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カシューナッツはお好きでしょうか?  作者: ストレッサー将軍
第3章 『アイドルプロデュース! ~私が、君を、アイドルにする!~』
26/126

25.カエデ


「どうしよう……」


 私は喫茶『パンヌス』を後にしてからずっと悩んでいた。そう、これは紛れもないチャンスだ。今まで数多くのオーディションに落ちてきた私にとって、またとないチャンスなんだ。……なんだけど、『暗黒豆腐少女』はさすがにないだろうよ! 売れるわけないじゃん!


「はぁ……」


 そう、これはまさにどろ舟に乗るようなもの。向こう岸に到着できる可能性は、ほぼ皆無。一度、ご当地アイドルとしてデビューしてしまったら、その印象はその後もついて回る。もし、失敗したら、今後私が望むような正統派アイドルには、二度となれないかもしれない……


「カシューナッツはお好きですか~♪」


 ふと、アイドル『カシューナッツ』の曲が聞こえてきた。駅前のパネル画面に映る、かわいらしい制服を着た3人の少女。広い舞台の上で可憐に踊るその姿を見て、心のそこからうらやましいと思った。


 私も、あの子達と同じ舞台に立ちたい。向こう岸に、行きたい。たとえ、私の乗る舟がどろ舟だとしても、今すぐ舟に乗って漕ぎ出したい。


「ふぅー……よし!!」


 私は静かに深呼吸をし、決意した。


「今に見ていろよ『カシューナッツ』め! この『暗黒豆腐少女』が、今に追い抜いてやるからな!」


 私は電車の轟音にまぎれて、大きな声で画面越しの『カシューナッツ』に宣戦布告をした。


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