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カシューナッツはお好きでしょうか?  作者: ストレッサー将軍
第3章 『アイドルプロデュース! ~私が、君を、アイドルにする!~』
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20.アイドル研究家


『水玉ポニーイチゴ姫』



 アイドル界では名の知れたアイドルだ。当時、アイドルプロダクション『わっしょい』所属。


 メンバーは、『みゅみゅ』と呼ばれる小柄なアイドルと『ぽにゅー』と呼ばれる馬の着ぐるみを着た人。


 キャッチフレーズは

『イチゴの国からこんにゅちわ。うっかり人間界にきちゃいましちゃ、テヘ!』


 ……そう、ガッチガチの不思議ちゃんアイドル。それが『水玉ポニーイチゴ姫』なのだ!! みゅみゅは身長148センチと小柄で、顔も童顔。胸はAカップ。まさに、ロリの神様! はふっ!! は、鼻血が! ……取り乱して申し訳ない、話を続けよう。


 例え容姿が整っていて、不思議ちゃんという特徴があっても、今のアイドル界で活躍するのは難しい。それほど、今のアイドル界は厳しいのだ。それは『水玉ポニーイチゴ姫』も同じだった。ファーストシングル、セカンドシングルと泣かず飛ばず。全く売れなかった。曲もよくなかったし、みゅみゅの歌唱力にも些か問題はあった。さらに、途中で入る「ヒヒーん!」というポニューの泣き声が、非常に邪魔だった。


 そして、テレビ放送にも問題があった。視聴者はかわいらしいみゅみゅを見たいのに、ポニューがみゅみゅの周りで奇妙なダンスを踊っているため、「みゅみゅに集中することができない!」、と苦情が殺到した。


 そんな『水玉ポニーイチゴ姫』だが、サードシングル『イチゴの馬車で潮干狩り』で一気にブレイクすることとなる。


 歌はファーストシングル、セカンドシングルと全く同じ路線で、不思議ちゃんを前面に出した曲だったし、みゅみゅの歌唱力が上がったわけでもなかった。


 では、なぜ売れたのか? そう、ポニューが急にブレイクダンスをし始めたのだ!! それが話題になり、一気に『水玉ポニーイチゴ姫』はブレイクしたのだった! ……長年アイドル研究家をやっているが、アイドルというのはほんとにわからん。なんで、馬の着ぐるみがブレイクダンスをしただけで売れるんだ!? わからん……。ってか、絶対馬の着ぐるみの中身変わっているだろ!! ……はぁ、まだまだ、研究が必要だな。




 ちなみに余談だが、みゅみゅはその後、年齢を誤魔化していたことが発覚(当時18歳といわれていたが、デビューしたときにはすでに26歳だった)。さらに、タバコを吸っているところや、路上で男とキスしているところを週刊誌に撮られ、酷いバッシングを浴びた。最終的には馬の着ぐるみを着ていた男(ブレイクダンスをしていた方)とできちゃった結婚をし、アイドル業界から去って行った…………アイドルのその後なんて……その後なんて……


 アイドル研究家とは、時にアイドルの裏側を見なければいけない、つらい仕事だなぁ。私は改めてそう思った。アイドルの表面だけを見て、ただ喜んでいたアイドルオタクにはもう、戻れないのだなぁ。私は少しセンチメンタルになりながら、頼まれたコラムの記事を書き上げた。


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