネルギー消費の激しいプラズマ・ウェポン・システムを廃止し、代わりに大型レーザー・ブレードを搭載してコーティング・ソードが折れた時に備えた。
87式高エネルギー・レーザード・ライフルは、新型の90式高エネルギー・レーザード・ライフルに変更され、87式よりコンパクトで軽量になっており、威力も若干増した上に射程と命中精度も向上している他、銃身の一部にFC装甲を用いた事で耐久性が増した。
腰部レール・キャノンは高威力で扱いが容易なバースト・リニア・キャノンに変更し、火力不足に対する措置も取られている。
大気圏内戦闘で発覚した脚部関節の問題とステルス性の半端さは多少の改善が図られ、それに伴って防塵機能や耐候性の強化と通信機能と悪天候時の視認性も改善がなされている。
ガロツⅢと比べて全体的にバランスよく仕上げられているが、それでも前線の兵士達にとっては以前と大して変わらないとの不評が相次いだのと、量産型イズロツの開発が優先されたのもあって、生産数は中期型と比べて少数で打ち切られた。
しかし、コクピット・システム周りの改善による操縦の容易さや汎用性の高さはガロツⅢよりも評価されており、量産型イズロツが主流になった後も第一線を張ることがあり、ほかにも新兵の訓練、治安維持部隊などでも長く使用され続けたという。
主なパイロットはアルマ、グルアス、リーオン、シリング、スライ、ラッセン、王孫のほか、数多の衛連のパイロット達が搭乗した。
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型式番号…AWGT-13S
機体名称…後期型ガロツⅢ狙撃S型
全長17.73m
重量47.6t
武装
22㎜側頭部レーザー×2
銃剣付きハイブリッド・ライフル
90式対装甲散弾銃
230㎜バースト・レール・キャノン
マイクロ・ミサイル・ポッド×6
簡易プロフ
後期型ガロツⅢの狙撃仕様機。
後期型ガロツⅢ開発計画にあるZWの一つ。
クナトに狙撃されて撃墜された初期型、光牙のクラネオンⅢに一刀両断にされた中期型と比べて全体的に改良されており、特に各種センサーとレーダー系、ステルス性、装甲、姿勢制御性能が強化されている。爪先部分と踵部分の固定アンカー、背部にはデブリや崖に張り付く為の射出型ワイヤーアンカー、折り畳み式の各種複合センサーを搭載。
頭部の約半分を占めているハイブリッド・スナイパー・センサー兼単眼式カメラアイは中〜長距離狙撃用に最適化されており、視認性の良さは群を抜いている。
狙撃用ハイブリッド・ライフルに直結させてビームの威力を高めたり、肩部バースト・レール・キャノンに接続してビーム・キャノンとしても使えるビーム・ジェネレーターを搭載している。
レーザーと実弾の撃ち分けが可能なハイブリッド・ライフルや肩部の230㎜バースト・レール・キャノンによる点の攻撃から、90式対装甲散弾銃を使用した面の攻撃まで対応可能で、中〜遠距離戦闘を得意とする。
近接戦闘武器はハイブリッド・ライフルの銃身に搭載されているコーティング・サーベル型の銃剣のみで、懐に入られると弱い。
それでも、FC装甲の恩恵で頑健さはあり、脚部が強化されているのもあって、蹴り技での逆襲も可能。
衛連の古強者であるハルライト・ルゥ・ゼヴァージは、本機で敢えて乱戦の中に突っ込み、接近時は蹴りと接射で仕留め、離れればライフルとキャノンの狙撃で仕留め、複数の敵には対装甲散弾銃やアンカーとワイヤーを巧みに使って変幻自在の動きをして敵を欺き、各個撃破するなど、本機の機能を最大限に生かして戦った。
主なパイロットはハルライト・ルゥ・ゼヴァージなど。
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形式番号…AWGT-14
機体名称…イズロツ
全長17.56m
重量45.8t
破軍鎧装時
全長43.74m
重量277.9t
明道大翼時
全長23.8m
重量67.3t
武装
