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カシューナッツはお好きでしょうか?  作者: ストレッサー将軍
第5章 『歌詞を書こう! ~どしたのどしたのどしたの!? 何で殴っちゃたの!!~』
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51.ハルカ

「いやー、ハルカちゃん撮影良かったよ! ささ、次の収録があるから直ぐに準備してね」


「……はい」


 ここ最近、かなり仕事が忙しくなってきた。疲れた。眠い。あぁ、私はちゃんと歌えていただろうか? ちゃんと踊れていただろうか? 自分では120パーセントの力を出し切っているつもりだ。でも、実際はベストパフォーマンスには程遠いことは、自分が一番わかっている。こんな状態で、私はファンのみなさんに『憩い』を届けられているのだろうか? 私は、このまま事務所の方針に従って、数だけこなすアイドルのままでいいのだろうか? 私は、間違っているのだろうか? 誰か、教えてよ……。


 忙しさの中に身をおいたことがある人なら誰でも思うことなのでしょう。私は自分の歩いてきた道が正しかったと信じることもできず、どんな未来を描けばいいかもわからず、盲目の日々を送っていた。



『大切なのは、君が言う努力を何でもない日常に変えることだよ』



 ふと、社長さんの言葉が思い浮かんだ。今の私には、この忙しい日々を当たり前の日常に感じることはできない。嵐のど真ん中にいるときに「今日もいい天気だなぁ」なんて言えないよ。


 ……もし、こんな閉塞的な日々に光が差すとしたら、私にとってその光源は社長さんだ。私にとって、社長さんは光だ。導きだ。あぁ、はやく社長さんに会いたい。そして、話を聞いてもらいたい。いっぱい話を聞きたい。


「8月31日に社長さんに会えば、きっと私は変われる!」


 私は妄信的にそう、確信していた。




「やあ、ハルカきゅん、おっつー!」


 私が社長さんのことを考えていると、ふいに男の人に声をかけられた。


 はて? どちら様でしょうか?



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