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カシューナッツはお好きでしょうか?  作者: ストレッサー将軍
第5章 『歌詞を書こう! ~どしたのどしたのどしたの!? 何で殴っちゃたの!!~』
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62.カエデ


【タイトル:地獄の愛は煮えたぎる


 私の心は真っ暗で まるで暗黒豆腐の様

 あなたのせいよ わかっているの?

 もういいわ 死んで頂戴 地獄へ落ちろ

 

 go to hell go to hell

 地獄の業火で豆腐を茹でろ

 go to hell go to hell

 おいしい湯豆腐召し上がれ


 マグマの池で頭を冷やしたら 地獄の花を摘んできて

 それで許してあげるから 必死になればできるでしょ?

 

 go to hell go to hell

 もっと必死に愛しなさい

 go to hell go to hell

 軽い愛は欲しくないの


 地獄より熱い愛で 私を抱きしめて

 あなたの腕の中 溶けてしまいたいの

 それだけが望み それだけでいい 

 だから 私を愛しなさい


 go to hell go to hell

 地獄の業火で豆腐を茹でろ

 go to hell go to hell

 おいしい湯豆腐召し上がれ


 私の心は真っ暗で まるで暗黒豆腐の様

 それを照らせるのは あなただけ

 

 それだけは わかっていてね チュ!(投げキッス)】


 

 私は感情の赴くままに、この歌詞を完成させた。


 ……おかしい、私がここ数日間で学んだことや感じたことを表現しようと思ったのに、なんかよくわからんヘンテコリンな歌詞が出来てしまった……。


「やっぱり、“気持ち”というものを文章で表現するのは難しいや。せっかく、この気持ちを伝えることができれば、人の心打つことができると思ったのに。人々を魅了することができると思ったのに……うまく文章にできないや」


 私はそんな独り言を呟いた。

 それもそうだ、たかが数日でスバラシイ歌詞を書けるようになるのであれば、だれでもプロになれる。正解がわかっても、それを表現できる技術がなければ意味がない。やっぱり、私にこの曲にあう歌詞を書くのは無理だ。


 私はそう思った。そして、いつもならここであきらめていたと思う。けれど、今の私は前とは違う。


「……でも、私はアイドルだ。足りない分は歌やダンスで表現すればいい」


 もし仮に、文字だけで全てを表現できるなら小説家になればいい。でも、私が目指すのはアイドルだ。アイドルは歌詞だけじゃなくて、歌声やダンスでいろんなことを表現する職業だ。だから私はもう、スバラシイ歌詞が書けないことを嘆くのはやめる! 歌詞だけじゃ足りない分を、歌とダンスでおぎなってみせる!


 それが、プロのアイドルだと思うから。創り手が表現できない部分を変わりに表現する。それがアイドルという仕事なんだ。


「ぐるるるる……」


 突如、腹がなった。あまりに集中していたため、夕飯を食べ損ねていたことに、今気がついた。


「歌とダンスの練習がんばろう」


 私はそう思いながら、腹いっぱい飯を食った。


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