22㎜側頭部レーザー砲×4
レーザー・ハンド・ガン×2
デュアル・レーザー・ライフル
内蔵式レーザー・ブレード×4
背部ハイブリッド・キャノン×2
VSLC×2
武装(破軍鎧装)
エネルギー偏向外殻機構
ハイメガ・レーザー・ブレード×2
ロングレンジ・バスター・ブレイズ・ランチャー
肩部HBキャノン×2
280㎜×8ハイブリッド・ガトリング×4
アイゼン・ストライク内蔵式連装ミサイル・ランチャー×6
武装(明道大翼)
環状ブレード・バリア・フィールド
ロング・レーザー・ブレード×2
対無人型超高速機用ハイマニューバ・ミサイル×4
対超光速光子ミサイル×3
簡易プロフ
衛星連合軍の装備換装型可変汎用ZW。
AWGT-12ガロツⅢ、AWGT-13後期型ガロツⅢの昇華発展型に位置する機体。
衛連では珍しい可変機構を搭載したZWであり、人型から高速戦闘形態への変形が可能。
専用の装備に換装する事で真価を発揮でき、明道大翼は機動力と装甲、武装を、破軍鎧装は装甲と武装、火力を強化する目的で製造されている。
トワール財団の協力の下で莫大な予算と資材と抜擢した人材を注ぎ込んで開発された機体であり、あらゆる面で後期型ガロツⅢを凌駕している。
特に機動力、加速性、運動性に優れ、政府軍のサフィニオンにも劣らない性能を持っている。
ハルツィス専用機と世龍専用機、ゼヴァージ専用機、セブン・セイバーズ専用機などのエース専用機があり、指揮官機は頭部形状がやや異なる。
ガロツⅢのメイン動力源だった重複螺旋太陽光発電システムと広域エネルギー受電式エンジンを搭載した「ウェーブ受電システム」は補助動力源となり、メイン動力には小型高性能化されて安価になっていた高性能動力のVSDSが採用され、これによってFC装甲の激しい電力消費を気にせず戦えるようになり、高威力のエネルギー兵器の搭載も可能になった。人型、高速形態両方でリニアウェイブフライト方式の飛行も継承している。
動力源の換装と機動力の向上に伴ってFC装甲は大幅に強化され、ガロツⅢの装甲では防げなかった高威力のバースト・リニア・キャノンの直撃にすら耐えられる様になり、可変機構導入に伴う装甲配置の見直しで限界Gも飛躍的に向上、更に展開時間の問題や展開超過による損壊の問題は後期型ガロツⅢのFC装甲と比べてもかなりの改善がなされている。
武装面では両腕部にレーザー・シールド発生器を搭載し、威力はやや低いが抜群の速射性と連射性を持つレーザー・ハンド・ガンを二挺装備。
最新型で長射程・高精度・高威力のデュアル・レーザー・ライフルを装備。
使い勝手の面で若干の不評があったコーティング・ソードを廃止し、代わりに両手足部分に内蔵型のレーザー・ブレードを搭載。
元々あったレーザー・ブレードの格納部分には対エネルギー撹乱弾を搭載しており、限定的にだが戦艦の主砲クラスのエネルギー兵器をほぼ無効化できるようにもなった。
背部ハイブリッド・キャノンは実弾とレーザーの撃ち分けが可能で、エネルギー兵器としてはバスタークラネオンⅢのバスター・ブレイズ・ランチャーとほぼ同等の射程・威力を持ち、更に取り外して大型ハイブリッド・ライフルとしても使用できるようになっている。
両腰部のハイパー・バースト・リニア・キャノンは、後期型ガロツⅢのバースト・リニア・キャノンを更に強化・改良したものを使用しており、可変速弾を用いる事からVSLC(ヴァリアブル・スピード・リニア・キャノン)という略称があるが、読み難いのか更に略してVLCとも、ビーム・ランチャーではないが便宜的意味でVSBRとも呼ばれている。
VSLCはリミッター解除時にパージする事を想定しているため、着脱可能になっている他、ガロツⅡ、ガロツⅢも使用可能である。
ちなみに高速戦闘形態では背部ハイブリッド・キャノンは上部主砲、デュアル・レーザー・ライフルが中央の主砲として機能し、VSLCは下部副砲として機能する。
高速戦闘形態でも腕部は使用可能で、レーザー・ハンド・ガンや内蔵型レーザー・ブレードで迎撃したり、レーザー・シールドで防御する事も可能である。
