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カシューナッツはお好きでしょうか?  作者: ストレッサー将軍
第6章 『ドキ! 三つ巴のアイドルお食事会! ~当店の一番人気メニューは【天使の涎パスタ】でございます~』
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69.ハルカ


「おいしいですね」


「…………モグモグ」


「ここのお店、結構有名みたいですよ。『天使のおおこぼれ』って、なんだか変な名前ですよね」


「…………モグモグ」


 カエデさんは、ずっと無言でこの店一番人気の『天使のよだれパスタ』を食べていた。気のせいだろうか? ずっと私のことをにらんでいる気がするのだけれど……。


「カエデさんは、何でアイドル『カシューナッツ』のオーディション、受けたのですか? 他にもいっぱいアイドルのオーディションあるじゃないですか……」


 私は話題がなかったので、テキトウに思いついたことを口にした。すると、カエデさんは急に食べるのをやめて、先ほどよりもさらに鋭い目で私のことを睨んできた。しかも、その目からは怒りが感じられたので、私は「何かまずいこと言ってしまったのかしら?」と不安に思った。


「あんたはいいわよね。合格して、今話題のアイドルとして輝いているんだから。私はね、アイドルになるのが夢なの。小さいときからずっと、ずっと、ずっと!! アイドルに憧れていたの。アイドルになることが私の全てだったの! ……だから片っ端からアイドルオーディションを受けていたのよ。『カシューナッツ』のオーディションもその一つ。ご覧の通り、すべて落ちていますけど? あんたみたいに、合格できませんでしたけど? 悪い?」


 私はどうやらカエデさんの逆鱗に触れてしまったらしく、カエデさんは非常に興奮しながら言葉を発していた。


「あぁ……す、すいません…………軽率な質問をしてしまって……」


 私は必死にカエデさんをなだめようとした。しかし、カエデさんの熱は一向に冷める気配がなく、私は困ってしまった。


 どうしよう……。


「あれ? ハルカさんもこのお店でランチだったんですか?」


 私が困り果てていると、突然マネージャーの未実さんに話しかけられた。何で未実さんがこの店にいるのかわからないけど、助かった。ここは未実さんに助けてもらおう。


 そう思った私が、未実さんに事情を話そうとしたそのとき、カエデさんが急に叫びだした。


「あぁ!!!!! あ、あ、あ、う、占いアイドル『クリスタル』の『ミミ』さんだぁああああああ!!! わ、私大ファンなんですぅ!!!」


 そして、私のマネージャーである未実さんに、抱きついた。


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