表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カシューナッツはお好きでしょうか?  作者: ストレッサー将軍
第9章 『商店街の祭り① ~今宵は詩人の気分なの~』
89/126

88.警察官川島


祭りの夕闇。


行きかう人々は、内なる熱気を好き勝手に空へと放散している。


それはもう、地球温暖化などおかまいなしというほどに。


そんな中、俺一人だけが内なる熱気を放散することができず、悶々とした熱を、ただこの身に溜めることしかできなかった。




 結局、俺はハルカちゃんと田中敬一のデートが気になり、商店街の祭りに来てしまった。はぁ……、情けない。俺はこんなちっぽけな体一つ、コントロールできないなんて。


 俺はそんなことを考えながら、まるで野獣のように青春を熱気に変えて、その熱エネルギーでうごめく群衆の中を歩いていた。


 商店街の小さな祭りとはいえ、この狭い空間に千を超える人々が集まっている。これほどの人の中から、ハルカちゃんを見つけることができるだろうか? 別に見つけたところで何があるわけでもない。むしろ、見つけないほうが俺にとって良いことなのだろう……


 俺はそんなくだらないことを考えながら人波を漂っていたが、数秒後、その考えは杞憂に終わった。


「あ……」


 人波を外れて一人、木の下でたたずむ浴衣姿の美しい女性。俺は一目でそれがハルカちゃんだと認識し、その瞬間周りの景色は消え落ちた。そして、ハルカちゃんだけが俺の瞳に残った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