また、本機は優れた飛行能力からサブ・フライト・システムとしても運用可能で、ハイブリッド・キャノンを展開した状態にして上部にZWを搭載し、腕部を下方に展開しての手掴みで下部に一機吊り下げながらの飛行も可能である。
サブ・フライト・システム時には上部に乗せているZWに背部ハイブリッド・キャノンを使用させる事が出来、下部に吊り下げているZWにはVSLCを使用させる事が可能で、ある程度の戦闘はできるが、下部のZWが的になりやすいほか、散開時に武器をそのまま持っていかれてしまい、ロストしやすいなどの理由であまり見かけない。
破軍鎧装はかなり大型のユニットであり、装着すると大型重ZWとして扱われるが、追加武装によって面制圧を容易に行ってしまうほどの極めて高い火力を持ち、ラフェンクルと同密度のエネルギー偏向外殻機構により防御力も極めて高くなっているが、追加武装のほとんどが火力特化になっているので、扱いには極めて高い技量が要求される。特にハイブリッド・ガトリングは威力も反動も凄まじい為に少しでも扱いを誤れば大惨事になりかねない程のブツである。
本機は後期型ガロツⅢが完成してから僅か三週間後に完成しており、まずは各隊のエースパイロットに支給された後に量産型が続々と支給されていく予定である。
本機は後にサフィニオン、ルルゼイースと並んで三強ZWともいわれ、同時代最高性能を持つZWと称された。
後にその三機の技術を統合した新機軸ZW・ラーヴェスの開発母体になり、更にそこからクラネオンⅣやヴォルイース、イズロツⅡ、エルロツなどの高性能機を生み出した。
主なパイロットはハルツィス・A・永戸、張世龍、ハルライト・ゼヴァージ、アルマ・レキーネ、グルアス・ザナヤ、リーオン・デイトレ、シリング・ノーティエなど。
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形式番号…AWGT-14HC
機体名称…ハルツィス専用イズロツ
全長17.56m
重量42.39t
武装(受け取り当時)
22㎜側頭部レーザー×4
90式高エネルギー・レーザード・ライフル
内蔵型レーザー・ブレード×4
VSLC×2
武装(未完成型明道大翼)
環状ブレード・バリア・フィールド
ロングレンジ・デュアル・レーザー・ライフル
ワイヤード・レーザー・ブレード×2
拡散ホーミング・レーザー砲×8
簡易プロフ
衛連のハルツィス・A・永戸専用に開発されたイズロツ。
ハルツィス用に性能が底上げされている他、ウイング・バインダーが二重になっており、側頭部に耳羽根状のブレードアンテナがあり、後頭部には白鷹艦隊の旗印とも言えるエンブレムを広域投射する為の二本のコードが伸びている。カメラアイがホワイトバイザーシールド付きのツインアイ方式に変更され、全身が銀縁に白のパーソナルカラーで塗装されている。
他のエースパイロット達が何の問題もなくイズロツと換装ユニットの受領を済ませたのに対し、本機は一番早く完成していち早く輸送されていたのだが、トワール財団に反感を抱く衛連保守派の妨害とハルツィスの活躍を妬む者達の嫌がらせを受けて配備が遅れに遅れ、度重なる延期に業を煮やしたハルツィスが白鷹に搭載してあるZW用の大気圏離脱装置を使ってわざわざ大気圏外にまで取りに行き、知らぬ存ぜぬとしらを切る輸送艦の艦長を諭して「独り言」を言わせてやっと受け取りができたが、武装の一部が後期型ガロツⅢのものに換装されており、レーザー・ハンド・ガンと背部ハイブリッド・キャノンは撤去され、換装ユニットであるミョウドウ・ユニットとハグン・ユニットは解体されてパーツのまま放置されていたという。
ハルツィスはスライ達の協力を得て乗ってきたガロツⅢに持たせていた対核シールドをイズロツに持たせ、慣らし運転で衛連保守派の手先が放った後期型ガロツⅢ四機の猛攻を芝居がかった動きで巧みに潜り抜けながら後期型ガロツⅢのパイロット達を諭し、諭されたパイロット達は追撃するふりをしてハルツィスの護衛を務め、ハルツィスはほぼ無傷で各種ユニットや補給物資と共に大気圏突入を果たした。
