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カシューナッツはお好きでしょうか?  作者: ストレッサー将軍
第9章 『商店街の祭り① ~今宵は詩人の気分なの~』
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89.カエデ



夜の空。


星達が自己主張合戦を繰り広げる。


どの星も、かなしいくらい輝いていて、うらやましかった。


今日は祭り。


熱気の集い。


そんな熱気の正体は、夢か青春かはたまた幻か。


唯一つ自信を持って言えるのは、今この瞬間、最も激しく熱気を放っているのは、この私。


無尽蔵に吐き出される私の熱気は、人の心に火をつける。


そして、心の燃えた人々は、まるで蒸気機関車のようにさらなる熱気を発散する。


発散された熱気は、一人では寂しいらしく、寄り添い、かたまり、まるで孤独な人々のようにモクモクと世界に広がる。


そして、地球という大きな箱に充満した熱気は大気圏を突破し、宇宙の果てへと到達する。


その瞬間、私は宇宙と一つになる。


当然、宇宙と一体化した私に怖いものなどあるはずもなく、あるのは満ち溢れる自信と熱気、そして少しのドキドキだけ。


さぁ、行こう!


あのステージの向こうに。




 私はそんなことを考えながら、ステージに続く階段を駆け上がったのだけれど、このとき、左手で強く握り締めたマイクだけが小刻みに震えていたことに、私自身気付いていなかった。


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