数日後には裏日本勢の猛者達と戦ってこれを翻弄し、更に裏日本の沖縄と種子島を制圧してレアメタルの採掘地と裏日本の前線基地を確保した。
沖縄防衛戦では政府軍の新型ZW・リグイースⅢを瞬殺し、政府軍艦隊を撃滅し、余勢をかって陽穿島を占拠した。
四国征伐では連動して沖縄を攻撃する動きを見せた九州の政府軍艦隊に先制攻撃を仕掛けて撃退。
四国征伐後のレジスタンス支援の為に四国に赴く際は、組み立てが済んだミョウドウ・ユニットを試運転のついでに装着して出撃し、豊後水道を閉鎖していた秋月艦隊をすり抜ける様にして突っ込み、艦隊旗艦のブリッジの真近くを通過して波浪を浴びせ、秋月提督を「まるで銀の隼ではないか!」と驚愕させた。帰りは陽穿島に迫ってきた神代偵察艦隊を速攻で沈黙させるなど、並外れた活躍を見せている。
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型式番号…AWGT-14R
機体名称…量産型イズロツ
全長17.56m
重量44.5t
武装
22㎜側頭部レーザー×2
内蔵型レーザー・ブレード×2
レーザー・マシンガン
背部ハイブリッド・ランチャー×2
腰部バースト・リニア・キャノン×2
簡易プロフ
AWGT-14イズロツの簡易量産型。
イズロツのテストパイロット達の意見を参考に構造を簡易化し、操縦性、生産性、整備性、安全性を更に高めて量産された機体。
全身にハードポイントシステムを持ち、ガロツⅢの換装ユニットを装着できる他、一部だけ特化したり、フルアーマー化やフルウェポン化もできる。
練度の低い一般兵でも一定以上の戦闘ができ、かつ成長ができるようにサポート・システムが充実しており、新兵の訓練にも使われるようにも設計されている。
有人、無人を問わずに運用できるが、パイロットにリミッターを左右する鍵としての役割を持たせているので、パイロットが搭乗する事で最大限に性能が引き出されるようになっている。
イズロツと比べてカメラアイと武装面に変更があり、量産型はカメラアイが目立たない仕様になっている他、デュアル・レーザー・ライフルの生産が追いついていないなどの理由でデュアル・レーザー・ライフルの開発の際に生まれた副産物であり、レーザー・ハンド・ガンの開発母体になったレーザー・マシンガンを装備。カラーリングも薄いグレーや薄い青、暗い緑、鉄錆色など衛連の各派閥が定めた規定通りの色になっている。
動力源はイズロツのものをそのまま使用しているが、ウェーブ受電ドライブは廃止している。変形機構は軸変形式からスライド変形式に単純化され、より迅速に変形が可能になった。基本性能はイズロツと同等のものだが、機体性能の高さについていけないパイロットが多く、パイロットの実力が本機の真の機体性能を引き出していたとは言い難い。
それでも、リグイースⅢや量産型クラネオンⅢ、ルルゼイースなどと互角に渡り合っている他、各所の戦いでは期待以上の戦果を挙げており、まもなく主力機の座をガロツⅢに取って代わる様子である。
主なパイロットはスライ、ラッセン、王孫など。
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型式番号…AWGT-14RSC
機体名称…スライ専用量産型イズロツ
武装
22㎜側頭部レーザー×2
レーザー・ハンドガン×2
内蔵型レーザー・ブレード×4
デュアル・レーザー・ライフル
腹部複列位相エネルギー砲×4
背部ハイブリッド・キャノン×2
VSLC×2
簡易プロフ
衛連のエースパイロットであるスライ・コーティス専用の量産型イズロツ。
本来はイズロツを回す予定だったが、四国征伐の最中にスライがグルク・トワールと対立したことでトワール財団の機嫌を損ねた為に専用機の計画を破棄されたが、グルクを内心疎ましく思っていたヴィクスが秘密裏に計画を進め、量産型イズロツをベースに彼専用機が製作され、白鷹艦隊に送られたという。
黄金の機体色を現している特殊装甲にはイズロツのFC装甲をより昇華させたものを使用しており、クラネオンⅢやイムリースのファランクス・ウォールとガロツ系ZWのFC装甲を融合させた新しいものを試験的に用いており、実弾と非実弾兵器の軌道を逸らすことが可能になっている。
武装はイズロツと同様のものが搭載されており、各所に搭載されているフレキシブル・アームは技巧が加えられて隠し腕としても機能する他、三重装着時の武器使用をスムーズにしたり、死角を補う働きもする。
スライ専用ガロツⅢにあった腹部複列位相エネルギー砲が小型高性能化された上に四重に搭載され、より火力と射程が増している。
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型式番号…TZWK-04
機体名称…リグシーゴ(裏愚椎冴)
頭頂高12.53m
重量26.4t
武器
23㎜側頭部リニア
クロス・アイゼン・ストライク×2
日本刀型プラズマ・シュナイダー
58㎜アサルト・ライフル
74㎜超高初速リニア・ライフル
簡易プロフィール
関西方面のレジスタンスと静岡、神奈川、東京のレジスタンスが主に搭乗している小型ZW。
漢字で「裏愚椎冴」と記される場合が多い。
左側頭部に連射式リニア、両腕にはナックルガードとシールドを兼ねたクロス・アイゼンストライク、左腰部には日本刀型プラズマ・シュナイダー、背部には74mm超高初速リニア・ライフルと58mmアサルト・ライフルが搭載されている。
甲型紅花から発展した機体ではあるが、技術的にはイオーリス系ZWとガロツ系ZWと夜光系ZWの中間に位置する機体で、ベヘモス戦争後に政府軍を引退した技術屋と衛連から亡命してきた技術屋が神威百一に匿われつつ、人材と資金提供を受けて共同開発した機体でもある。
機体性能はアスラシリーズや維新、菊池、片喰とほぼ同程度であるが、出力やパワーはガロツⅢに劣る。生産性および操縦性、汎用性、信頼性、整備性に優れている点は他の兄弟機と共通で扱いやすい。
戦術や技量次第ではクラネオンⅢやガロツⅢにも十分に対抗可能であり、光牙や弓菜、巽は本機で量産型イズロツや量産型クラネオンⅢをそれぞれ1機ずつ撃破している。
特攻精神と生還必勝の精神に基づき、自機を強力な爆弾に見立てた設計をしつつも、パイロットの安全を優先した設計が成されている。
いざともなれば己が全てを敵にぶつけて玉砕する武士をイメージしており、ギリギリのタイミングで脱出し、機体ごと敵にぶつけて自爆する「特攻玉砕システム」が搭載されている。
しかし「特攻玉砕システム」はパイロットの覚悟と倭魂が不足していると作動しないという一種の安全装置があり、作中でも賊徒やレジスタンス達の操縦するリグシーゴでパイロットの覚悟と倭魂が不足していたが為に「特攻玉砕システム」を作動させられず、やむなく脱出する場面も度々見られた。
特攻玉砕システムを完遂させたのは光牙のクラネオンⅢと対峙した高知の夜叉こと式部と、鹿児島の鬼姫こと島津瓢と、クレージュのヘルヴァイースを拘束して葬った極阿の貴公子こと神威綾一くらいである。
因みに機体のOSには「電子版武士道編書」が組み込まれており、これは古の日本人学者達が著した武士道編書にとある暗示を組み込んで電子書籍化したものである。
電子版の御守りといった感じで、人にしか持たないとされる倭魂に働きかけ、不動不屈の強い精神への成長を促す。電子聖霊化した武士達の加護があるとされており、邪な気を遠ざけ、精神攻撃を防ぐ効果があるとか…。
電子版武士道編書は開発者不明のオーパーツであり、特定の者にしか認識できないので研究・解析ができないという。
主なパイロットは式部、十河、秦野ら四国反政府連盟の猛者達と三木、島津瓢、神威綾一、浅野光牙、ミィナ・C・禮静など。




